100分de名著 『古代研究』 折口信夫
第4回 「生活の古典」としての民俗学
古代の生活から、日本人の宗教観、文学、芸能のルーツを探る折口の代表作
日本民俗学の嚆矢である柳田国男の影響を受けつつも、祖霊信仰とは異なる「まれびと」や「他界」という独自の概念を提唱し、日本文化研究に大きな足跡を残した折口信夫。
本書は国文学や芸能の発生と、神事との深いかかわりを多角的に体系づけようとした彼の主著であるものの、国文学篇1巻、民俗学篇2巻という長大さ、輻輳するテーマなど、
初学者にはとっつきにくい難著でもある。
生活実感や体験を重んじる調査法や、社会から疎外されてきた芸能者の内包する聖性への気づき、同時代の社会批評的姿勢など、
折口ならではの視点に注目して、本書で彼が示そうとした日本文化の基層にアプローチする。
Yo-Yo Ma plays Ennio Morricone # A Pure Formality - Main Theme
(マラヒトの転で、稀に来る人の意。 江戸初期までは清音。
マロウドとも)大空・海の彼方・常世国などから来て村々をめぐり、富や齢をもたらし、その年に行うべきことを予告すると信じられている神。
「なまはげ」のように異形であったり、祖先神であったりする。
まれびと、マレビトは、時を定めて他界から来訪する霊的もしくは神の本質的存在を定義する折口学の用語。
折口信夫の思想体系を考える上でもっとも重要な鍵概念の一つであり、日本人の信仰・他界観念を探るための手がかりとして民俗学上重視される。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます