資金繰り格闘家 中小企業診断士 川原寿 ブログ

資金繰り格闘家こと中小企業診断士の川原寿が、資金繰りや経営改善など中小企業の経営者へ向けたメッセージを発信していきます!

「千葉県中小企業支援ネットワーク」立ち上げ!

2012-10-23 | 中小企業経営
資金調達、リスケ、再リスケに強い、中小企業のCFO
株式会社エスエムイーパートナーズ代表
資金繰り格闘家こと中小企業診断士の川原寿です。

2013年3月の中小企業金融円滑化法期限終了を控えて、千葉県では中小企業の経営再建を支援する新組織「千葉県中小企業支援ネットワーク」という新組織ができるようです。

以下、2012年10月20日付 日本経済新聞(千葉・首都圏経済面)

 千葉県信用保証協会や県内金融機関などは11月上旬、中小企業の経営再建を支援する新組織「千葉県中小企業支援ネットワーク」を立ち上げる。信用保証協会の保証付き融資を利用している中小・零細企業を主な対象とする。協会が窓口となり、企業と金融機関などをとりまとめて経営再建計画の策定から実行までを支援する。
 参加するのは県内の地方銀行や信用金庫、信用組合など11の金融機関のほか、商工会議所連合会や弁護士会など27機関。関東経済産業局や千葉財務事務所も参加する。幹事は保証協会と千葉県中小企業再生支援協議会、千葉県が務める。
 11月上旬に全体会議を開き、参加者で支援の方法などの情報を共有する。その後は経営再建計画をつくるなど支援が必要な企業ごとに、かかわる金融機関などが集まって会議を開く。債権者ではない保証協会がまとめ役となって各機関に協力を呼びかける。
 中小企業の貸出金の返済を猶予する中小企業金融円滑化法は2013年3月に終わる。経営再建のメドが立たずに条件変更を繰り返す企業も多い。こうした企業に対して金融機関は「おおむね保証協会の保証付融資を利用している」(保証協会)。保証協会が中心の組織を立ち上げ、融資先の倒産を防ぎ代位弁済が増えないようにする。
 一方、従業員や下請けが多い比較的規模の大きな企業については、これまで通り県中小企業再生支援協議会が対応する。
 
以上

 正直、この記事をざっと読んだ時、これは悩める中小企業経営者にとっては非常にいい組織ができるなあと思いましたが、よく読み返してみると、残念ながらこれまでの多くの組織と同じく、なかなか機能するのは困難だと思います。
 
 既に過剰借入に陥っている多くの中小企業にとっては、信用保証協会の対応が経営再建の鍵になることは間違いのないことだと思いますが、「債権者ではない」にしろ、金融機関が代位弁済を実行すれば「債権者になる」という複雑な利害関係のある保証協会がまとめ役となるというは少し無理があるのではないでしょうか。

 また、保証協会がまとめ役として機能したとしても、複雑に利害関係がからまる中小企業金融の現状からすると、それぞれの大義名分に沿ってその利害関係を調整することは大変大変困難なものになるでしょう。

 まあ、抜本的な経営再建ではなく、記事の最後の方にあるように「代位弁済が増えないようにする」という先送りのためのものならば話は別ですが・・・。 

 過剰債務に悩む多くの中小企業にとって必要なものは、「経営改善計画」ということには異論はないと思います。
 本当の意味で経営再建の鍵になるのは、中小企業の経営者として「実現可能な経営改善計画を策定し、その経営改善計画を確実に実行する」ことができるのかどうかにかかっているのではないでしょうか。

意欲ある中小企業の経営者の皆様
10月ももう残りわずかです。
気を引き締めて、今日も頑張っていきましょう!

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資金繰り格闘家 中小企業診断士 川原寿

経営者の真の実力が試される!

2012-10-18 | 中小企業経営
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千葉県信用保証協会の保証承諾額が大幅に減少しているようです。

以下、2012年10月18日付 日本経済新聞(千葉・首都圏経済面)

 千葉県信用保証協会がまとめた2012年4月~9月期の保証承諾額は前年同期比28%減の2373億円だった。東日本大震災関連の保証制度を使った保証承諾額が11年上半期の1割強と大幅に減ったことが大きい。県内地銀3行の保証承諾額も31%減の1754億円となった。
 震災関連を除くと、保証承諾額は2%増の2254億円だった。県の運転資金の保証制度や協会の借り換え保証制度などを利用した保証承諾額が伸びた。
 金融機関に返済の条件変更を求める中小企業金融円滑化法は2013年3月に終わる。円滑化法の適用後に保証協会の制度を使って返済負担を軽減した企業もあるが、保証協会は「経営再建のメドが立たなければ、再度の保証付融資は難しい」と指摘する。そのため下半期の震災関連以外の保証承諾額は「上半期を下回る可能性が高い」とみている。
 返済が困難になった企業に代わって金融機関に支払った代位弁済額は横ばいの148億円だった。地元3行では16%増の111億円だった。
 
以上

 記事の中にもあるように、一度借入金のリスケジュールをした中小企業に対して「再度の保証付融資は難しい」というのは紛れも無い事実です。
 さらに言えば「経営再建のメドが立った」としても現実的には「再度の保証付融資は難しい」というのが実態です。
 一般的には、リスケジュールする前の約定返済額に戻してから半年程度の実績を見た上で、やっと保証付融資の申込みの土俵に上がるというのが実態ですから、よほどのV字回復を果たさない限り「再度の保証付融資(資金調達)は難しい」でしょう。
 
 勿論、中小企業の経営者としてはこの与えられたとてもとても厳しい条件の中で、経営再建に向けた努力を行わなけらばならないということが使命でありますが、信用保証協会としても、事実上「V字回復の企業しか救わない」という制度の実態も考える必要があるのではないでしょうか。

意欲ある中小企業の経営者の皆様
10月も後半戦に突入しています。
経営者としての真の実力を見せ付けてやりましょう!
今日も頑張っていきましょう!

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再生支援人員を倍増!

2012-10-12 | 中小企業経営
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金融円滑化法の期限終了を控え、千葉県中小企業再生支援協議会は中小企業の再生計画の策定を支援する人員を倍増したそうです。

以下、2012年10月12日付 日本経済新聞(千葉・首都圏経済面)

 千葉県中小企業再生支援協議会は中小企業の再生計画の策定を支援する人員を10月1日付で従来の倍の12人に増やした。返済猶予を認める中小企業金融円滑化法は2013年3月末に終了する。資金繰りに悩み、協議会の支援が必要な企業が増えているとみて、人員拡充で対応を急ぐ。
 県内金融機関から4人、監査法人などから2人の出向者を受け入れた。金融機関で企業再生に携わった人材や公認会計士らが企業の相談を受けて、経営再建に向けた事業計画の策定を支援する。任期は来年3月末までで、その後は1年単位で契約を更新する。
 千葉県中小企業再生支援協議会は関東経済産業局が2003年に千葉商工会議所内に設置した。複数の金融機関から融資を受けていたり、負債額が大きかったりして、金融機関だけでは対応しきれない中小企業の経営再建を支援する。2011年度は16件の再生計画をとりまとめた。
 協議会での相談窓口である千葉商議所は「再生できる企業を見極めるのに専門家の知見は不可欠。人員増で判断のスピードを速めたい」としている。

以上

 資金繰りに悩んでいる中小企業の経営者にとっては朗報と言えるかもしれませんが、いみじくもこの記事で触れられているとおり「2011年度は16件の再生計画をとりまとめた」だけであり千葉県の中小企業数から言えばそれほど多くの会社の経営再建に寄与したとは言い難いのも事実です。

 再生支援協議会は、技術力が高い企業などの一部の中小企業にとっては大変意味のある組織だと思いますが、資金繰りに悩むいわゆる普通の中小企業にとっては決して使い勝手のいい組織では無いように思います。

 とは言え、人員も倍増したことですし、できるだけ多くの中小企業経営者の味方になり、より多くの雇用を守っていただけるよう影から見守っていきたいと思います。

さあ、10月も中盤に入りました。
いわゆる普通の中小企業経営者の皆様
今日も頑張っていきましょう!

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中小の再生支援 地域金融が強化

2012-10-01 | 中小企業経営
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金融円滑化法の期限終了を前に、地域金融機関が企業再生の取り組みを強化しているようです。

以下、2012年10月1日付 日本経済新聞

 中小企業の借金返済を猶予する中小企業金融円滑化法が来年3月末で期限を迎えるのを受け、地域金融機関が企業再生の取り組みを強化している。日本経済新聞が地域金融機関を対象に円滑化法後の対策を複数回答で聞いたところ、22%が「再生ファンドの設立」を挙げた。企業再生ファンドなど異業種との連携が地域経済再生のカギになりそうだ。
 日経の「地域経済500調査」は全国の有力企業などを対象に原則半年ごとに実施している。今回は8月下旬から9月に調査し、104の地域金融機関から回答を得た。
 有力な地方銀行などの間では、経営不振企業を再生するノウハウを持つ有力なファンドや投資会社と提携する動きが目立っている。共同で設立したファンドに経営不振先の貸出債権を譲渡し、不良債権をいったん本体から切り離す狙い。その後、専門会社のノウハウを使って取引先が再生すれば、事業の再建・拡大に必要な資金を再び融資することができる。
 投資会社のリサ・パートナーズはすでに全国で75を超える地域金融機関と、ファンド組成や業務提携の実績がある。外部資金を使った再生ファンドのほか、公的機関からの出資を得た官民ファンドも設立している。来年の3月末に向けてファンドの設立は増えそうだ。
 円滑化法の終了後の対策として回答が多かったのは、債務返済を実質的に軽減する方法の活用だ。貸出債権を返済順位が低い劣後ローンに転換したり(DDS)、株式にしたり(DES)する金融手法を使うと答えた金融機関は63%に上った。
 また円滑化法の終了で資金繰りに行き詰まる企業が増えると身構えている地域金融機関は少なくない。円滑化法後の対応として「貸倒引当金を積み増す」との回答は38%になった。

以上

この記事の本文では直接触れられていませんが、記事内の図表によると、この「地域経済500調査」の断トツの1位は「取引先の再生計画策定の支援」であり、図表で見る限り100%に近い結果となっています。

それだけ多くの金融機関が「経営改善計画(再生計画)」を重要視している表れでしょう。

金融機関が「取引先の再生計画策定の支援」をできるかどうかはかなり微妙ですので、中小企業経営者自身が事業計画、経営改善計画(再生計画)を策定する能力を身に着ける必要性が今後も増していくでしょう。

さあ、今日から10月もスタートです。
今月も頑張っていきましょう!!

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