Pon子の日記

信州で2016年春から田畑をしながら踊りや太鼓を習っている。仕事もやめて突っ走る無謀なアラサー人生

先生たちとの出会い、事始め 1

2016-06-06 | 芸能修行

引っ越ししてから2か月経過。お借りしているアパートもようやく人間の住む部屋らしくなったところで、日記の整理をしてみた。そもそも私がなぜ芸能を学びたいと決意したか。そして加藤木さんと久高さんというお二人の先生たちとどのようにして出会ったか、日記にすべて書いてあった。(なんてまめな昔のワタシ。)私が記憶していたのとだいぶ事の順序が違っていたので再確認できてよかった。

新生活のドタバタで友人たちにまともに現状報告ができていないのだが、「もう全部ブログに書いちゃえばいいや!きっとみんないつか読んでくれるよね。」と勝手に決めてしまい、今この記事をせっせと打ち込んでいる。

4年ほど前、私は「鬼剣舞(おにけんばい)」という岩手県の伝統芸能の存在を知った。Wikiとyoutubeで検索すしていただくとすぐわかるが、とてもカッコいい踊りなのだ。もう、一目見て「私もこの踊りを踊りたい!」と思った。すぐにPCの画面の前で真似しようと試みたが、何が何やら訳が分からないし、なにより体力的に当時の私には不可能な動きだった。父には「何やってんの」と言われるし。忍耐力のない私は即座に独学をあきらめ、教えてくれる人を探すことにした。そのうちに、久高徹也さんのブログに行きついたのであった。

「この久高さんという人は鬼剣舞を踊れるんだ!しかも長野県に住んでいる!教えていただけるかも。」

喜んでメールしてみたがお返事がない。きっと迷惑メールと間違われてしまったのだろう。しかし久高さんのブログがとても面白かったので、こっそりブログの読者にならせていただいた。そのうちに久高さんの踊りのお師匠様が加藤木朗(かとうぎ あきら)さんという方だとわかった。早速、加藤木さんのこともネットで調べてみたら「和力(わりき)」HPがヒットした。なんだかとてもすごい人みたいだな~と思った。

「なになに、今度この方の公演が東京であるんだな。久高さんはお手伝いに行かれるのだな。」

そうこうしているうちに今度は信濃毎日新聞に加藤木さんの記事が掲載される。当時募集を開始されていた「地力塾」という企画のことなどが書かれていた。それを読んで、この加藤木さんという方に踊りを教えていただくチャンスがあるかもしれないと思った。

何はともあれ、練馬の公演を一度観に行くことにした。久高さんも黒子をされるみたいだし・・・。そして、これが私の妙に度胸があるところだと思うが、新聞に載っていた加藤木さんのご連絡先に突然電話してみたのである。

「もしもし・・?」

「あ、あの、今朝の信毎の記事を読んでお電話させていただきました、Pon子と申します。→以下しどろもどろ」

今振り返って思うと、最初にその電話をとってくださったのは奥様であった。

 

とぅーびーこんてぃにゅーど

 


猟友会のイベント

2016-06-04 | 芸能修行

今日はこれまた珍しい体験をさせていただいた。加藤木さんと一緒に飯伊連合猟友会の主催による「狩猟・クレー射撃疑似体験講座」に行ってきたのである。あまりに面白かったので写真を撮るのを忘れてしまった。(決してジビエを食べるのに夢中で忘れたわけではない。)

芸能修行のブログのはずが踊りや太鼓のことは全然書かない私。でも今回のことも修行と無関係ではないのだ。芸能は、野菜やコメを自分で育てたり生き物を獲ったりしながら命をつないできた先祖たちが残してきたものである。そうした営みの中から生まれた動きや音が芸能の中に息づいているのだという。何でもお金を出せば済ませられる時代だが、自分で鍬をふるったり山に入って動物を獲ったりすることは芸能を勉強するうえでとても大事なことなのだと思う。加藤木さんもそのようにお考えになり、私を今回の講座に誘ってくださったのだ。

会場は飯田市内の射撃訓練場。当然だが人里をう~んと離れた山奥にひっそりとたたずんでいる。受付時間のだいぶ前から軽トラやパジェロミニのような「山に行く人」の乗る車が続々集まってきた。

まずはじめに猟友会の代表の皆さんから、狩猟をとりまく現状と、猟とは何かというお話がある。超ベテラン猟師のAさんは、穏やかではあるけれども開口一番「皆さんには鹿や猪を殺す勇気がありますか?」と、出席者一同に投げかける。狩猟、特に罠ではなく銃の方をやる人は年々減少しているそうで後継者の育成のため皆さん苦慮されているご様子であった。しかし誰でも猟師になれるわけではない。

狩猟の免許や猟銃保持資格の取り方など一通りの説明を受けた後、クレー射撃の見学をさせていただいた。射手は猟友会の若手の中から「超」優秀な方々が集められていたようである。拝見していると、よくもまあと思うほどバンバン命中するのだ。銃の扱いには細かく厳格なルールが定められていて、全員一定の動作を守ってきちんと動いている。よく訓練する人が上手になるというのは何でも一緒のようだ。

見学のあとでジビエの試食があった。私は鹿肉、猪肉ともに今日生まれて初めて食べた。その美味しいこと!想像していたような臭みなど一切ない。鹿肉をローストビーフのようにしたのなんかは、牛肉よりもはるかに美味しい。加藤木さんも、「うまみがずっと口の中に残るね。」とおっしゃっていた。上手に処理をされた野生動物の肉はこんなにも美味しいのかと、ビックリである。山ほどお代わりをしてしまい、最初にお話をしてくださった猟友会のえらい方に追加でできたてを切り分けていただいて、舌鼓を打った。食べながらも、ベテランの猟師さんから興味深いお話をたくさんお聞きすることができた。生き物の生態や、猟に出た現場で何をするか、大物を仕留めたエピソードなど。

猟師さんたちは基本的に趣味で猟をなさっているが、害獣駆除という面では地域に非常に大きな貢献をしてくださっている。そのこともよく分かった。

さて、私は今年中に無事狩猟免許を取り銃の所持資格を得て、猟デビューできるのだろうか・・・?加藤木さんだけ受かって私は落ちたら(大いに可能性がある)ショックだな~。そうしたらせめて勢子として御伴させていただこう。いつかめでたく鹿を獲ることができたら、鹿肉が何よりもお好きな久高さんに差し上げようと思っている。そのまえに私が山で死なないように、みなさん応援してください。