娘の散歩道

東京町田市より、普段の出来事や散歩に行った時に感じた事を
記録しています。

キャッチセールス

2006年06月20日 07時33分35秒 | 昔のこと
先日、図書館に行った際、面白い本があったので借りてきました。
「ついていったら、こーなった」というタイトルで、キャッチセールスの網にわざとかかり実際にどういう展開になるか身をもって体験するという内容です。

その中で、エステ関係、先物取引関係、ネズミ講や、結婚相談所までいろいろなケースがレポートされていましたが、その巧みさと実体が面白くかかれています。
(実際に被害にあった人にとっては不謹慎な言い方でゴメンナサイ。)

私も以前、ついていくとどーなるのかなという疑問からキャッチセールスにかかったことがあります。

20年程前、神田神保町の交差点を歩いている時、常套文句の「ちょっと良いですか?」と声をかけられたことがありました。

その場ではアンケートを採るということはなく「今したいことは何ですか?」という質問だったと思います、もし、したいことがあればそれに向かって努力をし、みんなで助け合うサークルを主催しているということで、主に若い男女が会員であると説明をしていました。

この若い男女が・・・・・と言う言葉で、何のサークルなのかという興味がわき、
そのキャッチセールスをした人と近くの事務所まで行き、詳しい説明を受けることになりました。

事務所は、小さいビルの一室にあり一見、旅行代理店かと思う程綺麗で、棚には
パンフレットのような資料がいくつもありました。

事務所に入り、案内された席に着くと別な説明員が来て、サークルの概要を説明し出し、その内容は会員のみんなで交流を深め、偉い人を講師にして意識改革を行うという説明で、その日は、サンプルとしてビデオを見てその内容を理解して欲しいとのことだったので30分程ビデオを見て帰りました。

そのビデオは人間の倫理観について当たり障りのない内容で、言っていることにも
共感できる内容だったのでその後何日か通うことになりました。

週に2回程通ってその度にビデオを見るのですが、内容が少しずつあらぬ方向に行くのが判ってきました。

人の幸せは、ある人の導きにより得られるもので、それなくしては堕落の人生を・・・・・・・・・・。

このフレーズから、宗教色が濃く、やばいと感じましたが今度は、この会の合宿があるとのことで、しかも無料ということもあり興味が湧いたので参加することにしました。

一泊二日の日程で埼玉県のとある合宿所に行きましたが、各地から集められた若い
男女が50人程居ます、外見は至って普通、話している世間話も普通、この人達は
どのように説明されてきているのかなと思い、近くにいた同年代らしき男に話しかけると意識を高めるためと訳のわからない答えをしています。

その他、何人かに聞いてみると訳のわからない答えや、本人も来ている理由が判らないなどや、どういう会なのか暴いてやろうとする者がいました。

着いた日の午後は、小学生みたいに鬼ごっこや、自己紹介や興味ある事などを言い合って食事して、男女別々に寝るだけで、「何の会?」と思っていました。

夕食後に、この会の幹事みたいな人が来て、明日はこの会に講師を迎え、講義が開かれるので聞くようにと言われました。
全く「????????」です。

寝る前に、昼間に会った、実体を暴いてやると言う人の所にいって話を聞きましたがどうやらこの会は宗教団体であり、その人の知人がこの会に入って性格が変わったので心配になって調べに来たとのことでした。

その人の話に興味があり、何人か集まり、一杯やりながら外で話そうということになり玄関に向かいましたが鍵が掛かっていて外に出られません。
会の人に外に出たいと伝えると「だめです」の一点張り、まさに監禁状態。

力ずくで出ることは出来るのですが部屋に荷物もあり、再度戻ると気まずいのではないかということでその日は、部屋で寝ることにし、何人かで遅くまで話をしていました。

その内、同じ部屋で寝ていた人から「明日の講義に差し支えますから静かにして下さい」とのクレームがあり「この人、いっちゃってるな」とゾッとしたことを思い出します。

次の日、朝食後、教室みたいな所に入れられ講義が始まりました、出てくる出てくる、今では当たり前の名前が。
隣の国に本部があり合同結婚式等で有名な宗教団体だったのです。

講義の最中、他の人を見ると涙を流さんばかりに感動して聞いている人や、メモをとる人やどこを見ているのか判らない視線の人、様々です。
更に講義の最中、急に席を立つ人がいて暫くすると、他の部屋で突然怒鳴り声がしたのを思い出します、その時は判らなかったのですが後で聞いてみると、この会にだまされたということで帰る、返さないという理由で取っ組み合いになったそうです。

講義は確か、2時間程で終わったように記憶していますが、私も興味が無く眠いということから、机に突っ伏して寝ていました、時々頭を上げると他にも睡魔と戦っている人がいてこっくりこっくりやっています。

講義が終わった後、その合宿の幹事みたいな人に別の部屋に呼ばれ、講義の最中、何で寝ていたのか聞かれ、正直に「宗教団体とは聞いていない」、「宗教には興味がない」、「眠くなる講義なので仕方なかった」と伝えると、「これはだめだ」という顔をして、「お疲れさまでした。帰ってもよろしいですよ」と言っていました。

心の中で「何?、帰ってもよろしいだと?、人を騙すようなことをして」と思いながら帰りましたが、態度の悪い連中は一緒に帰されたみたいでした。

その合宿以降は、一切関わることはありませんでしたが、あの頃の態度の良い連中は今頃、その会の幹部になっているのかなと思うとゾッとします。

その後、図書館でこの会の詳しい内容を調べると、私の場合と同じ手口で会員を集め、幹部として育成し、献金の義務や高額商品を買わせたり、会員の勧誘等のノルマを課していく団体で、その金品は教祖の所に集められ、これにより破産や一家離散に追い込まれた家族もあるということが判りました。

更に、何年か経ってこの団体の実体がマスコミに騒がれるようになり私が経験した事が紹介されていました。
最初は、宗教とは微塵も思わせないで、いつしか宗教色の濃い内容になり、合宿などの監禁状態での洗脳があり、やがて会の中核として被害者を増やしてしまう。

私は幸いにも金銭的な被害はなく、その会の脱落者だったので、関わったのは1ヶ月位で、それ以降は無縁ですが、あのまま洗脳されていたらどうなったのでしょうか。

今でも、街角で活発に活動しているのかなと思うと腹立たしく、被害者が増えないことを祈るばかりです。


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