![]() | 大地 (1)岩波書店このアイテムの詳細を見る |
中国の3代にわたる、ある一家の歴史(貧困、栄華、没落)を書いた物語で、一家がその年代毎にどのような希望を追いながら生きたかを書いています。
15年ほど前から、仕事の関係で中国系の人と接する機会があり、その人々に
根付く思いは何なのか、それを少しでも理解できればという理由から、この本を選んで読んだことがあります。
本の中の時代背景は現在と違うものの、長い歴史を持つ民族が、時代により何に対して希望を持つか、求めるものは何か、生きている実感をどのように感じるかなどがまじめに書かれています。
この本を読み、広大な国土を持ち、そこに生きる人々への興味が更に湧いたの思い
出します。
昨今では、エネルギー問題、領海権、歴史問題、北京オリンピック、反日デモや急速な発展などでマスメディアに取り上げられる事の多い中国ですが、実のところ中国に関し、肌で触れて初めて理解が深まる国の一つではないかと思います。
メディアの影響で危ない国のような印象を受けることがありますが、一歩国内に入ればバイタリティーと素朴さを兼ね備える民族であることはすぐに判ることと思います。
また、集団となったときの結束力と、一個人の立場が、大きく違うことにも
興味を持つところです。
今後、ますます発展を成し遂げ官民での交流が盛んになることは当然ですが
表面的な与えられた情報に左右されるのではなく、人々の内面に近づく事の方が
よっぽど、民族に対しての興味が持てるものと感じます。
この本は今読み返しても、考えさせられることがあり、新たな中国の人々の内面的な発見をさせてくれる本だと思っています。
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