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美多哲夫★新・月の起源★

月はゆっくり地球に接近して激突したが、奇跡的に破壊を免れて、地球を回る衛星となった。

天体衝突で表面全体を削られた水星の過去

2020-10-15 20:59:15 | news
太陽系の惑星が形成される最終段階において、水星には表面全体を削るほど小天体が降り注ぎ、揮発性元素を含む物質を供給した、と結論づける計算結果が発表された。
【2020年10月13日 東京工業大学地球生命研究所】

太陽系の惑星は、小さな塵が時間をかけて成長・集積を繰り返すことで形成されたと考えられている。約45億年前には惑星はすでに現在の大きさまで成長していたが、この時点では周囲にまだ小さな天体が多数残っていた。小天体は数億年かけて水星、金星、地球、火星に降り注いだとみられ、この過程は「後期集積」と呼ばれる。
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アストロ天文ニュース

火星南極の地下湖、再観測でも確認

2020-10-08 17:51:55 | news
2018年に探査機マーズエクスプレスがとらえていた火星の地下湖らしき地形が、さらなる観測で再び確認された。実在すれば、液体の水が火星で見つかるのは初めてだ。
【2020年10月5日 Nature News/ヨーロッパ宇宙機関】

2018年、ヨーロッパ宇宙機関の火星探査機「マーズエクスプレス」の観測から南極の氷の下に大きな湖が検出されたことが発表された(参照:「火星の南極の地下に液体の水を検出」)。火星の表面では液体の水は見つかっておらず、このニュースは驚きを持って迎えられると同時に疑う声もあった。
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アストロ天文ニュース

北半球にも新鮮な氷が存在するエンケラドス

2020-10-04 20:15:57 | news
南極から氷と水蒸気が噴出していることで知られる土星の衛星エンケラドスにおいて、北半球でも新鮮な氷が見つかった。こちらでも地質活動が起こっているようだ。
【2020年9月28日 NASA/ヨーロッパ宇宙機関】

2004年から2017年までの13年間、土星とその衛星を周回したNASAの土星探査機「カッシーニ」だが、観測データの解析は今もなお続いており、新しい発見も報告されている。
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アストロ天文ニュース

彗星でも「オーロラ」が発生する

2020-10-01 20:08:18 | news
探査機「ロゼッタ」の観測によれば、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を包むガスの中では、地球などのオーロラと同じ仕組みで遠紫外線が発生している。
【2020年9月28日 ヨーロッパ宇宙機関/NASA JPL】

地球のオーロラは、太陽から流れ込んでくる荷電粒子(太陽風)が磁気圏を経て大気に衝突することで、大気中の粒子を輝かせる現象である。同様の原理で発生するオーロラは、他の惑星や衛星でも観測されている。そして、どうやら彗星でもオーロラの一種が発生しているようだ。
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アストロ天文ニュース

金星の大気にリン化水素を検出

2020-09-20 08:37:48 | news
生命の指標にもなるリン化水素(ホスフィン)が金星の大気から検出された。この苛酷な環境に生命が実在する可能性は低いが、リン化水素の量は既知の化学反応等では説明できない。
【2020年9月17日 アルマ望遠鏡】

金星は大きさや質量が地球によく似た惑星だが、強烈な温室効果をもたらす分厚い二酸化炭素の大気を持つため、地表には90気圧、摂氏460度という苛酷な環境が広がっている。さらに、大気も含めて金星は非常に乾燥しており、これらの条件から金星には地球のような生命が存在する可能性は低いと考えられている。
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アストロ天文ニュース

小惑星由来の隕石、太陽系初期の歴史に一石を投じる

2020-09-03 20:06:35 | news
小惑星ベスタ由来の隕石が40億年以上前の衝突年代を示した。太陽系で大量の天体衝突があったとされる「後期重爆撃期」の年代より古い。
【2020年9月2日 広島大学】

地球をはじめとする太陽系の惑星形成は45億年前までにほぼ完了したとされる。1970年代にアポロ計画で持ち帰られた月の石の分析では、その多くが「後期重爆撃期」と呼ばれる約39億年前の天体衝突を記録しており、この時期に地球や月に大量の隕石が降り注いだと考えられている。この後期重爆撃は月だけではなく、地球や火星、さらには小惑星帯など太陽系の広範囲に及ぶ隕石衝突現象だったと予想されるようになっている。しかし、この説には惑星軌道計算やクレーター年代分布との矛盾がみられることも指摘されており、太陽系初期の天体衝突史はおよそ50年にわたり論争が続いてきた。
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アストロ天文ニュース

ハッブル宇宙望遠鏡がネオワイズ彗星を撮影

2020-08-28 19:49:34 | news
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したネオワイズ彗星の高解像度画像が公開された。核から噴出する塵とガスの構造がとらえられている。
【2020年8月26日 NASA】

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)は8月8日にネオワイズ彗星(C/2020 F3)を撮影した。HSTがこれほど明るい彗星を、彗星の太陽接近からこれほど間もないタイミングでとらえたのは初めてのことである。公開された画像にはコマ(太陽に温められた彗星核を包むガス)と塵の塊がはっきりととらえられている。
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アストロ天文ニュース

ケレスの白い堆積物のもとは地下からの塩水

2020-08-20 18:15:20 | news
探査機ドーンの観測データから、準惑星ケレスの表面にある明るい堆積物は地下から湧き出した塩水に由来し、湧き水は現在も続いているらしいことがわかった。
【2020年8月18日 マックスプランク太陽系研究所/NASA JPL】

NASAの探査機「ドーン」は2007年9月に打ち上げられ、2011年に小惑星ベスタを1年かけて探査した後、第2の探査目標として準惑星ケレスへ向かった。そして2015年3月から2018年10月まで、3年以上にわたってケレスを周回しながら詳細な探査を行った。
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アストロ天文ニュース

風より速く金星を駆け巡る雲の波

2020-08-12 21:52:39 | news
探査機「あかつき」が金星の高度50km付近の雲の中に、波の一種である「雲の不連続面」を見つけた。この波は風より速く、少なくとも数十年前から存在していたようだ。
【2020年8月12日 JAXA宇宙科学研究所】

金星は、大きさ・質量が地球と似ており、地球の双子星とも呼ばれる。しかし、その地表は太陽系の惑星の中で最も暑く、摂氏465度もある。大気はほとんどが二酸化炭素で90気圧もあり、その中に硫酸の液滴からなる分厚い雲が浮かんでいる。さらに「スーパーローテーション」と呼ばれる東風が惑星全体で常に吹いており、高度約70kmの雲頂では4日で惑星を1周するほどの速さを持つ。こうした環境では、太陽系の他の惑星では見られない様々な現象が観測される。
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花山天文台を天文文化の発信地に

2020-08-11 20:04:53 | news
「アマチュア天文学の聖地」と呼ばれる京都大学花山天文台で、将来計画「花山宇宙文化センター」実現のための第一歩としてクラウドファンディングが始まっている。
【2020年8月11日 星ナビ編集部】

※星ナビ2020年9月号記事より再編

紹介・写真提供:柴田一成(前京都大学花山天文台台長・同志社大学客員教授)
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ガニメデに太陽系最大規模の衝突クレーター

2020-08-04 06:49:31 | news
木星の衛星ガニメデに、ほぼ衛星全体におよぶ巨大な多重リングクレーターが存在することが、画像解析から明らかになった。
【2020年8月3日 神戸大学】

木星の衛星ガニメデは半径2632kmと、水星よりも大きい太陽系最大の衛星である。その表面には、非常に古い地面で多くのクレーターが残る暗い色の領域(Dark Terrain)と、クレーターがほとんど見られない比較的新しい地面である明るい色の領域(Bright Terrain)がある。このうち暗い領域にのみ、クレーターの他に「ファロウ(Furrow)」と呼ばれる溝状の地形が存在している。ファロウの上に多くの衝突クレーターが後から形成されていることから、ファロウはガニメデで最も古い地形と考えられてきた。
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8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー

2020-08-01 18:31:12 | news
月面のクレーターの年代調査から、8億年前に月に小天体が相次いで衝突していたことがわかった。このとき地球にも天体が降り注ぎ、環境に影響を及ぼした可能性がある。
【2020年7月30日 大阪大学】

地球では地震や火山活動といった地殻変動、津波などによる侵食や風化が起こるため、昔のクレーターがあまり残っていない。特に全球規模で地球が氷河に覆われたスノーボールアース時代(6.5~6.4億年前ごろと7.3~7.0億年前ごろ)以前のクレーターの形成頻度は、これまでよくわかっていなかった。
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アストロ天文ニュース

金星の火山は今も活動中

2020-07-30 06:45:25 | news
金星の火山性地形のうち少なくとも37個に、ごく最近活動した形跡があることがシミュレーションから判明した。金星内部では今もマグマが動いているようだ。
【2020年7月29日 メリーランド大学】

金星の表面には円環状に盛り上がった「コロナ」と呼ばれる地形が存在する。これはハワイ諸島を形成した火山のように、金星のマントルで対流により上昇した物質(プルーム)が地殻を突き抜けて噴出したものだと考えられているが、プルームがコロナを形成するプロセスの詳細や、コロナに様々な違いが見られる理由はわかっていない。
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アストロ天文ニュース

太陽探査機ソーラーオービター、最初の成果を公開

2020-07-22 16:53:09 | news
今年6月に初めて太陽に最接近した探査機「ソーラーオービター」 が、観測史上最も太陽に近いところから撮影した画像などが公開された。
【2020年7月21日 ヨーロッパ宇宙機関/NASA】

今年2月に打ち上げられヨーロッパ宇宙機関とNASAが協力して運用中の太陽探査機「ソーラーオービター」が、6月15日に初めて近日点(軌道上で太陽に一番近づく点)を通過した。このときソーラーオービターは、地球・太陽間の約半分に相当する約7700万kmまで太陽に接近した。
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月の表裏の違いは自己増幅した

2020-07-11 21:17:24 | news
月の「海」はほぼ、地球を向いた月の表側にしか存在していない。岩石中の成分が火山活動の活発さに関わり、月の表裏の違いを増幅させたことが実験で明らかにされた。
【2020年7月10日 東京工業大学】

月は自転周期と公転周期が一致しているため、いつも地球に同じ面を向けている。地球から見える面が便宜上、月の「表(おもて)」とされていて、この表側に色が濃い部分と薄い部分があることは肉眼でも確認できる。このうち濃い部分は、月の性質がよくわかっていなかった時代のなごりで「海」とも呼ばれる。一方、地球からは見えない月の裏側には、この海がほとんど存在しない。
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