「金正男」暗殺事件は、北朝鮮の暗部を全世界に曝け出した。
権力者と複数の女性の間に産まれた異母兄弟が、父親の残した権力をめぐって、誰がそれを継承するかの争いである。決定のプロセスが、話しあいとか、投票とかでなく、プレーヤーの抹殺であることが、この事件を陰惨なものにしている。
この事件について、我々日本人は誰しも、聞きたくもない、見たくもないこととし、日本人に生まれてよかったと思うかもしれない。しかし、この事件をグローバル(地球的)に見た場合、我々日本人も関わりないものとして看過するわけにはいかない。何故なら、世界のほとんどの人々が、日本人と半島人を区別していないからである。
顔つき、身体つきがそっくりである。しゃべる言葉はアルタイ語系で外国人には同じように聴こえる。食事はコメが主食でほとんど同じである。こうした類似性から、多くの外国人は、サムソンやヒュンダイを日本企業と誤認しているのと同様に、日本人と半島人を同じ文化、同じ性情を持つ民族と見做している。そのうえ、かつては同じ国家を戴いていた国民であったこともあるのである。
日本のマスメディアは、連日、長時間かけてこの事件に関連する事象を放送している。おおむね興味本位であり、この事件により我々日本人に降りかかる災厄について語ろうとしない。しかし、日本人と半島人を区別しない普通の欧米人には、今回の事件が神の摂理に悖る極めて野蛮な行為と写り、彼らの我々日本人を見る眼が厳しくなることを覚悟しなければならない。実に辛いことであるが、我々日本人、そして将来の日本人は、当分の間、この濡れ衣を心ならずも耐えていくことになる。