注目の日米首脳会談が終わった。
筆者はブログで、日米首脳会談は波乱なく終了し、2月13日には株価が暴騰する、と予想していた。実際には、その一営業日前の2月10日に日経平均が470円急騰し、翌営業日の13日には80円の上昇にとどまった。しかし、両日合わせて550円値上がりし、日経平均が久々に1万4千円を超えたのであるから、予想はおおむね的中したと言ってよい。
また、筆者は、この首脳会談の最も重要な課題が北朝鮮対策であると考え、そのこともブログで触れておいた。実際の会議で北朝鮮のことがどのように話し合われたか知る由もないが、実質的な会議が終わり、両首脳の交わりが佳境に入ったところで、北朝鮮がミサイルを発射したというニュースが飛び込んで来た。
このミサイル発射のニュースは、北朝鮮の脅威を全世界に知らしめる上で、これほど効果的、かつ、タイミングのよいものはなかった。トランプ大統領ならびにアメリカ国民は、北朝鮮が、①トランプ政権下のアメリカに対し敵意を抱いていること、②日本海および太平洋をまたいでアメリカ本土を直接攻撃できる能力を持ちつつあること、③核弾頭搭載のミサイルにより瞬時に数百万を超えるアメリカ国民を殺傷できること、を否が応でも知ることとなった。
今、アメリカでは、イスラム教徒への対応について国論が二分し、各地で紛争が起きているが、北朝鮮問題は深刻さにおいてこれを上回る危険性をはらんでいる。大規模テロであっても犠牲者は高々数百人であるのに対し、北朝鮮の核攻撃は数百万人を超える犠牲者を生むおそれがあるからである。
トランプ大統領も、その閣僚たちも、今回の北朝鮮によるミサイル発射を覚知し、北朝鮮への対応をより真剣に考えるであろう。そして、経済制裁や軍事的威嚇では態度を変えさせることのできない北朝鮮を動かすには、地政学的に北朝鮮と密接な関係を持つ日本との同盟関係をさらに強固なものとし、発展させることの必要性を痛感したはずである。
それにしても、安倍首相の強運には驚くほかない。筆者がかつてのブログで記したように、一昨年前半の集団的自衛権については尖閣諸島周辺での中国艦船による示威行為が結果として安保関連法の成立を促進し、昨年6月の消費税率引上げの再度の先送りの際には、熊本地震やイギリスのEU離脱といった激変が安倍首相を助けることとなった。
今回の日米首脳会談では、最終日における北朝鮮のミサイル発射がこの会談の意義を非常に高いものにし、安倍首相ならびに日本国民に想定以上の成果をもたらした。安倍首相が単に運に恵まれているだけなのか、あるいは先見の明に秀でた指導者であるのか、どうでもよいが、安倍首相をリーダーにいただく日本国民が幸せであることは確かである。
このブログをしたためている最中に、「金正男、暗殺か」の臨時ニュースが流れた。これが恐ろしい事態の幕開けになるかもしれない。頼りのトランプ政権が未だ十分な態勢を整えていない現在、そして隣の韓国ではこともあろうに大統領が職務停止中である現在、安倍首相の安全保障に向けての努力だけが頼りである。安倍首相の獅子奮迅の活躍を期待したい。