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素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

土曜に電車に乗って行って来た。

2015年04月06日 19時36分02秒 | 日記
映画・ペルソナ3第3章の感想ですが。

いきなり巻きで始まって、開幕で説明抜きで順平が捕まってるところでスタートなのには「おいおい」と思ったんですけどね。

まぁ、最後まで見たら面白かったですよ。
原作に忠実であろうとして、プロテイン先輩の過去話が蛇足っぽい演出に成り下がってたのは悲しかったですが。


3章のテーマはね、絆を結んでも、死別、引越し、旅立ちその他で絆を結んだ本人を失ってしまうかもしれない。
けど、真の絆を結んだのであれば、それはきっと無駄じゃない。
例え本人が居なくなったとしても。

サヨナラを恐れて、最初から他人と関わるのを止めようとしていた主人公が、順平とチドリの絆を目にして「そうじゃないんだ」と学ぶ流れ。

原作に忠実な展開にしつつ、プラスアルファで作品のテーマ的なものを練りこんできたのは素直に面白いと思いました。


そして。

順平の最大の見せ場の演出、めっさ丁寧でね。
序盤の部分を端折られたのは嫌だったけど、ここをしっかりやってくれたから。


双方実は敵同士なのに、街で偶然出会って。
色々あって、頻繁に会うようになり。

で、ついつい順平が、自分を大きく見せるために吐いた嘘
「俺、ペルソナ使いで、ペルソナ使いのグループのリーダーなんだ」

それを真に受けたチドリが、主人公たちグループの活動を止めさせるために、順平を罠にかけて捕らえるんですが。

そこで「リーダーなんでしょ?あの人たちに活動を止めるように言ってよ!」と刃物をつきつけて順平に要求するチドリに
「ごめん。それ、嘘なんだ。リーダーだなんて、嘘っぱちなんだ」と、いたたまれない顔で言うんだよね。順平が。

ここ、まるっきしカットだったのが悲しかったわ。


でも、その後。
戦いの末、チドリは主人公たちグループに捕まって、美鶴先輩の実家の息がかかった病院に強制入院させられるんですが。

敵で、順平を色仕掛けで誑かした悪い女だ、とばかり、ちょっと手荒な扱いをされそうになってたチドリを、順平が庇い、そのまま色々世話焼きするようになるんですな。

ここはちゃんとやってくれた。
重要なシーンですものね。チドリと順平の恋が育つシーンだし。

で、最後。

強制入院するまでは、刹那的に「今さえ良いなら明日死んでも構わない」って考えていたチドリが、明日を夢見る普通の人間になったところで、昔の仲間に攫われる。
「堕落すんな」と。
彼らにとっちゃ、明日が来るのが楽しみだと、先のことを考えて生きるのは堕落なんですわ。

で、最初の状態に逆戻りし、自分のペルソナを召喚して順平との戦いになるんですが。
順平の呼びかけで、敵対するのをやめるんですね。

しかし。

チドリの心が解けたか、という瞬間。
銃声がして、順平射殺。

撃ったのはチドリの昔の仲間。

彼らもペルソナ使いで、冒頭では主人公たちと互角レベルだったんですけど。
彼らは成長していて、前より強くなってる。

で、当然ですが、押されるわけですよ。

そして、射殺された順平はですね。
チドリが自分のペルソナの力を使い、蘇生させてもらうんですが。
その蘇生方法が「チドリの命を、順平に与える」だったもんで。

当然ですが、順平は蘇生するんですが、チドリは生命力を使い果たして死亡してしまうわけですわ。

その様子を見ていたチドリの昔の仲間が「なんと愚かな最期だ」と侮辱するのですが。
それに順平が激怒。

それまでもね、何度か怒るシーンあったんですがね。順平。
基本的に、嫉妬心という、自分のための怒りなんですわ。

でもね。
ここの順平の怒りは、チドリの死を侮辱されたから、という、他人のための怒り。
他人のために怒ったわけです。彼は。

そんな彼の成長に応え、彼のペルソナ「ヘルメス」が「トリスメギストス」に進化。
意味は「3倍偉大なるもの」ですわ確か。

彼の人間的な成長に応えると言う意味では、ピッタリのペルソナ。

映画はさ、ここをしっかりやってくれたんですよね。
ちなみにさ、原作だと他の仲間の方が先に進化するんですけどね。
それをあえてやらなかったのに拘りを感じましたわ。

多分、先に他のメンツが進化すると、順平のこの見せ場のシーンがボケてしまうからだと思うんですが。

覚醒し、その進化した力で敵のペルソナ使いを撃退したその後。
学生寮で、チドリの遺品であるスケッチブックを美鶴先輩に渡されるシーン。

チドリはそこにワケわからない気味の悪い絵を出会った当初は描いてたんですが。
それしか記憶になかった順平は「チドリの絵は多分見てもわけわかんないと思いますよ」と言いつつスケッチブックを開いたら

そこに書かれていたのは超写実的な順平の絵。

ここね、原作だと台詞でしか説明されないんだけど。
絵で見るとね、破壊力違うよね。

刹那的に、今さえ良ければ明日が無くても良い、なんて考えてた彼女が。
順平と会うことが日々の幸せになっていた。

それがこの絵一枚で伝わってくるからね。

そして言うんですわ「俺、チドリを好きになって良かった」って。

押さえなきゃならんところはしっかり押さえてくれてたねぇ。
思わず泣きそうになったよ。