路地裏シルベットのアンオフィシャルblog

革ジャン職人の仕事と生態。 公式ブログでは書けないハピネス&マッドネスをお届けします。

新16年生

2017-10-17 02:36:38 | 日常
あれはまだ20代でした。

とある女優さんの革ジャンをつくらせてもらいました、というかレデース担当が自分だったからというだけのハナシですが。

納品後しばらくたって、
ボッロボロになって帰ってきました。
ダメージ加工を施したらしく抜けた糸を縫い直しなさいと!

やり場のない怒りにプルプル震えていた若き私を(男前)工場長は外に連れ出し、ババチビルほど大説教。

傷一つ、シミ一つ埃すら付けないように縫製をして納品しても、お金を払ってくれたお客さんがどうしようが自由。

この世界でやればやるほどヒシヒシと沁みてくる。

今現在どれだけ仕事が増えても、お客様に評価されても、天狗になれないのは、そんな先輩方がいつまでたっても私のまぶたの上にたんこぶとして存在してるからです。

話は変わりますが、

モノが届いたら泣けてきた。

絡みづらい歳下だとか、
いつもいぢりやがって!
とか思われてただろうな。

こんなに大事に使ってくれて、
俺が出来ることはバッチリ修理することだけ
明日お返しします。

そして一つ歳を重ねた今日。
今年の誕生日も工房にいるのでした。