太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

五行物語 3

2008-03-10 16:09:39 | 太極拳
 五行といいますのは、陰陽とともに、太極拳に志す方にとりましては、大変重要な項目と思われます。その理論は中国医学にも取り入れられており、中国医学のバイブルといわれています 「黄帝内経」 には、人体の生理、病理、内外環境との相互関係、臨床診断と治療とにその方向性をみることができます。
 五行の気の重要な意味は、「生」「克」「制」「化」 の有機的全体観にあります。人間の生命維持活動は、自然の摂理として 「生」 勢いを盛んにさせ、「克」 勢いを阻害させ、「制」 制御し、「化」 変化させるもので、それが亢進し過ぎると害になりますから、克することによって安定すると、制・化が持続できるとする考え方です。
 五行の五は木 (もく)、火 (か)、土 (ど)、金 (こん)、水 (すい) の五つを指し、行は運動を意味しています。つまり、自然界の現象は全て五つの物によって営まれていると見立て、五つに分かれたそれぞれが、他と関わりを持つことによって、互いに影響し合うものとして、これを自然現象や体の部位、あるいは体の働きなどとして当てはめています。
 この五行の最も古い記述といわれていますのが、[尚書・洪範篇]です。
「五行一に曰く水、二に曰く火、三に曰く木、四に曰く金、五に曰く土。水は下に流れて潤して潤下 (じゅんか) し、火は炎上し、木は曲がったり真っ直ぐになったりする曲直をし、金は加工して形が変わる従革 (じゅうかく) をし、土は穀物を収穫する稼穡 (かしょく) をする。潤下は鹹 (かん・塩辛い味) をなし、炎上は苦をなし、曲直は酸をなし、従革は辛をなし、稼穡は甘をなす」 と記されています。