太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

不老長生のための五臓を考える 13

2009-06-30 16:48:53 | 太極拳
3.心活性化の手法

(1)亀の呼吸法
 血液のめぐりが悪く滞りがちの人は、一分間に一回のゆっくりとした呼吸を行うといいと思います。ただし、一分間に一回の呼吸は相当に訓練を要しますから、少しずつ間隔を広げてゆきます。
 この方法は精神が安定するという、おまけまでつきます。
 緩やかな呼吸を行いますと、心臓の鼓動が落ち着いて、心拍数が安定します。
 中高年に多い病気に心筋梗塞がありますが、これとても呼吸法に問題があって起きる病気ですから、この亀の呼吸法をお薦めします。

不老不死のための五臓を考える 12

2009-06-29 19:55:49 | 太極拳
 笑う門には福来たるという言葉がありますが、あまり喜び過ぎても体によくありません。喜びが過ぎた状態を「過喜」といって、意念が至るところに気が至り、気が至るところに血が至りますから、血のめぐりが同調して意念を放漫状態に陥らせ 心気を損なうことになります。
 心経の病気の中でとりわけ多いのが高血圧症です。高血圧症は道路で言いますと、自動車の渋滞が血管の中で起きている状態のことです。渋滞といいますのは、流れを邪魔する何かがあって起きるわけです。その渋滞の流れを良くしようとすれば、一気に圧力をかけるのが最善の方法ですから、勢い圧力をかけるために血圧をあげるわけです。
 高血圧症の原因は二つあります。
 一つは脂肪とコレステロールの摂り過ぎです。これらを摂り過ぎますと、体の中に吸収されることなく、血管の中を回り続けることになりますから、行き先のないまま血管の内壁に取り付いて、血管を細くして血流を阻害します。
もう一つの原因は逆上です。
 血が集まってしまう、いわゆる頭に来たという状態です。人間の血というのは意識する場所に集まりますから、頭を使ったり、神経を使ったりすればそこに集まるのは当然のことです。
 ある年齢を過ぎますと、腎経が衰えて足腰の気が足りなくなります。腎経は元気の大本ですから、当然の成り行きではあるのですが、できるだけ「頭に来た」状態を作り出さない工夫が大切です。

不老不死のための五臓を考える 11

2009-06-26 09:41:58 | 太極拳
2.機能

 「心」は、からだ全体の循環機能を受け持ち、血液を仲立ちとして、人体を構成する約60兆個の細胞の一つ一つに、まんべんなく酸素や栄養素などのエネルギーを供給する役割を担っています。
 心は単に心臓にとどまらず、生命活動の中枢である大脳新皮質、循環器、小腸、舌、神経もつかさどっています。したがってこの機能が停滞しますと、循環器に障害が出て、立ちくらみをしたり、顔色がさえなかったり、手足が冷えたりして、やがては高血圧症、低血圧症、心筋梗塞を引き起こすことになります。
 心と同じ火に属しています小腸、舌などに障害が出ますと、消化不良、味覚障害を起こします。やはり同じく火に属しています神経に異常が出た場合には、神経痛に加えて精神的な障害、焦燥感、驚きやすい、動悸がするなどの症状が出ます。そのほか脳の働きにも影響が出て、ボケにつながり、睡眠障害として眠りが浅い、夢をたくさん見るなどの障害が出ます。

不老不死のための五臓を考える 10

2009-06-25 19:36:49 | 太極拳
Ⅱ 心
1.概念

 「心・しん」は西洋医学でいう心臓と共通する部分が多く、心臓の拍動や血液循環を担っています。
 このほか東洋医学では、西洋医学でいうところの、脳の働きに相当する意識や思考などの精神活動の部分も、心の役割としてとらえています。
 間接的には睡眠の仕組みにも関わっています。
 心は生命活動を維持する最も重要な働きをするところとして、「君主の官」という称号を与えられています。
 主な生理機能には「主血脈」と「主神志」があります。
 主血脈の主はつかさどることですから、血脈をつかさどるということになります。黄帝内経素問に「心は身体の血脈を司る」とあり、また「諸血は皆心に属す」とありまして、心の気によって心臓が拍動し、血液が脈の中を全身くまなく巡回することを表しています。
 主神志は心が人の精神、意識、思惟活動を司っていることを表しています。

不老不死のための五臓を考える 9

2009-06-24 10:27:37 | 太極拳
五臓と五行について

 これまで、五臓をさまざまな観点から見てきましたが、この五臓の捉え方の原点には五行の思想があります。五行は陰陽と共に、紀元前から唱えられてきた思想で、俗にバランス学説といわれています。五行は五つの、陰陽は二つのバランスが保たれているのが最良の状態とするものです。
 五行思想は、この世のあらゆるものは、五つの要素で構成されているとする思想です。その要素は木、火、土、金、水で、それぞれの特性によって区分けされています。
①木 (もく)
 木の特性は「曲査・きょくさ」で、樹木がその枝葉を柔軟に伸び広げさせる様子を、生命力の強さとして、「生長、柔和、舒展・じょてん・手足などをゆったり伸ばす、曲直」ととらえたものです。曲直といいますのは、木が真っ直ぐに伸びたり曲がったりして生長する性質を表したもので、伸ばし広がる、発展するなどの性質や現象などを備えるものを、「木」の特性として集約しました。
②火 (か)
 火の特性は「炎上・えんじょう」で、炎や熱が上に上がっていくように、火の特性としてあるのは炎熱と上に向かうものとして「炎上、陽熱、升騰・しょうとう」とらえました。上昇するもの、温熱、陽性などの性質や現象を持つものを火の特性に属するものとして集約しました。
③土 (ど)
 「土」は万物を生みだす力で、多くのものが土の中で育まれることから「万物の母」と言い慣わされ、やがては土に還るというて哲理から、その性質を豊満、重厚、和潤としています。
土の特性は「稼穡・かしょく・種を蒔くことと収穫すること」として、納めること、載せること、物事を生成させることなどを持つものを土の特性としました。
④金 (こん)
 金の特性は「従革・じゅうかく」、金属が性能や形を変えることを指しており、清涼、清潔、物を引き締める、秋の冷気が万物を引き締めて厳しく物を傷めつけること、などの性質と現象をそなえるものを金が属する特性としました。
⑤水 (すい)
 水の特性は「潤下・じゅんか・水の別名で、物を潤して低い方に下ること」で、全ての物にうるおいを与える働き、下に向かう、井戸水のような肌をさす冷たさなどの特性を持つものとして、「滋潤・じじゅん・しっとりと潤いがある」「寒涼・かんりょう」「下に就く」「閉蔵・へいぞう」など性質と現象をそなえるものを水の特性として扱いました。

不老不死のための五臓を考える 8

2009-06-22 11:36:06 | 太極拳
肝活性法
(2)肝虚法

 この功法は、肝を虚にする、肝をリラックスさせる功法です。
肝の経脈は目に通じていますので、気は目によく流れます。この作用を利用して肝虚功を行います。

①背筋を伸ばし、体の力を抜いてリラックスし、足を軽く開いて椅子に座り、顔を天井に向ける。

②両手をだらんと下ろす。

③空気を吸いながら両手を外側から上げてゆき、両手が最上部に来たところで手のひらを下に向けて手を組む。同時に肺の中に空気が満たされたところで息を止める。

④息を止めた状態で手のひらを切り返して天井に向け、天井を持ち上げるように体を真っ直ぐに伸ばす。

⑤目から気が出るとイメージしながら「シィー」と声を出して息を吐く。このとき意念は、しっかりと天井に向ける。

⑥息を吐き終わったら、目をつむって手を下にゆっくりと降ろしてゆき、

⑦その両手の内、男は左手を右の肋骨の下、肝臓のあたりに当て、右手をその上に載せる。女性は手を逆にして当てる。

⑧この姿勢のまま、深呼吸を3~4回ゆっくりと繰り返す。

⑨この肝虚功は一日12回行う。すると、ゲップ、涙、あくびが出て眠くなってくる。効果が出始めた証拠である。

不老長生のための五臓を考える 7

2009-06-21 10:51:41 | 太極拳
5.肝活性化の手法

(1)六字訣 (ろくじけつ)
 六字訣は呼吸法に合わせて発音することで、人体の六種類の機能を高める気功法です。
 六種類といいますのは五臓と心包 (しんぽう) です。心包は血の巡りを活性化するための腑といわれ、心臓の外郭を包んでいる組織をいいます。
 古代の中国人は、日ごろの鍛錬の中から、どの発生をすればどの機能が高まるかを発見し実践していました。
 肝の機能を高めるための発音は「虚」で、シィーと発声します。口を「ウ」の発音の形にして「イ」と発音すると、ウの少し訛ったような感じになります。頭に「シ」を付けて「シィー」と発音します。この発声を繰り返すことで免疫力が高まります。

不老不死のための五臓を考える 6

2009-06-20 10:34:11 | 太極拳
4.経脈の循行

 経絡とかツボという言葉をお聞きになったことがあると思いますが、中医 (中国医学のことですが、中国では東洋医学は日本の医学と解釈しています) あるいは太極拳、そして気功でも経絡やツボを大事に扱っています。肝経の経絡のことを「足の厥陰 (けついん) 肝経」と呼んでいます。
 肝臓の重要性につきましては、やっと西洋医学でも注目するようになってきましたが、東洋の医学では、昔から栄養の貯蔵配分作用を担うものとして、「肝心要」の言葉を当てていました。
 肝経には14の穴位・ツボがあり、足の第一趾 (おやゆび・足のゆびは手編を付けて指とは表わしません) の内側、第二趾 (このゆびのことを足の人差し指という人がいますが、足のゆびで人が指せるけがありません) 側の爪のはえ際に「大敦・だいとん」というツボがあり、そこから脚の内側を上って肝臓のところにある期門までです。
 この経に異常がありますと、気分がなえたり、急にやる気を起こしたりと精神的に不安定になったり、目が輝きを失って物が黄色く見えたり、動作がぎこちなくなったり、立ちくらみがしたり、食欲不振、吐き気、肋骨の圧迫感、頭痛、前立腺の障害などを起こしたりするようになります。

不老長生のための五臓を考える 5

2009-06-19 09:08:02 | 太極拳
3.肝の役割

 肝は筋や腱および関節などの運動神経系の機能を、制御、調整する役割を担っています。
 中国の一番古い医学書の黄帝内経 (こうていだいけい) 素問に「肝は筋を生ず」とあり、別に「肝の合は筋なり」とありまして、肝は筋とそれに関連するすべての機能の統率者として、筋肉の痛み、筋肉のひきつれ、舌の障害などの筋に関する全ての症状が、肝の病変の表れであるとしています。
 肝はまた、目と爪にその影響力を表します。肝は目の瞳孔の開閉、焦点の調節などの自律神経系調節機能を有し、慢性のかすみ目、めまい、ドライアイ、夜盲症などの症状は、肝の病変の表れであるとしています。
 一方で肝の血流が不足しますと、それが爪に影響して、爪が白く柔らかくなって艶をなくし、爪がひび割れたりというように、影響力を及ぼします。
 これらのことを黄帝内経素問では、「肝は目に開竅 (かいきょう) し、その華は爪にある」と表現しています。

不老長生のための五臓を考える 4

2009-06-17 09:48:38 | 太極拳
2.機能

 肝は免疫機能を担っています。つまり、病気に罹らないための抵抗力を司っているわけです。抵抗力が低下すると体は、病原菌に冒されて腫瘍や炎症が出やすくなります。
 このような免疫不全に限らず、悪い病原菌が入ってきたわけでもないのに、体が勝手に免疫反応を起こし、免疫過剰になることもあります。
 これをアレルギー症状といい、本来有益であるはずの卵だとか肉にも反応し、これを追い出そうとして下痢やジンマシンを起こし、必死に反撃します。信じられないことですが、そばにも反応してアレルギー症状を起こす人がいるといいますから驚きます。
 花粉症の場合にも、粉そのものは悪くないのに、体はこれをウイルスと間違えて、体から追い出そうと鼻水や涙を出し、ジンマシンや下痢を起こし、ついには熱まで発することになります。

不老長生のための五臓を考える 3

2009-06-16 09:12:36 | 太極拳
 「蔵血・ぞうけつ」は、西洋医学では自律神経の指令によって、血管の平滑筋が血流量を調節する働きに相当します。
 東洋医学ではそれに加えて、血液の貯蔵の役割を担い、体内における「血・けつ」の配分と調節を行うものであるとしています。
 活動している昼間と、睡眠時の夜では血流量が異なりますから、体の条件に応じ、必要な場所に必要なだけの血液を送り、不必要な血液は肝に蓄えておく働きです。
 肝は他の臓器に比べ血流量が多いですから、肝臓内の血流が阻害されますと、慢性肝炎、肝硬変、食道静脈瘤に罹ることになります。
 肝は別名「将軍の官」と呼ばれ、将軍が戦の脅威にさらされ、戦々兢々とおののいている精神状態を表しています。肝に影響を及ぼす季節は「春」で、春は人の精神状態を抑圧し、肝気が昂じ程度が過ぎますと怒りっぽくなるという症例からそう呼ばれています。
 現在、西洋医学で原因がつかめていない不定愁訴の病気に、心身症や自律神経失調症がありますが、この原因が肝に関係しているという認識は西洋医学にはありません。

不老不死のための五臓を考える 2

2009-06-15 11:46:12 | 太極拳
 各論に入る前に、五臓と五行のかかわりを見ておきましょう。
 東洋思想はすべてこの五行思想と、陰陽思想がベースにあります。中医然り、太極拳然り、気功然り。
 五行は、この宇宙にある全ての物質は、五つの物質で構成されているとする考え方で、その五つを木(もく)、火(か)、土(ど)、金(こん)、水(すい)であるとしています。最初の木は肝に配します。火は心、土は脾、金は肺、水は腎にそれぞれ配されます。
 まず、木に配された肝からみてまいりましょう。

Ⅰ.肝
1.概念
 「肝」は胆汁の排泄と関わる点で、わずかに西洋医学の肝臓との接点を持っていますが、東洋医学でいう「肝」の働きには、血液の流量の調節、蔵血、免疫機能などの機能が加えられ、西洋医学に比べて広範囲の領域をカバーしています。それらの機能を「主疎泄・しゅそせつ」「主蔵血・しゅぞうけつ」といっています。
 「疎泄・そせつ」といいますのは、気・血・津液 (しんえき・内分泌液) が全身に巡り、各臓器の働きを調節する働きをいい、情緒を調節する働きを含んでいます。細分化された西洋医学では、このような総合的な考え方をすることはまずありません。
 東洋医学は五行の思想をベースに、肝と胆は相通じているととらえ、その影響する所は目と爪に現れるとしています。
 例えば二日酔いの朝、目が赤く充血しているのは肝が疲れているととらえ、更にそれ以上の肝の疲れは、爪がささくれだったり、割れたりすることで疲弊の度が昂進していることを確認します。

不老不死のための五臓を考える 1

2009-06-14 15:07:02 | 太極拳
 五臓といいますと、西洋医学では五つの臓器、肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓をいいますが、東洋医学の蔵象学説による五臓は、生命維持に必要な機能を意味しており、肝、心、脾、肺、腎が持つ機能をいうとあります。
 つまり、肝は免疫機能、心は循環機能、脾は食べ物から必要なエネルギーを吸収し蓄積する機能、肺は呼吸機能、腎は内分泌機能を指しています。
 私たちが太極拳をする目的の一つは、「元気で長生きをする」ことです。いま日本は世界一の長命国として脚光を浴びていますが、寝たきり老人も世界一と言いますから、有難くない現実もあるわけです。
 寝たきりでは、生きている意味も半減してしまいますから、そうならないために、病気になる前に病気の原因を取り除いてしまうという、中医でいう「未病」を実践したいものです。
 病床にあって命を永らえていることを「長命」といい、元気で活躍して長生きすることを「長寿」といっています。死ぬまで健康でいるためには、五臓を活性化させ、生命力に満ちたエネルギーを、みなぎらせようではありませんか。
 健康を保つために五臓のことを考えてみることにしましょう。

アルファー波のこと 7

2009-06-13 11:25:14 | 太極拳
 脳波の基本的なリズムが完成するのは、だいたい18歳くらいになってからで、新皮質が発達していない乳幼児は周波数も低い。
 人間の脳が絶え間なく刻んでいる脳波のリズムは、遥か銀河系の彼方からやってくる波動リズムと、そっくりで見分けがつかないと測定されています。
 宇宙の一部である私たち人間の意識と、宇宙の壮大なエネルギーのパターンの間には、何か共通のメカニズムが働いているもののようで、人間は、宇宙と同じリズムで、ダイナミックな宇宙エネルギーに共鳴しているかのように思えてなりません。

脳波の整理をしておきましょう。
δ波  0.5~4ヘルツ
θ波  4~8ヘルツ
α波  8~13ヘルツ
β波  13~30ヘルツ
γ波  30ヘルツ以上

アルファー波のこと 6

2009-06-12 21:05:42 | 太極拳
 物を考えるときの中枢である前頭葉には、前頭前野と呼ばれる部分があって、運動を司る運動野もここに位置しています。
 ここに脳幹からA10 (エーテン) 神経、別名恍惚神経と呼ばれる神経が伸びていて、ここを刺激することによって、夢の世界に遊ぶことができるようになるわけです。これが先の雲の上に乗ってフワフワしているような感覚を味わわせてくれるのです。
 次に周波数の少ないのがθ波で、ぼんやりしているとき、睡眠しているとき、深く落ち着いているとき、無意識の時に現れる4~8ヘルツの脳波です。
 周波数の最も少ないのがδ波で、熟睡のとき、失神状態の時に現れる緩やかなカーブを描く脳波で、0.5~4ヘルツの波長で、悟りの脳波といわれる脳波です。