太 極 拳 最 高 

健 康 を デ ザ イ ン す る

漢字の成因 23 

2009-10-31 06:08:33 | Weblog
竹 タケカンムリ
 二本の竹をかたどった象形。竹の種類や状態、製品などの部首として用いられる。
 竿:会意形象。竹+干 (真っすぐな幹) で、真っすぐな竹の幹。
 笑:会意。竹+夭 (よう・細くしなやか) で、口を細くすぼめてホホと笑うこと。
 答:会意。竹+合で、竹の器にピッタリとふたをかぶせること。
 筒:会意形声。竹+同 (筒の象形) で、竹の筒、竹の管の意。
 等:形声。竹+寺で、竹の節、もと書き記すために使った竹簡が等しく揃っていたことによる。

冖 ワカンムリ
 指事 上からかぶせる、おおいかくす意。屋根、おおい、かぶせることなどに関して用いられる。ワカンムリの名称は片仮名の「ワ」に似ているところから。
 冗:会意。冖 (やね) +儿 (ひと) で、仕事がなくて家の中でたるんでいる人間のこと。
 写:形声。冖+舃 (おろす意) で、物を家に運んできて下ろす意。転じて物を書き写す意に。
 冠:会意形声。冖 (かぶりもの) +元 (あたま) +寸 (て) で、かぶり物を頭につける、またはかんむりに用いる。
 冤:会意。冖 (おおい) +兔 (ウサギ) で、うさぎが囲いの下で動けず屈折すること。むりに抑えこめられること。
 冥:会意。冖 (おおう) +日+六 (入の字の変形) で、日が入り何かにおおわれて光りのないことを示す。

漢字の成因 22

2009-10-30 09:48:41 | Weblog
冠 カンムリ
 漢字の上部分を占める部首である。
  艸 クサカンムリ
   二本の草の芽が並んで生えている形。草の状態や草花の種類などの漢字に用いられている。
   芋:形声。艸+于 (大きいいものできる植物の意) で、いも。
   芝:形声。艸+之 (さいわいの意) でめでたい植物の意。
   花:形声。艸+化 (美しい意) で、草の花の意を表す。
   芳:形声。艸+方 (放つ意) で、草花が香気を放つ意。
   英:形声。艸+央 (美しく映える意) で、美しい花、ひいて優れたものの意。
   茂:形声。艸+戊 (おおう意) で、草が地を覆ってしげるさま。

  宀 ウカンムリ
   屋根の形をかたどった象形。屋根の状態、部分などを表す字に用いられる。ウカンムリの名称は片仮名の「ウ」に似ているところから付けられた。
   安:会意。宀+女で、家の中に女が静かに座っていて、やすらか。
   宇:形声。宀+于 (おおう) で、やね、ひいて家の意。天下の意も。
   守:会意形声。宀+丑 (つかみとる意) で、家に保持する、ひいてまもる意。
   完:形声。宀+元 (めぐらす意) で、屋根をとりまいて守る意。
   宗:会意。宀+示 (祭壇) で、祭壇をもうけた「みたまや」の意。
   定:形声。宀+正 (とどまる意) で、家にとどまる意、ひいて「さだめる」

漢字の成因 21

2009-10-29 09:39:35 | Weblog
寸 スンヅクリ
 会意。手に一を加えたもので、手の指一本の幅の意を表す。手や手を使って行う動作を表す字が集められている。
    寺:会意形声。寸 (手) +止 (土) で仕事をするところ、
      役所の意。また接待の場所の意で、昔、接待所に僧を泊めたところから仏寺へ。
    寿:会意形声。うねうねとつながったあぜ道の長いさまと老人の長命を意味し、「いのちながし」とした。
    対:会意。丵 (楽器を掛ける柱・二つで対をなす台座) +寸で、二つでひと組になるようにそろえる。
    封:会意形声。土二つ+寸 (手) で、土を集め△型に盛った祭壇や塚の意味。また土+丰 (茂った木)+寸で、木を
      植えて境を作る意。
    将:会意形声。爿 (足のある几) +肉+寸で、几の上に肉を置いて神に供えた。

斗 トマス マスヅクリ
 象形。柄のついたひしゃくを描いたもの。
    料:会意。米+斗 (ます) で、穀物をますに注ぎ込んではかること。
    斜:会意形声。余 (雪や土を横に押しやるスコップ) +斗で、柄杓を傾けて中の液体を流すこと。
    斟:会意形声。甚 (深くさぐること) +斗で、深さや分量を探りながら汲むこと。
    斡:会意。乾 (太陽や天を表す)+斗で、天上の北斗星が円を描いて巡る意。

漢字の成因 ⅩⅩ

2009-10-28 09:33:29 | Weblog
斤 オノ オノヅクリ
 象形。柄の曲がったおのの形にかたどる。斤で切る動作などを字にしたもの。
    斥:会意。斤+で、斤で叩き割るさま。
    斬:会意。車+斤で、車を斤で切ること。
    断:会意。糸四つ+斤で、糸の束を斤で切ること。
    斯:会意。其 (穀物のゴミなどをより分ける網かご) +斤で、刃物で箕をバラバラに裂くこと。
    新:会意形声。辛+木+斤で、斤で斬りたての木のこと。

卩 フシヅクリ ワリフ
 象形。人がひざまずいた形。ひざまずいてする動作に関する字が集められる。フシヅクリの名称は節の旁からきている。
    卯:指事。門をむりやり開けて中に入り込むさま。
    卵:象形。丸くつながった魚やカエルのたまごを描いたもの。
    印:会意。手+卩で、手で押さえて人を跪かせること。
    却:会意形声。去+卩で、人がひざまずいたまま後ずさりするさま。
    即:会意。人が座って食物を盛った食卓のそばにくっついていること。

漢字の成因 ⅩⅨ

2009-10-26 10:36:41 | Weblog
頁 オオガイ イチノカイ
 人の頭を大きく描き、その下に小さく両足を添えた形。オオガイというのは貝と区別するため、イチノカイは一ノ貝と書くところから。
    頂:会意形声。丁 (T字形の釘・平面を直角に打ち当てる意)
      +頁で、頭のテッペン。
    項:会意形声。工 (真っすぐ貫く)+頁で、頭と背の間を真っ
      すぐ貫いたくび。うなじ、くびの後部。
    順:会意。川 (ルートに沿って水が流れる)+頁で、頭を
      ルートに従って向けること。
    頑:会意形声。元 (丸い頭に印をつけた象形)+頁で、融通
      の利かない古臭い頭の意。
    預:会意形声。予 (ゆとりをおく、のばす意)+頁で、人数に
      ゆとりを持たせることを表す。

戈 ホコヅクリ ホコガマエ カノホコ
 鳶口に刃をつけたもので、敵を引っ掛けるために用いた。
    戊:象形。戊 (斧に似た武器にかたどる)
    成:形声。戉 (おの)+丁で、打ち平らげる意、ひいて成し
      遂げる意。
    我:象形。刃がギザギザになった戈を表したもの。秘かに
      自分だけを表すもの。
    戒:会意。戈+廾 (両手) で、武器を手に持って用心して
      備えること。
      仏教では五戒 (不殺生戒・ふせっしょうかい・殺しを
      しない、不偸盗戒・ふちゅうとうかい・盗みをしない、
      不邪淫・ふじゃいんかい不倫をしない・、不亡語戒・
      ふもうごかい・嘘をつかない、不飲酒戒・ふおんじゅかい
      ・酒に飲まれない) があり、さらに十戒として、不塗飾
      香鬘・ふずじきこうまん、不歌舞観聴・ふかぶかんちょう、
      不坐高広牀・ふざこうこうしょう、不非時食・ふひじしょ
      く、不蓄金銀宝・ふちくきんぎんほうがある。
    或:会意。戈+口 (領域を区切る意) で、ある領域を武器で
      守る意。域や國の原字。
    戦:形声。戈+単 (武器を交える意) で、戈を交えて争う
      様子を表す。

漢字の成因 ⅩⅧ

2009-10-25 09:50:25 | Weblog
 欠 ケンヅクリ
    人が大きな口を明けてアクビをしている象形。
    次:会意。冫 (二・並べる意) +欠で、途中つぎつぎに休む
      意。
    欺:形声。其 (いかつい意)+欠で、おどしつける転じて
      あざむく意。
    欽:形声。金 (さしとめる意) +欠で、つつしむ意を表す。
    歌:会意形声。哥 (うたう)+欠で、うたう意を表す。
    歓:形声。雚 (あわせ出す意)+欠で、声を合わせて「よろ
      こぶ」意。
    欧、歎、欲、款、欣など。

  隹 フルトリ
   象形。尾の短い鳥にかたどる。また比較的小さい鳥に用い
  られている。このフルトリという名称は旧という字の古い字体
  「舊」に含まれていたことによる。
    隼:会意。隹+卂 (速く飛ぶ意の省略形 十) とで、早く
      飛ぶ鳥の意。
    隻:会意。隹+又 (手) で、鳥を一羽手に持つこと。
    雀:会意形声。隹+少で小さい鳥のこと。
    集:会意。隹 (古い字では隹が三つあった) +木で、たく
      さんの鳥が木に集まったことを表す。
    雄:会意形声。隹+厷 (肘を張ること) で、肘を張って威勢
      を示す、おすの鳥の意。
    雅:形声。牙 (かみ合うさま) +隹で、咬み合って角が
      取れるさまに用いられる。
    雑:会意形声。集+衣で、ボロキレを寄せ集めて衣にした
      もの。

漢字の成因 ⅩⅦ

2009-10-24 06:46:08 | Weblog
② 旁
 漢字の構成に於ける右の部分のことで、偏に対するものである。
  羽 ハネヅクリ
   鳥の羽根にかたどる象形。
   翅:形声。羽+支 (手足の意) で、鳥や虫の翼を表す。
   翔:形声。羽+羊 (遠くへ行く意) で、とび廻る意を表す。
   習:形声。羽+自 (白は省略形・かさねる意) で、ひな鳥が
     何度も羽を動かして練習するさま。
   翫:形声。習+元 (もてあそぶ意) で、もてあそぶ意となる。
   翻:番+飛 (旧字は羽ではなく飛ぶであった・返す意) で、
     鳥が羽を翻して飛ぶことを表す。

刂 リットウ
    刀の字がほかの字の旁となる場合に用いる。
    刈:会意形声。メ (草を刈り取る意)+刂で、刀で刈り取る
      意を表す。
    刊:形声。干 (平らにする意) +刂で、削りそろえる意。
    列:形声。歹 (裂く意) +刂で、刀で切り裂く意。ひいて
      並べる意。
    判:会意形声。半 (二つに分ける意) +刂で、刀で物を
      分ける意。ひいてけじめをつける意。
    利:会意。禾 (稲)  +刂 (鋭い刃物の意、ここでは鋤を
      指す) で、穀物を作るため耕作する意。
    別、刮、刷、刻、刺、制、刹、削など。

漢字の成因 ⅩⅥ

2009-10-23 09:12:18 | Weblog
扌 テヘン
  五本指のある手の形の象形で、偏になるときに省略された「扌」になる。
  打:会意形声。扌+丁 (突きあたる意) で、手でうつ意を表す。
  扱:形声。扌+及 (きゅう・取り込む意) で、取り入れる意を
    表す。
  托:形声。扌+乇 (置く意) で、手の平に物を載せる意。
  技:会意形声。扌+支 (分かれる意) で、手で細かく分ける
    「わざ」の意を表す。
  投:会意形声。扌+殳 (立てぼこ) で、立てぼこを手で立てる
    さま。
  抄、抉、抗、把、抜、批、抑、扶、扮、拡など。

 氵 サンズイ
  水滴が集まって流れるさまの象形「水」を偏にして「氵」として表した。
  汁:形声。氵+十 (しみ出る意) で、物からしみ出る「しる」
    の意となる。
  汗:会意形声。氵+干 (強いてする意) で、緊張するときに
    出る液「あせ」の意。
  江:形声。氵+工 (貫きわたる意) で、陸地を貫いて流れる
    大河の意となる。
  汐:会意形声。氵+夕 (ゆうべ) で、ゆうしおを表す。
  決:会意形声。氵+夬 (えぐる意) で、水が堤防を抉り破って
    流れ出す意。

漢字の成因 ⅩⅤ

2009-10-22 06:46:57 | Weblog
月 ツキ ツキヘン ニクヅキ
  月はもと三日月をかたどった象形であるが、偏として用いられる場合には、三通りがあったが今では単独の月として用いられている。因みに月の状態などの時間の経過、舟の変形として用いられる場合、肉つまり体の部分として偏になるときには、ニクヅキとして用いられる場合との三通りである。
  有:月+ナ (手) で、手に肉を持って人に勧める意。
  肋:月+力 (手の筋肉にすじをたてて力んださま) で、胸に
    あらわな筋目が表れるあばら骨。
  肖:月+小 (小さく削った破片の象形) で、素材の肉を削って、
    元の形に似た小さなものを作ること。
  朔:月+屰 (げき・さかさま) でついたちの意。
  肝、肚、股、肩、育、肴、服、胃、肺、背など。

 忄 リツシンベン
  心が篇になるときの形で、意思や感情を表す場合に用いられる。立心篇と書く。
  忙:忄+亡 (失う) で、平静な心を失ってあわただしいこと。
  快:忄+夬 (カイ) で心が広々してこころよい意。
  怖:忄+布 (打つ意味) で、胸がドキドキする、びくびくする
    意味となる。
  悔:忄+毎 (かい・暗い意味) で、心が暗くなる、引いて過ち
    に気がついて残念に思うことになる。
  恨、恍、恒、恫、恬、悦、悟、悖、悩など。

漢字の成因 ⅩⅣ

2009-10-20 15:47:09 | Weblog
示 シメスヘン
  物を載せて神に供える台にかたどる。
  祈:示+斤 (刀を近づけたさま) で良いことに近づくことを願う。
  祉:会意兼形声。示+止 (神がそこに足を止めて福を与える) でさいわいの意。
  祖:会意兼形声。示+且 (物を重ねたさま) で世代の重なった祖先のこと。
  福、祥、禅、禄、票、禁、禊など。

 糸 イトヘン
  まゆから取り出した繊維を、糸巻きに巻きつけた形。
  級:糸+及 で、糸が切れたら後から後から継ぎ足すこと、転じて一段一段と順序をなす意。
  約:糸+勺 (目立つようにする) で、紐を結び目立つようにした目印。
  純:糸+屯 (まゆから取ったままの糸) で、引いて混じりけのない意を表す。
  紅:糸+工 (絹の赤白色なるものなりと説文にある) 桃紅色に近いものと想像する。
  紙、紋、綱、網、素、紐、納、紛、紡など。

漢字の成因 ⅩⅢ

2009-10-19 09:53:20 | Weblog
 女 オンナヘン
  手を組み合わせて膝を曲げたおんなの形。女を意符として、いろいろな女性、立場、女性的な行為や性状、男女に関する字ができている。
  好:会意。女+子で女性が子供をかばって大事にするさま。
  奸:女+干 (突く棒の意) 附いて犯す意。
  如:女+口・女らしく柔和に従う意。
  妙:女+小+ノ (削る) 小さく削る意で、小柄で細い美しい女性の姿から、たえ、優れてよい
    さまを表した。
  妨、始、姓、娘、媒、媚など。

 酉 トリヘン
  口の細い酒壷を描いた象形。のち、酒に関する字の意符として用いられる。
  酒:水+酉 (酒壷) で酒壷の中の水つまり酒となる。
  酌:酉+勺 (ひしゃく) で酒をくむ。
  配:酉+己 (人がひざまづいたさま) で人が酒壷を並べる意。
  酢、酪、酵、酬、酸、酩、酊、醍、醐など。

漢字の成因 ⅩⅡ

2009-10-18 09:53:27 | Weblog
 木 キヘン
  枝のある立木を描いた象形。
  机:形声、木+几 (木の台) でつくえ。
  朽:会意と形声。木+丂 (伸びようとするものが閊えて曲がった形) で、くさって曲がった木。
  材:木+才 (川の氾濫を堰き止める堰の木) で山林から切ってきた木。
  札、村、枝、杯、板、枚、枯、根など。

 口 クチヘン
  口の象形。
  叶:口+十 (合わせる意) で多くの人が口を合わせて調和すること。一致する、叶う、匹敵するなどの意味を表す。
  叩:形声。口 (たたく意)+卩 (人がひざまずく形) で、頭を地面に打ち付ける礼を表す。
  叱:形声。口+匕 (シチ・シツしかるときの音) で、しかる意を表す。
  呼:形声。口+乎 (はく息の意) で、息を吐く意、借りて大声でよぶ意。
  味:形声。口+未 (よい意→美・ビ・ミ) で、口に美とする意、ひいて「味わう」意。
  和:形声。口+禾 (粟の穂が丸く垂れ下がった意) で、丸くまとまった状態を表す。この字がノギヘンではなくなぜクチヘン
    なのかと思われるであろうが、元の字は口は左側にあったものである。
  吐、吟、吹、吸、咲、叫、合、可など。

漢字の成因 Ⅺ

2009-10-17 06:43:29 | Weblog
①偏
 文字の構成上、左側に位置する部分に属するもの。
 亻 ニンベン
  立っている人を横から見た形である。
  化:会意。人+匕 (人と人がひっくりかえって姿を変えるさま) で、かわる、化ける意で、品物
    に姿を変えるのが通貨でそれを「貨」という。
  仁:会意形声。人+二で、二人の人が対等に親しむことを示す。
  何:会意形声。人が背に荷を担ぐ象形。荷の源字。
  仕:会意形声。亻+士 (役目にあるもの) で、つかえる意。
  仏、代、仰、似、俊、俳など。

 日 ヒヘン
  日を意符として、太陽とか、日時、明暗などに関する漢字ができている。
  明:会意。日+月で明るい意味とする。
  昭:形声。日+召 (あきらかの意) で日の光の明るい意味。
  曜:会意形声。日+翟 (てき・あきらかの意) で光りが目立って高く輝くこと。
  暁、曙、暇、晩、晴など。

漢字の成因 Ⅹ

2009-10-16 09:15:21 | Weblog
3.義
 単音の場合に字形の表す意味と、字音の表す意味とが合致して初めて正確な字義が判明する。複字の場合も、意味を表す字と、音を表す字とが合体してその字義を表すのである。
 ここで許慎 (きょしん) が体系化した、文字構造の解明に用いた原則の「六書・りくしょ」をご紹介して、義の内容を明かすことにしたい。
(1) 象形
 象形とは物の姿・形をかたどる意味であり、人間の眼が具体的な形でとらえた事物を、そのままシンボライズしたもので、個々の形体あるものを簡略化して、絵画的に表現した最も基本的なものが象形文字である。
 象形文字は一種の視覚言語といえ、表意文字として有形物をかたどって作った文字で、例えば日は、丸のなかに黒点のある様子を表し、月は新月の三日月を象形化したものである。この象形文字こそ、表意文字としての漢字の本質と特長を表した基本字体といえる。
 象形文字は凡そ600字あるが、それ自身がそれぞれ原義と音を示すばかりでなく、他の字の篇 (へん)、旁 (つくり)、冠 (かんむり)、脚 (きゃく)、垂 (たれ)、構 (かまえ)、繞 (にょう) になって、新しい文字を構成する役割を担っている。

漢字の成因 Ⅸ

2009-10-15 13:33:57 | Weblog
2.音
 音は文字ができるより遥か昔からあった。
 ことばとして、音だけで意思の伝達を行う手段としての期間が、かなり長い間続いていた。例えば今パーカッションなどと呼ばれている打楽器も、昔は意思伝達の手法としての信号の役割を果たしていた。
 その後、絵あるいは簡単な文字で意思を伝達することになったが、文字の順序からいって、まず音がどんな意味を持っているのかを知り、次に字形を理解することが重要な意味を持つことになる。
 表音文字はLetter・レター・文字の羅列による意思表示の方法でしかなく、漢字とは異質の言葉として存在する。