I believe

間違いに気づいたから、やり直そうと思います。

祈らない

2012年11月28日 | 恋愛、結婚
組織のメンバーとは、活動の場で会うだけでプライベートの付き合いは
なるべくしないように、という空気が20代前半当時の組織にはあった。
が、10年経過するとそういった空気もなくなって、30を過ぎる頃、同世代のメンバーで食事に行く
機会が増えた。
年齢が上がると、年下のメンバーも多く居る活動の場で本音を言えなくなるので、
ぶっちゃけ話をするべく偶に集っていた。

よく話題になったのは恋愛と結婚。
30代になり、後輩・同期が次々結婚していく中で、焦りを感じないと言ったらウソになる。
県幹部をしていた友人は結婚願望がとても強く、「自分は絶対20代で結婚する」と思っていたそう。

彼女は、20代期間ずっと「30歳までに結婚がしたい。できれば相手は組織内の人」
と祈念してきた。
その願いが叶わなかったので、婦人幹部に指導を受けた事もある。
婦人幹部の回答は
「あなたの使命はあまりにも大きい。
そんなに早く婦人部にきちゃいけないと、御本尊様が御許しにならないのだ。
自分の使命に生き切った時、必ず良縁が向こうからやってくるから、よそ見はしないで、
自分の役割を全うしなさい。
ここで闘いきるとの、あなたの腹が決まらないから、お相手も決まらないのよ」といわれたとのこと。

今、冷静に思い返しても、なんと浮世離れした指導(笑)。
世間一般常識とかけ離れ過ぎていて、組織でしか通用しない話。
こんな話を真に受けて、わきめもふらず活動に没頭し、独身のまま40代を迎えた人が私の知る限り、多数居る。
そして、そういう人に限って「お相手は信心があればどなたでも」ではない。
ルックス重視だったり、条件にこだわりがある。
だったら、しかるべき時に、しかるべき努力をしないと、そんな理想の相手と一緒になる事は
出来ない。 
ただでさえ、出会う機会が少ないのに(活動に忙殺されて)。
でも、「信心がすべて、組織の活動がすべて、ただ心こそ大切なれ」の世界でそんな俗な事言ったら非難をあびる。
だからみんな本音は言わないで、理想の相手が現れる事を念じ続けながら組織内にとどまっている。
ルックスが好みじゃないという理由で数々の組織内縁談を断り続けている妙齢女子もちらほらいた。

彼女に当時、片思いの男性(組織内)がいて、「どうしたらいいか解らない」というので
私は「祈って、体当たりしたらいいんじゃない?」と促したが、彼女は言った
「だめだめ。恋愛の事は絶対祈らないようにしてるから」と。
えーっ。それ、どういうこと?
彼女いわく、恋愛ごとで、特定の相手の事をいのっては駄目だ。
もし、悪い結果が出た時、御本尊様に不信の念を抱くようになってしまう。
特に若い子はそうなり易い。
相手の幸せを祈るのは良いとして、相手とどうこうなろう(恋愛成就)は祈ってはいけないと
先輩から指導があり、守っているとの話。

私は呆気に取られた。そんなのってあり?
「願いとして叶わざるなしのご本尊様」これがうたい文句、常套句じゃなかったっけ?

私は恋愛関係のことを組織の幹部や先輩に相談や指導を受けた事が一度も無かったが、
ご本尊様への「不信」を起こさせないよう、恋愛ごとを祈るな、という指導は、えらく乱暴だなと思った。

ただ、この当時はわからなかったが、今になって思えば恋愛成就を祈念するのは確かに現実的では
ないと思う(笑)。
人には好き嫌いがあって、友達としてはいいけど恋愛対象として見られないという事がある。
誰でもOKって人は、殆ど居ないだろう。それは、生理的な問題だと思う。
祈りでその生理的問題を解決するのはかなり難しい気がする(例外もあった・後述)。

彼女は組織内での”恋愛”結婚を希望していた。
あくまでも恋愛が先で、お見合い結婚はイヤだと。
そうなると、誰か「この人」と決めたら、積極的にアプローチをかけていかないと無理。
しかし彼女は立場もあるので、そんなことはできないという。
ああ言えばこう言う状態で、相談にのっているつもりが、イライラしてくることも多かった。
私は思いきって言った
「(組織では)自分の立場が障害になるというなら、外部の人の方がいいんじゃない?
合コンでも行ってみれば。紹介しようか?」と。
彼女「それも絶対ダメっていうか、無理。何をしゃべったらいいかわからない」と即答。
組織の活動と仕事しかしていないから、一般男性と話すにも話題が無いし、自信が無いというのだ。
あまりにも免疫がなさすぎて驚いてしまった。
彼女の勤務先は、女性が多い職場で、男性は少なかった(しかも全員既婚者)。
だったら尚のこと、外で出会う努力をすべきだと私は思ったが、彼女は自分の殻から出てこない。
まさに「白馬の王子を待つ状態」。
組織で活動をしていれば、いつか自分好みの男子部が現れて告白してくれ、交際が始まって
幸せな結婚が出来るーそんな夢を頑なに信じているように思え、すれていた私から見れば信じられない
ことだった。30歳過ぎて、なに夢みたいなこと言ってるの?と。

大きな会合の壇上で、彼女が確信に満ちた指導を行っているのを見るにつけ、
プライベートにおいては情けなくグダグダな彼女と同一人物とはとうてい思えず、私は苦笑していた。

また、私の結婚が決まった時も、彼女から質問攻めにあった。
彼女は私に「祈っていたのか?」をまず聞いた。
私は「主人との結婚」を祈ったことはなかった。
ただ漠然と、「次に出会った人と結婚したい」と祈りはじめた頃、偶然久しぶりの連絡を
よこしてきたのが主人だった。
(注・外部の主人とは、未活時代に出会った)
全くの友達で、お互いに恋愛感情は無し。
祈っていたからといっても、目の前に現れた主人に対し
「この人と結婚するんだ!」と即、思った訳ではない。
付き合いも、すぐ始まったわけじゃなく。その後の成り行きで、結婚へ発展していき、
ふと気付いた時「願いが叶った」と私は思った。
(だが、いま冷静に考えたら、これも私がスピリチュアル的な「呼び寄せ」「自己暗示」を
 かけていただけのような気がする。
 偶然が気持ち悪い位に重なっての交際・結婚なので、仏縁もあったのかもしれないが)

彼女は真面目に聞き入って「やっぱり、自分の腹が決まらないとダメってことだね」と言っていた。
そうだね、と答えたが、実際は「腹が決まった」だけでは無理。

後日、私の同窓生で幹部になっていた女子が「お祝い」と称して自宅に花を持参してくれた。
その人とプライベートの話は殆どしたことがなかったので、どうしてお祝いしてくれるのかと
面喰ったが、結局は、どうやって外部との結婚にこぎつけたのか話を聞きたいという事だった(笑)。
恋愛・結婚に迷っても、組織幹部のいうことはもう信じられない。経験者に聞け!状態だったのかも
しれない。

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指導に真面目に従っていたら、女子は確実に婚期を逃す。
「社会で実証」と、同じ職場に長年勤務する人が多いが、男性もほどほどにいる職場か・
転勤や異動のある職場でない限り、出会いの確率は年を追うごとに減る。
組織内でみつけるにしても、役職が上がってしまうと、立場を考えて前へ踏み出せなくなる。
そうなるともう、普通の恋愛結婚をするのは至難の業。
下種な事を言って悪いけど、女子の一番いい時期は20-30代だ。
そのきらきら輝いてる期間を、組織活動で縛り上げられるなんて、馬鹿だ。
40代以降の「美魔女」とかいう言葉も最近でてきたが、土台+相当な努力+投資が無ければ成し得ない話。
「世間の常識と現実」どっぷりと組織の中にいたら、なかなか気付けないのかもしれない。

中には、組織の活動に生き切って、上から持ちこまれた縁談は「ご仏智」として、どんな相手で
あろうが断らず受けて結婚する人もいると聞く。
「恋愛」を知らないから(ご仏智で、使命があると思いこめば)それでも受け入れ可能なのかもしれないが、
その人が親になった時、子供の自由な恋愛を受け入れる事ができるんだろうか?と余計な御世話だが思う。
自分と同じく、子供に組織の人との結婚を強要する等、負の連鎖になりそうな気がする。


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例外の話。

女子部員にちょっかいをかけまくる男子部員(既婚・バリ活)がいて、奥さんは元バリ活の女子部だった。
奥さんは、男子部員と結婚するため300万遍の唱題をあげたことが地域では伝説。
何度もアタックし、振られ続けていたが、300万遍をあげたことを男子に伝えたところ
交際期間ほぼ無しで結婚に至った。この話は地域で美談となっていた。

だが、男子部員はあるとき言った
「俺があいつを選んだのは、俺の為にそれだけ祈れるってことは、俺がどんなに無茶をしても
必ず受け止めてくれる、絶対に俺を裏切らないと思ったからだ」と。

女子部員にちょっかいをかけまくってることを知っている人は多かった。
とある部員と、不倫もしていた。
奥さんは、その事を知ってか知らずか、常に笑顔で子供を連れて活動に参加していた。
それを見て「さすがだね、奥さん偉いよね」という人もいたが
私は、ただの奴隷じゃん、あんな結婚絶対嫌だと思った。

奥さんの「祈りが叶った」というよりも、「弱みにつけ込まれた」結婚に見え。
その後、男子部員の仕事がうまくいかなくなり、二人は離婚し、地域からいなくなった。
こんな話でも組織幹部からいわせれば「互いに意味のある出来事」になってしまう不思議(笑)。

やっぱり、恋愛ごとは祈らなくて正解かもしれない。