I believe

間違いに気づいたから、やり直そうと思います。

幸福価値

2013年04月03日 | 四方山話
先月、実家に戻ったときのこと。
母が”メーラーがおかしいから見て欲しい”というので、PCをたちあげて
どうなっているのかを見た。
単純な操作で消えたアイコンがあり、それを復活させた。
母は喜んで、じゃあついでだから@@さんのメールだけ抜きだして見れるようにしてほしいと。
設定をいろいろ弄っているうち、メールの内容を読んでしまった。

70を過ぎた母だが、学生時代の同窓会連絡などPCのメールでやりとりをしている。
相手がたは全員、組織外の人たち。
母は選挙のために同窓会事務局を20年ほど前から引き受けている。
@@さんは、現在は隠居生活をおくっているが事業をしていた人。
その方の自宅で行われた食事会の写真を見せてもらった事があるが、いわゆる富裕層で
うちとは世界がまるで違うな、と感じた。
そんな@@さんに向かって母は、メールで仏法対話をしかけていた(笑)。
勝手に内容を見てしまってそこは申し訳ないのだけど、呆れてしまった。
相当な「上から目線」で語っていたからだ。

いくら財産があっても、お金はあの世に持って行けない。どれだけ心が充実しているか、
人生が輝いているかで幸福価値は決まる・・・というような事を書いていて、
永遠の指導者(笑)の指導も引用したりしている。
私は、とっても恥ずかしくなった。 母は、世間知らず過ぎないかと。相手に笑われてるぞと。

@@さんからしてみたら、母からそんな言葉をかけられてもね、って感じだろう。
同窓生のよしみでつきあっているだけで、メールなんてリアルな用件だけ読んで、一方的に
押しつけの「幸福価値」についての話など一笑にふしておしまい。 
だけど、はっきり拒絶されないから母はわかっていないようだ。

@@さん夫妻のほうが、母よりよほど充実し・輝いた人生を送ってると私には思える。
少なくとも母より広い世界、世間でものを見聞きしている方たち。
そんな人に向かって、自分が所属している宗教団体は素晴らしいんです。すごいんです。
この仏法で幸せになって欲しい、なんて言えるってほんとに母はお花畑の住人だと思った。
何も見えていない。
まず、自分の立ち位置が全然見えてないしわかって無い。
それってある意味、幸せなのかもしれないけど、組織どっぷりな人間の盲目さって怖い。
私も、同じような部分は大いにあった(女子部時代)。
このメールの件について私は何も母に言わなかった。


翌日、今度は母の携帯に頻繁に迷惑メールが入るというのでこれも設定変更することになった。
弄っている最中に入ったメールが、唐突な書きだしの長文で
私は「あ、こういうメールも怖いよね。騙しだよ絶対」と、全文を開いてみたところ
”新聞はいりません””マインドコントロール”という文字が目に入り、「えっ?」と声を出してしまった。
横から母が携帯を取り「ああ、これは違うのよ」とバツ悪そうな様子。
なんなの?と聞くと、趣味サークルで知り合った人に新聞を贈呈で入れさせて欲しいと頼んだが
断りの返事とのこと。
相手はやはり、(母のメインターゲットの)独居老人。
「この人、すごくさびしがりで、しょっちゅう電話してくるから相手してあげてたのに
 組織のことを話したら、とたんにてのひら返しちゃってね」と、相手の悪口を言い始めた。
こうしてハッキリ断ってくる人がいることに私は内心感謝した。
そして「逆じゃない?そうやって、新聞とってほしいから・選挙で票を入れて欲しいからって
親しげにしておいて。あなただって同じだと思うけど。逆恨みもいいところじゃない?」と
言ってやった。
母、そんなことない!これは仏道修行なのだ!という内容の反論。
「でもね、普通の人付き合いでそんなのってないよ。なにもかもが(組織の手玉となる)手段に
なってるって、そりゃ一般の人から疑われたり嫌われたりしても仕方が無いよ」と私は諭した。
以前の母なら激しく応戦してきたが、最近思う所あるのか、今回は違った。
ぽつぽつと、愚痴を言い始めた。
主に、周囲の外部がわかってくれないのと・風当たりが最近きついという話だった。
贈呈であっても新聞を断られることが増えたとの事。

高齢の母にあまりきつい事も言えないので、やんわり言ってみた
「組織内部の、周囲を見渡してみて。豊かで幸せな人達ばかりなの?
 そして組織外部の友人さんを思い浮かべて。違うでしょう」と。
母の顔が強張った。
思い当たる節が、山ほどあるのだと思う。
だけど母は言った
「物質、金銭面だけ豊かでも心が貧しかったらどうしようもないでしょ。
同志はみんな、物質面では恵まれて無くてもとにかく楽しそうにしてる。だからいいのよ!
それこそ、幸福価値観の違いよ」と。

本人がよければ、それでいいのかもしれない。
何もかもそういう事なのか。 騙される方が悪い的な。

私は、物質面で恵まれている方が全然いいので、やっぱり組織には向いてないと実感(笑)。


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今日、買い物に出かけたスーパーで
レジで私の前に会計をしている老婦人、かごの中身が全て見切り品。
すさまじいなぁ、と思っていたら、老婦人が「ここに(品物)入れてちょうだい」と
店員に向けて広げたトートバッグの中に、よれよれの大白蓮華が入っていた。


そうして切り詰めて、ご供養をすることこそが「幸福への直道」と信じて疑わないタイプなのか・
たんに倹約家なのか・現に置かれている状況下でそうするよりほかないのかは、解らない。

見てはいけないものを見てしまった気分になった。
悲しい気分に。


幸福価値観は人それぞれ、とはいうけど、
「心こそ大切なれ」をていよく組織を肥やす為に利用してもらいたくない。

ただ、もうそろそろ、組織で言う「信心」に励めば幸福に~などという幻想は消えうせそうな気がする。
現実が追いつかなくなって行ってるのは、地元地域の疲弊っぷりを見ても、現住地域のそれを見ても
明らかだから。