正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

死魔を乗り越える信心を

2005-11-21 | 手引書②

 「死魔」とは三障四魔のひとつであり、仏道修行を妨げる「障魔」です。三障四魔とは、三障が煩悩障・業障・報障です。四魔が煩悩魔・陰魔・死魔・天子魔です。そのうちの「死魔」について、どのように考えていけばよいのか、特に愛する家族や親友を死によって失ったときの、心の動揺は抑えることが出来ません。非常に辛く悲しいものがあり、つい生前の頃を思い出し涙することもありましょう。
 世間一般では、時間が解決してくれるとよく言われます。確かに一理ありますが、心深くに浸透してしまった悲しみは経験した人でしか解らない辛さがあります。この辛さ苦しみを抑えるには私達の感情では限界があります。この限界を回避し、冷静さを取り戻してくれる方法が日蓮正宗に伝わっているのであります。
 それが「信心」であります。悲しさと辛さをバネに力強く生きていく生命力を、御本尊様から頂いて乗り越えることができます。
 御本尊様だけが、唯一失ってしまった故人の架け橋になって下さるのであり、御本尊様に御経をあげ、御題目の南無妙法蓮華経を唱え、伝えたい気持ちを御題目の一つ一つに込めれば必ず伝わります。そして次の新たなる人生で、有意義に生活を送ることが御本尊様の力によって出来ます。
 毎日、御本尊様に御経をあげ御題目を唱えることで、生きていたときと同じ情景を唱題中に心の中に再現できます。信じ難いことでありますが、これは信心をして積み重ねれば冥益により可能です。日々の弛まぬ努力と精進が大切です。
 世の中は、因縁仮和合の世界です。仮に五陰が因縁和合したのが人間です。「仮諦」に執着すると悲しみと辛さが生まれます。空仮中円融三諦を御本尊様によって観じさせて頂くことが大事です。
 そして御本尊様に毎日御給仕することを忘れないことです。その御給仕が失った最愛の家族や親友にそのまま真心となって伝わります。お水を朝に御供えすることや仏飯を御供えすること。そしてローソクや御線香に火を灯すことで、失った家族の新たなる人生を明るく照らしてあげられます。また御樒を供えて水をかえることで、来世における長生きという「長寿」を施すことが出来ます。御本尊様が御安置されているところをお掃除することで、来世、生活する場を綺麗にお掃除をすることにつながります。以上の気持ちで御本尊様に御給仕することが、最愛の失った家族に伝える唯一の志です。
 「死魔」に直面したとき、人生を悲観的に絶望的に考えてはいけません。全てのことが暗く見え、暗黒の生活になります。暗黒の生活にならないように食い止めるのが「信心」です。マイナス思考にならないよう、プラス思考に転じ善知識として物事を考えていくことが大切です。そして歓喜を忘れないことです。
 月に一度「命日」の日は寺院に参詣し、御塔婆を建立して御本尊様に御題目を唱えることで、最愛の家族や親友を成仏の境界に御本尊様の力によって確実に導いて下さいます。寺院への御参詣を心からお待ち申し上げます。