「新疆では毎年十万の農民工が外へ移動している」
2009-07-20 09:42 作者:李華 孫亭文 来源:中国新聞網
http://www.agri.gov.cn/llzy/t20090720_1313670.htm
中新社ウルムチ7月19日電(記者・李華 孫亭文)新疆ウィグル自治区主席のヌル・ベクリ(努尔·白克力)は18日午後にメディアの取材を受けて、近年の新疆は計画的、秩序的な内地への移動を通じて、毎年の十万の農民工を送り出していると表明した。「新疆から内地で働いている者は、そのほかの省や市と同様に、同じ仕事で同じ報酬をもらっている。現在は突き出最高数千元に達し、最低でも千数百元ほどもあり、かつこれに食費は含まれていない。」
ヌル・ベクリが語るところでは、労務の輸出政策の最初の目的には、新疆南部の相対的に生活条件が貧困の民衆がはやく貧困から抜け出すのを助けるためであり、そして別の方面では、自分たち農民工の秩序的・組織的な移動への希望もあった。そして、移動のプロセスの中で一芸に秀でたものを手にいれることができるようになって、彼らが今後の生計の基礎を非常にうまく固めていったのだという。
・・・・・・・・
ヌル・ベクリは新疆の少数民族の労働者の風俗・習慣は内地で十分に尊重されていると強調する。内地企業は彼らのためにイラスム教の食堂を特別に開設し、そこに従事しているスリムのコックが食べ物に責任を請け負っている少数民族の伝統的な祝日においては、企業は規定に従って休みとし、彼らは新疆に帰って家族と休日を過ごすことができる。政府組織は、新疆の農民工が内地に行って仕事をするのは、自らの希望を原則としており、いかなる部門や単位も他人に内地へ仕事に行くように強制することはできないし、さらに両親の同意を証明しなければならないのである。「無理やり迫られた」というのはいかなる事実の根拠もないものであって、「別の下心があって人を惑わすもの」であるという。
2004年から、新疆政府は東部の山東、広東などの沿海部の省に余った農村の労働力を輸出し、さらに彼らに対して言葉や技術の訓練を主とした組織的な訓練を施し、そして受け入れ地の政府や企業と、喀什、和田、阿克苏、伊犁、哈密などの州からを中心にして、その年の一万人の輸出を合意の上調印している。2008年、新疆の豊富な余剰労働力の内地への移動の人数は著しく増加し、その年約24万人が中国経済の発展した沿海地区に赴き、衣服、靴の製造、玩具などの仕事に従事している。
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新疆ウィグル自治区主席へのインタビュー記事。ウィグルの民族問題の背景には、官主導の組織的な労働者移動計画があったことがよくわかる。
ウィグル族は、チベットのようにダライ・ラマのようなカリスマ的指導者と、民族に固有の宗教文化を有していないので、民族運動としては常にまとまりを欠いており、注目度も相対的に低かった。しかし、潜在的な民族感情という点においては、チベット族よりも強いところがあるかもしれない。というのも、彼らは中国の各都市で漢族と隣り合わせに仕事をし、日常生活を送っているため、否応なく民族的な差異を意識させられるからである。しかも、ウィグル族の出稼ぎ労働者は人口も膨大であるため、内地の都市で民族的なつながりを築くことは難しくない。
政府は人口移動によって漢族との融合(=「中華民族」化)が進むと期待しているのかもしれないが、100年後、200年後という長期的な話としてはともかく、短期的には民族感情を一層激化させるであろうことは火を見るより明らかであろう。それは組織的な民族主義運動という形はとらないにしても、広東の玩具工場の事件ように、特に漢族の下層労働者との散発的な衝突を中国全土の各都市で引き起こしていくに違いない。
誤解してはならないのは、これは「多文化主義」で解決すべき話ではなくて、あくまで経済問題・労働問題であると言うこと。民族間の相互理解(はっきり言って無意味なこと)を語る前に、自治区内部での階層問題、農民工の生活保障の問題を語ること、そのほうがはるかに先である。
2009-07-20 09:42 作者:李華 孫亭文 来源:中国新聞網
http://www.agri.gov.cn/llzy/t20090720_1313670.htm
中新社ウルムチ7月19日電(記者・李華 孫亭文)新疆ウィグル自治区主席のヌル・ベクリ(努尔·白克力)は18日午後にメディアの取材を受けて、近年の新疆は計画的、秩序的な内地への移動を通じて、毎年の十万の農民工を送り出していると表明した。「新疆から内地で働いている者は、そのほかの省や市と同様に、同じ仕事で同じ報酬をもらっている。現在は突き出最高数千元に達し、最低でも千数百元ほどもあり、かつこれに食費は含まれていない。」
ヌル・ベクリが語るところでは、労務の輸出政策の最初の目的には、新疆南部の相対的に生活条件が貧困の民衆がはやく貧困から抜け出すのを助けるためであり、そして別の方面では、自分たち農民工の秩序的・組織的な移動への希望もあった。そして、移動のプロセスの中で一芸に秀でたものを手にいれることができるようになって、彼らが今後の生計の基礎を非常にうまく固めていったのだという。
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ヌル・ベクリは新疆の少数民族の労働者の風俗・習慣は内地で十分に尊重されていると強調する。内地企業は彼らのためにイラスム教の食堂を特別に開設し、そこに従事しているスリムのコックが食べ物に責任を請け負っている少数民族の伝統的な祝日においては、企業は規定に従って休みとし、彼らは新疆に帰って家族と休日を過ごすことができる。政府組織は、新疆の農民工が内地に行って仕事をするのは、自らの希望を原則としており、いかなる部門や単位も他人に内地へ仕事に行くように強制することはできないし、さらに両親の同意を証明しなければならないのである。「無理やり迫られた」というのはいかなる事実の根拠もないものであって、「別の下心があって人を惑わすもの」であるという。
2004年から、新疆政府は東部の山東、広東などの沿海部の省に余った農村の労働力を輸出し、さらに彼らに対して言葉や技術の訓練を主とした組織的な訓練を施し、そして受け入れ地の政府や企業と、喀什、和田、阿克苏、伊犁、哈密などの州からを中心にして、その年の一万人の輸出を合意の上調印している。2008年、新疆の豊富な余剰労働力の内地への移動の人数は著しく増加し、その年約24万人が中国経済の発展した沿海地区に赴き、衣服、靴の製造、玩具などの仕事に従事している。
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新疆ウィグル自治区主席へのインタビュー記事。ウィグルの民族問題の背景には、官主導の組織的な労働者移動計画があったことがよくわかる。
ウィグル族は、チベットのようにダライ・ラマのようなカリスマ的指導者と、民族に固有の宗教文化を有していないので、民族運動としては常にまとまりを欠いており、注目度も相対的に低かった。しかし、潜在的な民族感情という点においては、チベット族よりも強いところがあるかもしれない。というのも、彼らは中国の各都市で漢族と隣り合わせに仕事をし、日常生活を送っているため、否応なく民族的な差異を意識させられるからである。しかも、ウィグル族の出稼ぎ労働者は人口も膨大であるため、内地の都市で民族的なつながりを築くことは難しくない。
政府は人口移動によって漢族との融合(=「中華民族」化)が進むと期待しているのかもしれないが、100年後、200年後という長期的な話としてはともかく、短期的には民族感情を一層激化させるであろうことは火を見るより明らかであろう。それは組織的な民族主義運動という形はとらないにしても、広東の玩具工場の事件ように、特に漢族の下層労働者との散発的な衝突を中国全土の各都市で引き起こしていくに違いない。
誤解してはならないのは、これは「多文化主義」で解決すべき話ではなくて、あくまで経済問題・労働問題であると言うこと。民族間の相互理解(はっきり言って無意味なこと)を語る前に、自治区内部での階層問題、農民工の生活保障の問題を語ること、そのほうがはるかに先である。