「まさか労災って言い出すんじゃないよね」ブラック企業 退職者実談 採用に仕掛けられるワナ
西日本新聞 2015年06月25日 12時07分
入社直後に面接官上司が退職
今なら理解できる。そのときは意味が分からなかった。
3年前、不動産会社に転職した貴弘さん(42)=仮名=は、入社1週間後に開かれた退職者4人の「合同送別会」の席上、自分を面接した当時の男性上司からひたすら謝られた。
「ごめんね、ごめんね。僕が辞めることができる条件が、同業他社から5人引き抜くことだったから…」
妻と幼い子ども3人を養うため、より良い条件を求めて10年以上勤めた不動産会社を依願退職。当時の年収は約580万円。「条件を満たす求人はハローワークにはないだろう」。キャリアを生かせる同業で給与水準が下がらないことを条件にインターネットで検索した。「スタートは月給25万円だが、力を発揮すればどんどん上がる」。面接での誘い文句を信じ、転職先を選んだはずだったが…。
「公休だから昼から出てきていいよ」「まさか労災って言い出すんじゃないよね」
配属された支店には約50人の営業マンがいたが、机は30席ほどしかなかった。業務で使うパソコンは当初は支給されなかったが、離職者が出ると回ってきた。最初は不思議だったが、次々に誰かが辞めて誰かが入社してくる。出入りが激しいのでこれで事足りることが次第に分かってきた。
仕事は過酷だった。深夜、未明までの残業は当たり前。たまに午後9時ごろ帰ろうとすると上司から「みんながいるのに何で帰るんだ! 仕事がなくてもみんなと一緒にいろ!」と叱責(しっせき)された。休日も「公休だから昼から出てきていいよ」と平気で言われた。なのに、勤務表は定時の午前9時~午後6時に入力しないとはねつけられた。
営業車は4台しかなかった。私用のミニバイクで営業に回っていたとき車との接触事故を起こした。救急車で搬送された病院で、鎖骨を折っていると診断された。上司に報告すると「休みの日にプライベートで事故したことにしといて。まさか労災って言い出すんじゃないよね」。辞職を決意した。
大量採用 大量退職者が典型パターン
異常な長時間労働や残業代未払いなどで、主に若者を使いつぶす「ブラック企業」。大量に採用し、大量の離職者を出すのが典型パターンだ。入社の際には、月収の誇張や虚偽の条件での募集など、わなが仕掛けられている。
貴弘さんの場合も正社員で募集されながら、実は契約社員だった。「半年の試用期間が終われば正社員になる」と言われたが辞めるまでの2年間、契約社員のままだった。月給25万円には月30時間の残業代が含まれていることも後で知らされた。「残業は30時間を超えることはない」と説明されたが、ゆうに月100時間は残業させられた。
「募集内容は何もかもがうそだった。なぜ、気付くことができなかったのか。歯がゆい」。貴弘さんは今、自分を責める毎日を送っている。
人口減少や少子高齢化で人手不足が深刻化する中、過酷な労働条件で働く人を使い捨てるブラック企業が、法の網をかいくぐり、はびこっている。その巧妙な手口を紹介しながら、今後も登場するであろう新たな手法への防衛策を考えたい。
●チェック 大量採用には注意
インターネットでの求人サイトは、求人する企業が広告料を払っているのがほとんど。いわゆる「求人広告」のため、企業に不利な情報は載りにくい。現状の社員数に対し明らかに多い採用計画には注意したい。
職種や地域によって異なるが、大学新卒の初任給の相場は基本給17万~20万円。学者や弁護士らでつくる市民団体「ブラック企業対策プロジェクト」は、「27万円以上の提示には用心しよう」と呼び掛けている。
採用後の試用期間は、面接だけではその人の性格、能力などが分からないため観察を行う期間。勤務態度が悪いなど合理的な理由があれば労働契約を解除できるが、一般的に半年間を超える長期の試用期間は認められず、原則延長もできない。契約した初任給を支払う義務があり、減額は許されない。
=2015/06/24付 西日本新聞朝刊=
ブラック企業、現場の叫び「でたらめの給与明細」
西日本新聞 6月25日(木)11時52分配信
裁判官もあぜん
裁判官はあっけにとられていた。昨秋開かれた労働審判。飲食チェーンで働いていた香織さん(20)は、会社に不払い残業代の請求を申し立てていた。「その給与明細はでたらめですから」。社長が月給制を装いながら、実は時給制で給与を払っていたことを告白した瞬間だった。
香織さんは高校時代からアルバイトとして働き卒業後、そのまま正社員になった。「月給でも、時給でも給与は変わらないから」。社長からそう言い含められ、時給制のまま仕事を続けた。入社直後、大型郊外店に入居する店舗の店長になった。開店準備、調理、アルバイトの労務管理、後片付け…。自宅に持ち帰った残業もあり、休日もトラブル対応で呼び出された。それでもバイト時代の時給700円から50円上がっただけ。毎月振り込まれるのは18万円ほどだった。
「人並みの生活をしたい」。20万円を超えていた他の正社員と同じ月給制を希望した。給与明細の表記は「月給」に代わり、20万円が振り込まれるようになった。しかし結局4カ月後、過労で体調を崩して入社1年で会社を辞めた。
就業規則で定められた所定労働時間は月160時間。タイムカードから割り出された香織さんの月平均の残業時間は、「過労死ライン」の80時間だった。時間外労働の割増率25%を掛け合わせると、月給20万円では毎月12万5千円の残業代が発生するため、月32万5千円の収入を得られるはずだった。ところが、時給750円では同じ80時間残業しても19万5千円にとどまる。「月給と時給でこんなに違うなんて…」。弁護士から説明を聞いた香織さんは言葉を失った。
ブラック企業の特徴は
ブラック企業の最大の特徴は、異常な長時間労働を強いながら法律で決められた残業代の支払いを無視することにある。手口は巧妙化しており、その代表格が残業代を最初から固定する「固定残業代」。違法ではないが、悪用されやすい仕組みだ。
北九州市の運送会社で正社員だった亮太さん(21)は、ハローワークの求人票で目に留まった「初任給21万円」にひかれ入社した。しかし、入社後に21万円の内訳は「基本給16万円+固定残業代5万円」と説明を受けた。「そんなものかな」と働き始めたが、月100時間を超える過酷な残業が続いた。いくら働いても3年間、月給21万円から1円も上がることはなかった。
「残業代をしっかり払ってほしい」。上司に懇願すると、固定残業代が5万円から11万円に増額すると告げられた。「これで報われる」。歯を食いしばって残業をこなしたが、翌月振り込まれた月給は21万円のまま。何と給与明細に記された基本給は10万円に減額されていた。固定残業代を増やし基本給を減額することで、月給21万円を超えないよう調整していたのだ。
「こんなばかばかしいことがまかり通るのか。正社員は怖い」。会社を辞めた亮太さんは今、アルバイトを転々とする。
(文中仮名)
【チェック】 固定制が抜け道に
使用者は原則、1日8時間、週40時間を超えて労働者を働かせてはいけない。これを超える時間外労働(残業)には25%以上の割増賃金を支払わなければならない。月給の基本給にあらかじめ残業代を含めたり、営業手当などを残業代の代わりにしたりする「固定残業代」は、実際の残業時間に見合った額が支払われる限り違法ではない。ただ、残業時間が少なければ実際の残業代を払った方が安い。固定残業代を導入する会社は相当な残業があると警戒した方がいい。残業代は2年前までさかのぼって請求できる。基本給を一方的に引き下げるなど労働者の合意がない労働条件の不利益な変更は労働契約法に違反する。厳然と拒否しよう。
=2015/06/25付 西日本新聞朝刊=
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブラック企業の最大の特徴は、異常な長時間労働を強いながら法律で決められた残業代の支払いを無視することにある。
異常な長時間労働や残業代未払いなどで、主に若者を使いつぶす「ブラック企業」。大量に採用し、大量の離職者を出すのが典型パターンだ。
これこそが、「利益至上主義」を第一にして労働者を奴隷のように酷使する「新自由主義」のやり方です。
福知山脱線事故と新自由主義=利益至上主義(皇紀2675年3月13日)より
新自由主義は日本型経営の温かい家族のような会社環境を破壊して、儲けることしか考えない怪物を多く生み出してしまいました。
日本型経営
ジェイムズ・アベグレンの著書『日本の経営』(1958年)では、次の3点が日本的経営の特徴とされた。
1.終身雇用
2.年功序列
3.企業別組合
また、日本的経営は、西ヨーロッパやアメリカでは近代化の過程において解体した共同体が、企業体において再生産され続けたことによって成りたっていた面も指摘される。
なお、これらの経済政策はケインズ主義を実行した内容であるが、これらは池田勇人などの明治30年代生まれ(1897年-1906年生まれ)が実現させた内容である。
※補足
ケインズ主義=NSDAP式国民社会主義経済
1.企業間関係
メインバンク制、企業グループにより長期安定的な取引関係を結び、株式持合により部外者の経営介入を防ぐ。
2.雇用制度
新卒一括採用、終身雇用、年功序列により幹部社員の忠誠心を確保し、企業別労働組合により労使協調を図る(ユニオン・ショップ制)。
3.市場慣行
官僚統制、官民協調、業界団体内調整による規制の強い市場。金融界における護送船団方式が典型例。4.情報公開
緩い企業会計原則の下で、短期的な経営悪化に左右されない、長期的な視点での経営が可能になった。
5.収益
長期的収益、永続的発展のために福利厚生施設の設置、社員研修の充実を図る。
6.意思決定
稟議制度に代表される、集団主義的・ボトムアップ方式の意思決定。
歴史
第二次世界大戦前までは企業内で養成した熟練工の定着率が悪く、職の移動は常態化していたことで、昭和初期頃より各企業は終身雇用、年功序列制度を設けて熟練工の定着化を行ったことで日本的経営の制度が普及するようになった。
※補足
戦時に伴い、ドイツのNSDAPやイタリアのファシストに倣った経済体制への移行がその後30年以上も日本経済を支えました。
終戦後、日本的経営は、GHQによる財閥解体、労働組合の結成の推奨による経済民主化政策と共に、日本の企業は企業別組合による労使一体による経営と高度成長による右上がりの経済成長で定着した。経済成長が横ばいになると、終身雇用放棄論が声高に主張されたが、賃上げ抑制など労使協調で乗り越えた。1980年代には日本の驚異的な経済成長の立役者として懐古的にもてはやされていた。
しかし、1991年末にソ連崩壊やバブル崩壊などにより、「グローバリゼーション」という名でアメリカ型経営方式が礼賛されるようになった。更に、この時期は、日本国内では「ギブ・ミー・チョコレート」で育った世代が企業のトップに就き、アメリカでは1980年代からの整理解雇ブームが続いていた。従って、「失われた20年」が始まったことによって、日本企業は軒並みアメリカナイゼーションを実行し、それまでの日本型経済を投げ棄てた。
※補足
「ギブ・ミー・チョコレート」で育った世代=アメリカに洗脳された阿呆、いわゆる戦中派や団塊の世代です。
しかしながら、その後の景気回復傾向や、失業の増大の中で、「失われた20年」の中においても日本式経営を継続させてきた企業が世界的に成功する例も現れ始めており、再評価の気運が高まっている。
2009年時点で、30年以上の連続雇用は従業員1000人以上の男性社員に限定されており、その比率は労働人口の8.8%となっている。
~引用終わり~
アメリカの真似をして新自由主義を取り入れた結果が格差が拡大し、ブラック企業が跋扈する利己主義者による社会の到来です。
現状を打開するためには、国民社会主義が機能していた高度経済成長期の共同体社会を取り戻すことが最善であると考えます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【905】新自由主義と共産主義 TPP(グローバル化)と共産革命
(とても長い動画ですが是非、ご覧下さい。 ※動画作成主は共産主義と国家社会主義をごちゃ混ぜにして理解している節がありますが分かりやすいので紹介します。)
☆格差は良いことか? 悪いことか?☆
結論から言えば、
もし、世界に完全に格差が無いとすれば人々は努力を止めてしまうでしょう。
どんなに良い仕事をしても、適当な仕事をしても給料が同じという世の中では誰も頑張ろうと思いません。
この点が共産主義と国家社会主義が似て非なるところです。
「私は私有財産の保護に全面的に賛成だ。個人がその労働収入の一部を家屋敷の取得、拡張のために使いたいと願うのは当然だ。その屋敷内に工場があったと仮定しよう。原則としてこの工場は国家が経営するより、その家族で経営した方が上手くいく。」
(アドルフ・ヒトラー著「ヒトラーのテーブルトーク」より)
「もし1万2千マルク以上の収入はすべて税金として取り上げられるということになれば、1万2千マルク以上儲ける者がいなくなるだけじゃなく、1万2千マルク儲けようという者もいなくなるだろう。」
「誰でも、能力の大きい者は高い賃金を得るべきであるということを理解する。自分の労働努力で得たものは、公益を害しない程度で、自分やその家族の為に使われるべきである。さもなければ我々は働くことを止めるだろう。」
「あるいは、もし国家が我々に労働を強制するならば、我々は嫌々ながら機械的に、今日のロシアにおけるような、奴隷労働に従事するかも知れない。しかし、その結果、かかる労働は公益にとって何らの成果ももたらさないだろう。」
(ヒャルマル・シャハト著「防共ナチスの経済政策」)
☆「乗り越えられる格差」と「乗り越えられない格差」
格差が存在するからこそ貧者は富者を超えようと努力する訳です。
「乗り越えられる格差」は努力するためのモチベーションになります。
しかし、新自由主義によって超格差社会が進展すると、努力をしても超えられない格差が生じます。
「乗り越えられない格差」は人心に諦めが生じます。
そこで国家社会主義が登場します。
「戦争が終わっても経済のコントロールは政府の手に残しておかねばならない。もし経済が政府の手から離れるようなことになれば、またぞろ私企業は自分の利益のみを追い求めるようになるだろう。」
「人間とは元来エゴイストだ。ゆえに政府による命令、統制なくしては、国家経済が能率的に機能するのは不可能なのだ。」
エゴイストのブラック企業を放逐し、愛国社会主義国家を建設しましょう!
西日本新聞 2015年06月25日 12時07分
入社直後に面接官上司が退職
今なら理解できる。そのときは意味が分からなかった。
3年前、不動産会社に転職した貴弘さん(42)=仮名=は、入社1週間後に開かれた退職者4人の「合同送別会」の席上、自分を面接した当時の男性上司からひたすら謝られた。
「ごめんね、ごめんね。僕が辞めることができる条件が、同業他社から5人引き抜くことだったから…」
妻と幼い子ども3人を養うため、より良い条件を求めて10年以上勤めた不動産会社を依願退職。当時の年収は約580万円。「条件を満たす求人はハローワークにはないだろう」。キャリアを生かせる同業で給与水準が下がらないことを条件にインターネットで検索した。「スタートは月給25万円だが、力を発揮すればどんどん上がる」。面接での誘い文句を信じ、転職先を選んだはずだったが…。
「公休だから昼から出てきていいよ」「まさか労災って言い出すんじゃないよね」
配属された支店には約50人の営業マンがいたが、机は30席ほどしかなかった。業務で使うパソコンは当初は支給されなかったが、離職者が出ると回ってきた。最初は不思議だったが、次々に誰かが辞めて誰かが入社してくる。出入りが激しいのでこれで事足りることが次第に分かってきた。
仕事は過酷だった。深夜、未明までの残業は当たり前。たまに午後9時ごろ帰ろうとすると上司から「みんながいるのに何で帰るんだ! 仕事がなくてもみんなと一緒にいろ!」と叱責(しっせき)された。休日も「公休だから昼から出てきていいよ」と平気で言われた。なのに、勤務表は定時の午前9時~午後6時に入力しないとはねつけられた。
営業車は4台しかなかった。私用のミニバイクで営業に回っていたとき車との接触事故を起こした。救急車で搬送された病院で、鎖骨を折っていると診断された。上司に報告すると「休みの日にプライベートで事故したことにしといて。まさか労災って言い出すんじゃないよね」。辞職を決意した。
大量採用 大量退職者が典型パターン
異常な長時間労働や残業代未払いなどで、主に若者を使いつぶす「ブラック企業」。大量に採用し、大量の離職者を出すのが典型パターンだ。入社の際には、月収の誇張や虚偽の条件での募集など、わなが仕掛けられている。
貴弘さんの場合も正社員で募集されながら、実は契約社員だった。「半年の試用期間が終われば正社員になる」と言われたが辞めるまでの2年間、契約社員のままだった。月給25万円には月30時間の残業代が含まれていることも後で知らされた。「残業は30時間を超えることはない」と説明されたが、ゆうに月100時間は残業させられた。
「募集内容は何もかもがうそだった。なぜ、気付くことができなかったのか。歯がゆい」。貴弘さんは今、自分を責める毎日を送っている。
人口減少や少子高齢化で人手不足が深刻化する中、過酷な労働条件で働く人を使い捨てるブラック企業が、法の網をかいくぐり、はびこっている。その巧妙な手口を紹介しながら、今後も登場するであろう新たな手法への防衛策を考えたい。
●チェック 大量採用には注意
インターネットでの求人サイトは、求人する企業が広告料を払っているのがほとんど。いわゆる「求人広告」のため、企業に不利な情報は載りにくい。現状の社員数に対し明らかに多い採用計画には注意したい。
職種や地域によって異なるが、大学新卒の初任給の相場は基本給17万~20万円。学者や弁護士らでつくる市民団体「ブラック企業対策プロジェクト」は、「27万円以上の提示には用心しよう」と呼び掛けている。
採用後の試用期間は、面接だけではその人の性格、能力などが分からないため観察を行う期間。勤務態度が悪いなど合理的な理由があれば労働契約を解除できるが、一般的に半年間を超える長期の試用期間は認められず、原則延長もできない。契約した初任給を支払う義務があり、減額は許されない。
=2015/06/24付 西日本新聞朝刊=
ブラック企業、現場の叫び「でたらめの給与明細」
西日本新聞 6月25日(木)11時52分配信
裁判官もあぜん
裁判官はあっけにとられていた。昨秋開かれた労働審判。飲食チェーンで働いていた香織さん(20)は、会社に不払い残業代の請求を申し立てていた。「その給与明細はでたらめですから」。社長が月給制を装いながら、実は時給制で給与を払っていたことを告白した瞬間だった。
香織さんは高校時代からアルバイトとして働き卒業後、そのまま正社員になった。「月給でも、時給でも給与は変わらないから」。社長からそう言い含められ、時給制のまま仕事を続けた。入社直後、大型郊外店に入居する店舗の店長になった。開店準備、調理、アルバイトの労務管理、後片付け…。自宅に持ち帰った残業もあり、休日もトラブル対応で呼び出された。それでもバイト時代の時給700円から50円上がっただけ。毎月振り込まれるのは18万円ほどだった。
「人並みの生活をしたい」。20万円を超えていた他の正社員と同じ月給制を希望した。給与明細の表記は「月給」に代わり、20万円が振り込まれるようになった。しかし結局4カ月後、過労で体調を崩して入社1年で会社を辞めた。
就業規則で定められた所定労働時間は月160時間。タイムカードから割り出された香織さんの月平均の残業時間は、「過労死ライン」の80時間だった。時間外労働の割増率25%を掛け合わせると、月給20万円では毎月12万5千円の残業代が発生するため、月32万5千円の収入を得られるはずだった。ところが、時給750円では同じ80時間残業しても19万5千円にとどまる。「月給と時給でこんなに違うなんて…」。弁護士から説明を聞いた香織さんは言葉を失った。
ブラック企業の特徴は
ブラック企業の最大の特徴は、異常な長時間労働を強いながら法律で決められた残業代の支払いを無視することにある。手口は巧妙化しており、その代表格が残業代を最初から固定する「固定残業代」。違法ではないが、悪用されやすい仕組みだ。
北九州市の運送会社で正社員だった亮太さん(21)は、ハローワークの求人票で目に留まった「初任給21万円」にひかれ入社した。しかし、入社後に21万円の内訳は「基本給16万円+固定残業代5万円」と説明を受けた。「そんなものかな」と働き始めたが、月100時間を超える過酷な残業が続いた。いくら働いても3年間、月給21万円から1円も上がることはなかった。
「残業代をしっかり払ってほしい」。上司に懇願すると、固定残業代が5万円から11万円に増額すると告げられた。「これで報われる」。歯を食いしばって残業をこなしたが、翌月振り込まれた月給は21万円のまま。何と給与明細に記された基本給は10万円に減額されていた。固定残業代を増やし基本給を減額することで、月給21万円を超えないよう調整していたのだ。
「こんなばかばかしいことがまかり通るのか。正社員は怖い」。会社を辞めた亮太さんは今、アルバイトを転々とする。
(文中仮名)
【チェック】 固定制が抜け道に
使用者は原則、1日8時間、週40時間を超えて労働者を働かせてはいけない。これを超える時間外労働(残業)には25%以上の割増賃金を支払わなければならない。月給の基本給にあらかじめ残業代を含めたり、営業手当などを残業代の代わりにしたりする「固定残業代」は、実際の残業時間に見合った額が支払われる限り違法ではない。ただ、残業時間が少なければ実際の残業代を払った方が安い。固定残業代を導入する会社は相当な残業があると警戒した方がいい。残業代は2年前までさかのぼって請求できる。基本給を一方的に引き下げるなど労働者の合意がない労働条件の不利益な変更は労働契約法に違反する。厳然と拒否しよう。
=2015/06/25付 西日本新聞朝刊=
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ブラック企業の最大の特徴は、異常な長時間労働を強いながら法律で決められた残業代の支払いを無視することにある。
異常な長時間労働や残業代未払いなどで、主に若者を使いつぶす「ブラック企業」。大量に採用し、大量の離職者を出すのが典型パターンだ。
これこそが、「利益至上主義」を第一にして労働者を奴隷のように酷使する「新自由主義」のやり方です。
福知山脱線事故と新自由主義=利益至上主義(皇紀2675年3月13日)より
新自由主義は日本型経営の温かい家族のような会社環境を破壊して、儲けることしか考えない怪物を多く生み出してしまいました。
日本型経営
ジェイムズ・アベグレンの著書『日本の経営』(1958年)では、次の3点が日本的経営の特徴とされた。
1.終身雇用
2.年功序列
3.企業別組合
また、日本的経営は、西ヨーロッパやアメリカでは近代化の過程において解体した共同体が、企業体において再生産され続けたことによって成りたっていた面も指摘される。
なお、これらの経済政策はケインズ主義を実行した内容であるが、これらは池田勇人などの明治30年代生まれ(1897年-1906年生まれ)が実現させた内容である。
※補足
ケインズ主義=NSDAP式国民社会主義経済
1.企業間関係
メインバンク制、企業グループにより長期安定的な取引関係を結び、株式持合により部外者の経営介入を防ぐ。
2.雇用制度
新卒一括採用、終身雇用、年功序列により幹部社員の忠誠心を確保し、企業別労働組合により労使協調を図る(ユニオン・ショップ制)。
3.市場慣行
官僚統制、官民協調、業界団体内調整による規制の強い市場。金融界における護送船団方式が典型例。4.情報公開
緩い企業会計原則の下で、短期的な経営悪化に左右されない、長期的な視点での経営が可能になった。
5.収益
長期的収益、永続的発展のために福利厚生施設の設置、社員研修の充実を図る。
6.意思決定
稟議制度に代表される、集団主義的・ボトムアップ方式の意思決定。
歴史
第二次世界大戦前までは企業内で養成した熟練工の定着率が悪く、職の移動は常態化していたことで、昭和初期頃より各企業は終身雇用、年功序列制度を設けて熟練工の定着化を行ったことで日本的経営の制度が普及するようになった。
※補足
戦時に伴い、ドイツのNSDAPやイタリアのファシストに倣った経済体制への移行がその後30年以上も日本経済を支えました。
終戦後、日本的経営は、GHQによる財閥解体、労働組合の結成の推奨による経済民主化政策と共に、日本の企業は企業別組合による労使一体による経営と高度成長による右上がりの経済成長で定着した。経済成長が横ばいになると、終身雇用放棄論が声高に主張されたが、賃上げ抑制など労使協調で乗り越えた。1980年代には日本の驚異的な経済成長の立役者として懐古的にもてはやされていた。
しかし、1991年末にソ連崩壊やバブル崩壊などにより、「グローバリゼーション」という名でアメリカ型経営方式が礼賛されるようになった。更に、この時期は、日本国内では「ギブ・ミー・チョコレート」で育った世代が企業のトップに就き、アメリカでは1980年代からの整理解雇ブームが続いていた。従って、「失われた20年」が始まったことによって、日本企業は軒並みアメリカナイゼーションを実行し、それまでの日本型経済を投げ棄てた。
※補足
「ギブ・ミー・チョコレート」で育った世代=アメリカに洗脳された阿呆、いわゆる戦中派や団塊の世代です。
しかしながら、その後の景気回復傾向や、失業の増大の中で、「失われた20年」の中においても日本式経営を継続させてきた企業が世界的に成功する例も現れ始めており、再評価の気運が高まっている。
2009年時点で、30年以上の連続雇用は従業員1000人以上の男性社員に限定されており、その比率は労働人口の8.8%となっている。
~引用終わり~
アメリカの真似をして新自由主義を取り入れた結果が格差が拡大し、ブラック企業が跋扈する利己主義者による社会の到来です。
現状を打開するためには、国民社会主義が機能していた高度経済成長期の共同体社会を取り戻すことが最善であると考えます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【905】新自由主義と共産主義 TPP(グローバル化)と共産革命
(とても長い動画ですが是非、ご覧下さい。 ※動画作成主は共産主義と国家社会主義をごちゃ混ぜにして理解している節がありますが分かりやすいので紹介します。)
☆格差は良いことか? 悪いことか?☆
結論から言えば、
もし、世界に完全に格差が無いとすれば人々は努力を止めてしまうでしょう。
どんなに良い仕事をしても、適当な仕事をしても給料が同じという世の中では誰も頑張ろうと思いません。
この点が共産主義と国家社会主義が似て非なるところです。
「私は私有財産の保護に全面的に賛成だ。個人がその労働収入の一部を家屋敷の取得、拡張のために使いたいと願うのは当然だ。その屋敷内に工場があったと仮定しよう。原則としてこの工場は国家が経営するより、その家族で経営した方が上手くいく。」
(アドルフ・ヒトラー著「ヒトラーのテーブルトーク」より)
「もし1万2千マルク以上の収入はすべて税金として取り上げられるということになれば、1万2千マルク以上儲ける者がいなくなるだけじゃなく、1万2千マルク儲けようという者もいなくなるだろう。」
「誰でも、能力の大きい者は高い賃金を得るべきであるということを理解する。自分の労働努力で得たものは、公益を害しない程度で、自分やその家族の為に使われるべきである。さもなければ我々は働くことを止めるだろう。」
「あるいは、もし国家が我々に労働を強制するならば、我々は嫌々ながら機械的に、今日のロシアにおけるような、奴隷労働に従事するかも知れない。しかし、その結果、かかる労働は公益にとって何らの成果ももたらさないだろう。」
(ヒャルマル・シャハト著「防共ナチスの経済政策」)
☆「乗り越えられる格差」と「乗り越えられない格差」
格差が存在するからこそ貧者は富者を超えようと努力する訳です。
「乗り越えられる格差」は努力するためのモチベーションになります。
しかし、新自由主義によって超格差社会が進展すると、努力をしても超えられない格差が生じます。
「乗り越えられない格差」は人心に諦めが生じます。
そこで国家社会主義が登場します。
「戦争が終わっても経済のコントロールは政府の手に残しておかねばならない。もし経済が政府の手から離れるようなことになれば、またぞろ私企業は自分の利益のみを追い求めるようになるだろう。」
「人間とは元来エゴイストだ。ゆえに政府による命令、統制なくしては、国家経済が能率的に機能するのは不可能なのだ。」
エゴイストのブラック企業を放逐し、愛国社会主義国家を建設しましょう!
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