くまだから人外日記

くまだからくまなのだ。

それでいいのだ。

天宮の乙女達…タジリスクの聖戦(9G) 99

2018-03-23 21:42:50 | 【偽書】シリーズ
「扉を開け!」
「お〜。流石ティガー。一発だね」
「いや、誰でも一発で開けるだろ。これくらい」
「守備隊が死守したかった“負界領域への門”だよ。何とかなったかな、これで…」
「一気に先に行く?」
エイミーは二人の顔を見る。
「いや、皆を待とう。もうルリの居場所への道は開けたんだ」
涼しい顔をしてティガーは言う。
「でも、ここへ来れないメンツも居るかもよ。そもそもこの先に絶対ルリが居る保証も無いし」
「まあ少なくとも、行方不明のメリーとルリ、星に残っているシャー以外は来れるだろう」
「そうだねぇ」
ミトはティガーに同意する。
「あと、咎人のフィンは無理なんじゃ」
「いや、フィンは来る気がする」
「それって脱獄だよ。それでなくても仇とはいえ連邦が任官した“講師”を殺っちゃったんだよ。刑期が更に百年延びてんのに脱獄とか…」
「たが、来るかもね。あの子なら」
「ああ。今回の件を成功させたら減刑も有るだろうしな」
「多少減っても二百年くらい残るでしょ」
「寿命を考えたら、刑期三百年も五百年も同じさ」
「そうそう。そして何よりフィンはルリとメリーを救う方を取るだろうな。つまらない監獄で意に反する受刑者生活をしているくらいならば、私達と一緒に戦巫女の務めを果たす方を選択するさ」
「講座の最初の頃の非協力的な態度とは真逆だよね」
「いや、同じだよ。あの頃だって今だって、フィンは変わっちゃいないさ」
「?」
「フィンにはサーヤとの約束があるからね」
ミトはティガーの顔を見ながら言う。
「それはティガーも同じなんだろ」
「ねえ。そもそもサーヤとの約束って何なの?ティガー」
エイミーはのけ者にされた気分でティガーに詰め寄る。
「あの講座時代、最後の課題でそれぞれの宮(みや)毎に分かれてミッションに当たったろ」
仕方が無くティガーは口を開く。
「ああ…。ミトがロックドアを壊していきなりリタイアした課題か〜」
それまでエイミーに質問を任せていたレイミーが顔を出してミトをからかう。
「それは置いておけよ、レイミー」
「あの時、水の宮の私達、フィンとサーヤと私がトライしたミッションには、他の三班とは少し毛色が違うミッションも含まれていたのさ」
「基本的には四班同じだったけど、班毎に微妙に違うミッションも含まれていたっけ?」





ブログへお立ち寄りの皆様へ

gooのフューチャフォンアクセス終了に伴い、gooブログ 各【偽書】シリーズへの投稿を終了する事と致しました。

他SNSへの投稿は継続しております。
ストーリーに引き続きご興味がございましたら、〔検索ワード【偽書】 〕などで検索頂けましたなら幸いです。


筆者敬白

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。