宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

消えゆく「酒屋」

2005年06月29日 07時40分58秒 | 宝島のこと

突然カブのヘッドライトが点かなくなった。

どうやら球が切れたようだ。

どうせ、昼間しか乗らないのだからと、しばらく放っておいた。

だが、たとえ束の間でも夜乗ることもあるなあ・・ ということになった。

球の交換くらい自分で出来るだろうと、取りあえず周りのねじを全部
はずしてみた。

こうしてみて初めて構造がわかるというものである(笑)

案の定、必要の無いものまではずしてしまっていたが、また組み立てれば
いいだけのこと。

こうして中の球を取り出して、それを持ってホームセンターに走る。

近場のそれは売り場面積が狭いので、無いかもしれないが、あればラッキー
てなわけで覗いてみる。
やはり、車のそれが少しあるだけ。

仕方がないから、そこからまた同じ距離くらい先にある大手に行く。

あったあった。

このあたりのニーズと距離感における消費者心理が微妙であると常々
思っている。

私は合理性を重んじるタイプの人間である。

単純な価格差だけで遠方まで走る、所謂バーゲンハンターとはその考え方を
異にする。

労力、手間、時間、経費を価格差の収支バランスに組み込んだ上で、買い場
を決定する。

物があれば、より近場の方が手間、労力、時間の浪費をしなくてすむ。

ただ、今回のような、品揃えの有無については迷うところである。

無いかもしれないし、有るかもしれない。
有るのにスルーすれば余分な労力、時間を使う。
無いのに寄れば、その分がスルーしたときよりも余分な労力である。

多分、皆似たようなことを考えながら動いているのだろうと思っている。

そこで、それらを踏まえた上で、今度は売り手としてどうあるべきかを
考える。

我が国の小売業の現状は、大手チェーン店が強者としての展開を進めている。

その結果、個人が経営する小売店はどんどんその存在価値をおとしめている。

でも、全ての売り場が大手チェーン店で占められることはあり得ない。
出店計画外地域があろうし、密に出店したが為の過当競争の末に脱落していく
コンビニは後を絶たない。

そうなると困るのは生活弱者である。
足のないお年寄りに5km先のスーパーまで買い物に行かねばならない社会は
成り立たない。

そこにはまた、新たな商売が生まれる筈である。

また、消費性向に合わせた品揃え、商品特質に合わせた売り場の効率化等を
突き詰めることで「棲み分け」が出来る筈である。

「宝島」を具体例にあげれば、

*かなり飲む人
*色々飲む人
*だからこそ安く買いたい人
*だからこそ定期的計画的に買う人
*そのためにはケースで買ってもいい人
*業務用だからより安く欲しい人

こうした人が便利に使ってもらえるように、

*どこより安く
*ビールのバラ売りをしないことで経費圧縮
*扱い品目を絞り込むことでより安い仕入
*一度にたくさん買ってもらう為のサービス
*小さい店だからこそ、車を横付けしての商品積み込み

以上、ごくおおまかに、
こと店頭販売に関しての、弱者「宝島」の考え方である。

勿論、これ以外に、「宅配」に活路を見出す道もある。


「宝島」はスーパーでもコンビニでもないから、同じ売り方をしていたのでは
「棲み分け」が出来ないのである。

だから、ビール6缶パックは積極販売しないし、リーチインクーラーにビールや
チューハイをカラフルに並べたりもしない。
いや、そのリーチインクーラー自体が既に存在しない(笑)

それらのお客さんはいずれそちらに流れるべき消費性向の方々なのである。

ということは、ばらして並べる人件費や、それを冷やす電気代を圧縮して、
薄利の穴埋めにまわすべきなのである。

これが、これまでぬるま湯に浸かっていた「酒屋」がなんとか生き残ろうとする
グループ、「ぷちショップ」の考え方である。

実際に、これで立ちゆかなければ転廃業やむなしということではある。

そこまで厳しい状況に「酒屋」は追い込まれている・・・


ヘッドライトの球の話がとんだ方向に・・・

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