始まりの予感

陽光の温度、海からの風の匂い、
忙しなく木々の間を飛びまわる鳥達、
雪は降れども、雪解け進むこの日々。
そして白い季節から移りかわる頃に
色をひっそりと森へそえる草花。
茶色い大地から。または雪の下から、、

3月31日。
写真のナニワズ、今日はまだ黄色い蕾(つぼみ)。
緑色の葉っぱもなんだか寝ぼけ気味で
ピンと伸びきっていません。
だけど、僕の目に映るその蕾は
この日の陽光に優しく輝いて、
これから始まる何かへの期待を
いっぱいに詰めているように思われました。

明日はもう4月1日ですね。
“長かった冬の終わり。”
「4月」という言葉の響きだったり、
あの窓のむこうに見える風景だったり、
去年よりも早く、確かに感じます。
＊* I to U *＊BYつよし

私事ですが、まったく同い年の28歳で、
同期のような存在として今まで
共にネイチャーガイドをしてきた
『知床ネイチャーオフィス』の
矢代君と岡田さんが今日で知床を旅立ちます。
なんだか言葉にうまく出来ないような感覚ですが、
この3年間本当にありがとね。そして、愛してるぜ！

ホントかどうかわからないけど、、
ナニワズの花言葉は、不滅、栄光だそうだよ。
ではでは、また逢おう。。。

○知床オプショナルツアーズのホームページはこちらです。
http://www.shiretoko.info/

ヤマゲラ×ヤマゲラ。

自宅前にあるキャンプ場はこの時期、
訪れる人は少なく、もちろんテントなどなく。
ひっそりと静まり返っています。
きっと夏鳥たちが来る頃には、
また賑やかさをとりもどすのでしょうが。。

そんな静かな空気を切り裂くように
鋭く響く声が“あっち”と“こっち”に。
一方が「...ピョー...ピョーピョピョ！」
と甲高く、、そして別方向から
「...ピョーピョーピョピョ！...」とまた鳴きます。

声の方向を双眼鏡でよく探してみると
ヤマゲラのオスとメスの姿がありました。
彼らは“つがい”なのでしょう。(写真は♂)
互いに一定間隔で鳴き交わしているようでしたが、
もしかしたら僕を多少警戒しての
声でもあったのかもしれません。

どうも見ていると、、
オスの方が僕に対しての警戒心が強いようで、
大胆に僕のすぐ近くにある木に飛んできた
メスの側にはなかなか来ようとはしません。
その後も時々、小さく囁くように
「キュッ..キュッ...キュッ...」と
甘えるような声でメスが呼んでいるようでしたが、
やっぱり来ることはなかったです。

静かな中で急に鳴かれると
ビクっ！と驚いてしまうくらいの
あの鋭く甲高い声、意外とシックなデザインの模様、
なかなか味わい深くて面白い鳥(キツツキ)ですね。

鳴き声、人間の笑い声のようでもあります。
＊* I to U *＊BYつよし

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痛っ！

顔の印象から、まだ少し若いオジロワシでしょうか。
写真を見るかぎりでは、
何とも勇ましい姿と思いそうですが。。。

実は執拗(しつよう)に下の枝にとまる
カラスから嘴で尾羽をつつかれたりと
ちょっかいを出されています。
そのたびに写真のように
羽を少しひろげ、キッ！と睨みつけるのです。

ですが、さらにワシの左右にプレッシャーを
かけるかのようにとまる2羽のカラス。

先ほどまで威風堂々とした雰囲気で
とまっていたワシですが根負けしたのか
しばらくして飛び去ってしまいました。

意外とカラスも強いのです。
頑張れ若者！
＊* I to U *＊BYつよし

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積もりました、森。

昨晩から降った雪で、
森の中もスノーシューで歩きやすい
踏んだ感覚がフカフカとした
フィールドに戻っていました。

気象庁のアメダスではウトロの積雪深が
昨日より15cmくらい増えたようですね。
今朝は久々に道路から除雪車の音が聞こえました。
…それでも現在の積雪深が65㎝と
一時期に比べると少し寂しくもありますが。

雪は降っても、やはり冬の終わりを感じる雪。
今日のやや水分の多い雪は
重たくトドマツの葉に積もっては、
その枝を項垂(うなだ)れさせていました。
考え事かい？悩み事かい？

お子様のお客様が楽しそうに
お父さんと雪合戦を始めました。
簡単に雪玉が出来るのだから、
もう厳冬期のパウダースノーではないんですね。。。

寂しくもあり、次の季節が楽しみでもあり。
＊* I to U *＊BYつよし

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僕に降る雪

...ふわふわ...と
舞い降りる雪が白くて、
空へ高く高くと背伸びする
シラカンバ達の幹も白くて、
こんなに暗い空でも
嬉しくなるもんだなと思う
この日(昨日)の僕です。

状況的には似ているのに
前回の更新とは逆の気持ちなところが、、
どんなもんか。と自分でも思いますが…。

僕に降る雪。
深深と音もなく降り積もり、
その様も美しく思います。
肌に触れるとジワッ...と融けて
冷たいです。
その様が儚く心地いいです。
＊* I to U *＊BYつよし

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鈍い太陽

鈍いなぁ。とか思う僕。

雲が上空の高いところにあるようで、
知床連山は曇り空の薄暗い下でも
きれいにその山並みが見られましたが、
散策が進むにつれて天候は下り坂。
やはり気持ちまで(僕もお客様も)
なんとなく暗くなるというか、、
落ち着いてしまいますね。

あまり良くないことだと思うので、
なんとかこの空気を明るくしようと
あれこれ考えるのですが・・・。

薄い雲のむこうから、
僕自身や僕の考え事まで
透かし見るように
太陽が鈍い光で覗いています。

・・・。

いやいや、あなたに
もっと元気に照って頂ければ
きっと明るくなるですけど。

その10分後には厚い雲に
すっかり太陽は隠れてしまいましたとさ。
＊* I to U *＊BYつよし

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青い空、知床連山。

青い、青い空。

ポカポカな陽気。

フワリと涼しげな風。

流れる雲の下で
移ろい続ける、光と影。

そして、
陰と陽をまとう知床連山の白。

美しいね。気持ちいいね。
＊* I to U *＊BYつよし

青い海、知床岬。

ここ数日は雲があったり、霞んでいたりで
あまりスッキリと知床岳や知床岬(方面)が
見えなかったように思いますが、
今日はとても素晴らしい状態で
見ることができました。

知床連山。知床岳。知床岬。
そして、青い空。青い海。

「言葉なんて必要ないな。」と
心から思える、今日、この場面。
＊* I to U *＊BYつよし

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巡る季節の風景①

早朝オジロワシ・オオワシ観察会の
ツアーで出会ったオオワシさんです。
ホントに綺麗な肩の白い模様があらわれていて、
思わず嬉しくなる白、黒、黄の配色です。

越冬のため知床を訪れていたワシ達も
しだいに生まれ故郷の北の地へと
帰りはじめているようで、
最近では写真のような見事な配色のアダルト達より、
もっと色が茶色っぽかったり地味な若者達の姿の方が
見かけることが多くなったように思います。

先月より確かに暖かい空気、残雪、
道路脇に群がるエゾシカ、オオワシ。
そんな風景。
＊* I to U *＊BYつよし

巡る季節の風景②

１ヶ月前までは、、
スノーシューでザクザク歩いていた雪原。
ここ数日の天候だったり気温によって
もうすっかりと、先日まで雪の下だった
遊歩道が開通してしまっています。
もちろん、ここはスノーシューでは歩けないので
それを脱いで長靴で歩くのですが、、
場所によってはドロドロな状態でした。

赤茶色い枯草が茂る？草原ではエゾシカ達が
厳冬期の一時の必死さはなく、のんびりと食事中。
それでも、やっぱり、、
やせ細った姿は冬の厳しさを物語ってますね。

この写真は昨日(22日)のものなので、昨晩の雨で
今日はさらに雪どけが進んだことでしょう。

無常に季節は巡っていくんだな。
そんな事を感じずにはいられない風景ですね。
＊* I to U *＊BYつよし

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無題

トドマツ茂る森には、
春が近づくこの日々の中でも、
冬であることを僕に感じさせる
深い静けさだったり、
ひんやりとした空気の流れだったりが
確かにあるように思います。

ですが、、一方でこうも思います。
度重なる強風で荒れた森の中には
枝や葉、倒木が散在し、融けた雪が氷となり
スノーシューの爪をガリッ、ガリッと鳴らします。
やはり春は近いのだろうか。

その姿を癒すかのように
うっすらと雪は包みこみ、
木洩れ日が優しく差しこんでいます。
それは僕らの心さえも
優しく包みこんでくれるような温かな風景。

縦一列にクマゲラの食痕が並んだ朽ち木。
それは、ただただそこに在るだけで、
題名なんて勿論ない一つの彫刻。
その為の理由はないのに僕を感動させます。

題名とか名前とか、
そういうものは人間がつけるものであって
本来は無いものなのでしょう。
何かを分類、識別、理解しようとする故に。

冬が過ぎて春がきて、夏、秋、また冬と
繰りかえして、繰りかえして、
この彫刻は朽ち果てて土になることでしょう。

題名など無く。
＊* I to U *＊BYつよし

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あしあと。その先。

今日の午前中にツアーで散策した
フレペの滝の遊歩道。
滝の姿をしばし眺めて、
また遊歩道を帰っていこうと歩き始めると、、
草原でさっきまでのんびりと草を食んでいた
エゾシカ達が一気に同じ方向へ走っていきます。
これはもしかしてと見てみれば、
やはりヒグマの姿がありました。

しかし、とても小さいその体から
“こぐま”であるとお客様もわかるほど。
あまり元気のない足どりで
僕らとは別方向へとゆっくり去っていきました。
駆けつけたクマ対応のスタッフに聞くと
つい先日、3月17日に知床自然センターの前に
あらわれたというヒグマのようです。

普通はお母さんグマの後をぴったりとくっついて
歩いているはずの年齢でしょう。
もし、母熊とはぐれてしまったのだとしたら、、
この“こぐま”はこれからどうなってしまうのか。。

去った後に残された小さな足あと。
どのような足どりで、
これからを歩んでいかなくてはならないのか。
その先にあるものは。。。とても心配です。
＊* I to U *＊BYつよし

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なまぬるい空気の中で

昨日もわりと暖かいなぁと思うような
一日でしたが、今日は段違いの気温です。
森を散策していても、いつもは一歩踏み入ると
一気にひんやりと涼しくなる気がする
トドマツの原生林も違う空気が流れています。

額(ひたい)ににじむ汗も清々しくありません。

ポカポカとした気持ちのよいものでなく、
なんだか“じっとり”と生温いのです。
実際、散策をしていた時間帯も
気温は+10℃を越えていて、
ウトロでは12時に+15.5℃、
これを書いている午後2時に16.6℃です。

写真は枯れた木の幹にあけられた
クマゲラの食痕です。
根元に散らばった木屑からかなり最近、
もしかしたら訪れたのは昨日、今日でしょうか？
この突然の気温の上昇に驚きながら、
必死になってあけたのかもしれませんね。

でも、、この暖かさも明日からは
いったん落ち着いて、
明日の最高気温が+1℃の予報です。
この寒暖の変化、体調に注意しなければ…。
＊* I to U *＊BYつよし

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冬の余韻

雪が融けてきて、最近ではしだいに
道路脇や他より風が吹くであろう場所では
茶色い下草が見えてきました。
もちろんツアーで散策する森や、
遠く眺める山々は白く
まだまだ雪が厚く覆っていますが。

このような時期に誰よりも早く
春が近づいてきている兆しを
知らせてくれるのは、
この知床ではヒグマの足跡だったり、
またフキノトウでしょう。

今朝、さぁ！事務所へと向かおうと
玄関を出るとなんだか暖かくて、
アパートの周辺を少し歩いてみました。
すると、一つだけ“ちょこん”と
茶色い地面から頭をだした黄緑色。
見ていると自然と笑顔になる「色」でした。

まだ知床は季節としては冬でしょう。
去年も４月初旬に大雪が降りましたし、
まだまだ雪は降ることでしょう。
ただし、真冬日が連日続くような
厳冬期は終わったように思います。
そういう意味で、
この「色」と頬をなでる冷たい風には
冬の余韻のようなものを感じて、
どこか寂しくもなる僕でした。
＊* I to U *＊BYつよし

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映画館まで３時間。

あぁ、こんな天気のいい日は
本当なら写真のような森を散策したいのに。
とか、、、朝起きて少し寝ぼけながら
カーテンの向こう側の空に思うのですが、
生活という現実にそうもいかず。。。

今日はお休みをもらったので
うちの奥様と網走へと
お買い物(おもに食料)に行きました。
ウトロから斜里へと向かう途中の
海岸線にはワシ達がたくさんいて、
奥様はとてもお喜びになっておられました。
たしかに、あの飛翔は素晴らしいですね。

そして、、一日買い物。
あぁ、森よ。
あぁ、森へ。
だけど、それはしょうがない。

ウトロから、、
斜里まで４０分。
網走まで１時間半。
北見の映画館まで３時間。
僕の運転では、だいたいそのくらい。

これも生活。これも現実。とか思うのです。
＊* I to U *＊BYつよし

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