できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

ライブドア新組織図に見る「反省と誠意のなさ」

2006-01-28 05:14:48 | ライブドア関連

 (冒頭の図がでかすぎて申し訳ない。いろいろやってみたが調整が・・・)

  ライブドアの新体制が発表になり、平松庚三(こうぞう)新社長、熊谷史人代表取締役の新体制となった。昨日や今日のニュースでは、平松新社長が呼ばれてインタビューを受けていた。フジテレビとの「トップ会談」でも、「平松新社長が、いかなる形でも、堀江がライブドアに戻ってくることはありえない」と発言したことを、フジテレビの日枝会長が明らかにした。


ライブドア、フジとトップ会談…株継続保有を要請(読売 06.01.28)


(引用ここから)


 ライブドアの平松庚三(こうぞう)社長は27日午後、東京・台場のフジテレビジョン本社を訪れ、フジテレビの日枝久会長、村上光一社長らと約30分間、会談した。


 両社のトップ会談は、16日にライブドアが証券取引法違反事件で強制捜査を受けて以来、初めてだ。


 27日夕、会見した村上社長などによると、平松社長は、前社長の堀江貴文容疑者らの逮捕について「迷惑をおかけしました」と謝罪。そのうえで、「コンプライアンス(法令順守)を大切にしたい。堀江氏のカラーを変えて立て直したい。最善の道を必死で探るので、株主として協力してほしい」と述べ、フジテレビが保有する12・75%のライブドア株の継続保有を含め、再生に向けた協力を要請した。また、平松社長は、グループ企業を切り売りしない意向を表明した。


 堀江容疑者の復帰については「裁判の結果がどうであれ、戻ることはない」と否定した。


 一方、フジ側は、「過去や現時点の財務諸表を持ってきてほしい。それを見ないと決められない」として、虚偽ではない正確な財務資料の再提出を受けたうえで、保有株の扱いなどを最終的に決める考えを示した。


 会談には、ライブドア側が熊谷史人代表取締役と清水幸裕上級副社長、フジテレビ側は飯島一暢総合調整局長がそれぞれ同席した。


(引用ここまで)


 別の報道では、「わたくし平松が社長である限り」という条件をつけていることを報道している点が興味深い。


ライブドア平松社長「堀江容疑者、経営陣への復帰ない」(日経 06.01.27)


(引用ここから)


 ライブドアの平松庚三社長は26日夜、NHKのテレビ番組に出演し、前社長の堀江貴文容疑者について「自分が社長でいる間(経営陣への)復帰はない」と話した。また執行役員社長という自身の立場は「見直すことになるだろう」とし、株主総会の決議を経たうえで取締役に就任する可能性を示唆した。


 企業買収による時価総額重視の経営だったという見方に対しては「金融、ポータル(玄関)サイト、ネットワークというコア(中核)事業がある」とし、中核事業を軸に経営の再建を目指すとした。大株主であるフジテレビジョンの幹部との会談は実現しておらず「伺っておわびすることを最優先したい」とした。


(引用ここまで)


 さて。真実はどっちか。フジvsライブドアの会談という新しいニュースソースは前者の方なので、私としては、前者の「(平松社長が社長のままであるかどうかにかかわらず)堀江は戻ることはない」を信じたい。堀江は未だにライブドアの11%程度の株を持つ大株主であり、そことの調整をどうするのかを聞きたいところであるが。


 さて。ある程度情報が共有できたところで、今日のテーマである。私が提起したいのは、信用を回復したがっている割には、ライブドアの新組織とマスコミへの対応は、あまりにも誠意のないものでなかろうか、ということである。これは、堀江信者を除く一般人にとっては、単なる「反省のなさ」にしか見えないということだ。


 まず始めに、今回の事件に対する社内調査を行っていない(もしくは、終わったことにしている)点である。新体制発表の記者会見の時点から、「検察による捜査のことについては、『捜査中』だから、質問するな」というお達しがマスコミに通達されたことはすでに報道されている。


 「捜査中だから質問するな」というのは、一体どういう論理だろうか。全く理解できない。損害賠償などの金銭的問題を含む民事訴訟などで、裁判に影響を与えかねないという意味で「裁判で係争中なので答えられない」という論理ならわかる。まさに昨年のフジサンケイvsライブドアで繰り返されてきたフレーズである。


 しかし、今回は刑事事件であり、その嫌疑は、ライブドア(グループ)の取引状況に関するウソという、企業としては最重要の部分である。取引状況は会計にも影響するし、ライブドアの会計は株価に重大な影響を与えるという意味でも最重要である。にもかかわらず、記者会見でもテレビでの取材でも、「そのことについては検察に全面協力していますので、検察の捜査結果を待つ」という態度では…社内的には、全く今回の事件の「膿」を出そうとしているとは思えない。


 ということは、このことに関し、先週は社内調査をやったとは私は小耳にはさんだが、堀江や宮内などの影響が及ばない新体制(=堀江や宮内などにもみ消されないような新体制)の下で、改めて社内調査をすることで、「うちの新体制は信用できます」ということをアピールする必要はないと「新体制」が考えているということであるのか。だとしたら、これはライブドアの、顧客をあまりにもバカにした対応であると私などは思う。


 誠意や反省のなさを感じる二点目は、平松社長が、現時点では代表権のない、執行役員としての社長のままだという点だ。平松社長はまだ取締役ではなく、新しい取締役を選出するには株主総会が必要な点は理解しているが、だとすれば、なぜ臨時にでも、現時点での取締役から新社長を選ばないのか。


 現時点での取締役の中から新社長を選び、その下で社内調査を改めて行い、膿みを出し切ることで、「新生ライブドア」であることが初めてアピールできよう。あるいは、平松社長の下で本気で「新生ライブドア」をアピールしたいのであれば、新体制発表の記者会見で、「株主総会を開き、すみやかに平松社長を代表取締役にする」という説明をすべきだろうが、実際には以下のように極めてあいまいなものであった。


「身売りしない」「社名変えない」――ライブドア、新体制で会見(読売 ITメディア 06.01.25)


(引用ここから)


>平松社長に代表権を持たせる案もあったが、それには株主総会を開いて平松社長を取締役にせねばならず、時間がかかり過ぎると判断。現時点で同社の常勤取締役は熊谷氏1人なため、代表権を持つことになったという。


(引用ここまで)


 時間がかかるから?そういう理由で、「これからどうする」という問題には一切答えていない。実に、「これからの姿勢」のわからない答えである。


 さらに、ライブドア自体が発表した新組織図にもそのことが現れている。これをごらん頂こう。


http://finance.livedoor.com/img/ir/4753/news/060124_02.pdf より


(大きいサイズにしたのが、冒頭の図である)


 上の図で、 岡本文人取締役と堀江貴文取締役はすでに辞任している。この図を見てわかるのは、平松新社長が何を提案しようとも、その上の取締役会で代表取締役の熊谷取締役がノーと言えば、何も通らないということである。


 にもかかわらず、マスコミには平松社長ばかり出てきて話す。これでは、平松社長の発言は「取締役会が通れば」という「条件つき」の発言に過ぎない、ということになろう。


 このことに関し、ライブドアは何も説明しない。このままでは、私などは「要するに、外ヅラのいい平松氏を社長に据えて、実権は熊谷氏が握り続けるんじゃないの?」と思わざるを得ないが、みなさんはどう思うだろう。


 そう思われたくなければ、できるだけ速やかに株主総会を開き、平松氏を「代表取締役社長」にすべきである。でなければ、また「信者だけしか支持しないライブドア」に逆戻りであろう。しかもその信者の数をぐっと減らした状態で。堀江がいないライブドアを、どのくらいの人が支持するの?支持する人を増やしたければ、何をしなければならないの?そのあたりを、彼ら新経営陣は冷静に考えなければならないだろう。


 今回のテーマに関して、また笑える「PJオピニオン」が・・・(笑)


敏速な対応に、LDへの信用度がグンと増えた!(PJオピニオン 06.01.25)


(引用ここから)


PJニュース 【01月25日】-前社長、堀江貴文容疑者逮捕から一夜明けライブドアは24日、取締役会が行われ、堀江貴文容疑者が社長を辞任し、グループ傘下で会計ソフトなどの販売を手掛ける「弥生」の社長を兼務している平松庚三執行役員上級副社長が社長に就いたと発表。信用を取り戻すための誠意が見えた。


 同日20時からの記者会見と同時に、堀江前社長に関わるすべてをライブドアのホームページから撤去。敏速な対応が目を引いた。これですべてを精算できたわけではないが、逮捕された元役員らと、「現在」のライブドアは切り離して考えるべきであろう。「現在」は一秒という一瞬であり、その前は「過去」。一秒後は「未来」なのである。


 新しいライブドアを支持する声も多い。ポータルを支える伊地知副社長ブログのトラックバックなどからも、その声は伺える。ほとんどが「頑張ってほしい」との励ましの声だ。その支える声がある限り会社は生き続けていけるのである。そして新ライブドア全社員が一丸となり、立て直そうとする姿勢は間違いなく伝わっている。今後の活躍に期待したい。【了】


【注】この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。

パブリック・ジャーナリスト 渡辺 祐子【神奈川県】


(引用ここまで)


 ・・・これは朝鮮中央通信か? 根拠のない持ち上げ方といい、親玉の体型といいそっくりだが…この渡辺とやらは、言論人の端くれとして、本当に恥ずかしくないのだろうか。なにしろ、上記引用部分で赤線に直した部分の根拠が全くわからない。わかる人がいたら教えてほしい。


一方でこんな「一見もっともなPJ」も…


大手マスコミよ、ライブドア事件を正確に報道せよ! (PJオピニオン 06.01.27)

 

 ライブドア問題に関して、正確に報道する努力が最も足りないのは、何よりこいつらPJだろうが!本当にいっちゃってるのかね?こいつらは。


 

 自分たちの記事に説得力を持たせたければ、まずその「ライブドア批判=みんな『偏り』」というレッテルからどうにかすべきじゃないの?


 PJたちのアホさ加減についてはこちらを。


これで既存のメディアを殺せるの?<ライブドアPJオピニオン(当ブログ06.01.20)



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しい記事をどうも♪ (ひろ)
2006-01-28 08:29:05
今回も楽しませていただきました♪

私は最近、ちょっと時間がなくて、ライブドア新体制についてはほとんど考察できていないんですが、ライブドアから「ホリエモン」バリューを除去した(と思われる)体制を見ただけで、「信用度回復!」とか浮かれてるPJ、信者、アホルダーetcの方が、よほど「堀江のみ悪」と考えてる姿勢に見えてくるんですが・・・ε=( ̄~ ̄;)

堀江元社長も、薄情な信者をもって、ますます不幸だ(笑)。

マスコミの批判よりもこっちの方が、本人、こたえるんでは?

「堀江のみ悪じゃない!」というなら、もっとライブドアという会社についてよく考えてほしいなと思いました。

ま、それができないから "アホルダー" なんでしょうケド。
返信する
なるほど (白河)
2006-01-29 01:31:23
「堀江のみ排除すれば全てOK」という発想こそが、ライブドアの何を支持してきたのかが自分でも全くわかっていないアホルダーであるというご指摘は鋭いですね。



堀江だけに心酔してきたのであれば、今回の一件でライブドアに対する愛着もなくなるはずですからね。ますますPJのスタンスが理解不可能な領域に入ってきました(笑)



示唆に富むコメントをありがとうございます。今後の参考にさせて頂きます。

返信する
いまさらですが (りんご)
2006-02-04 15:30:24
平松氏の社長就任時の記者会見をノーカットでライブドアのサイトで見れたので(今は見られるかわかりませんが)それを一度見られてから書かれた方がよかったかもしれませんね。



このブログで疑問として挙げられている部分は、ほとんど記者会見で丁寧に説明されていると私は感じました。その点は、堀江前社長よりもかなり誠意ある対応(当然かもしれませんが)かと。



当然ですが、マスコミはいちいち全部書きませんし、どこをどう取り上げるかは彼らのフィルタによるものなので、こういった疑問が出てくるのも当然だと思います。
返信する
反論には根拠を示して頂かないと (白河)
2006-02-05 12:20:32
コメントはありがたいのですが、もう少し「議論の方法」を意識されながら書いた方がよろしいかと。議論の方法を知らない人が議論し始めるとよく荒れますので。特に「反論」を書く場合には、その「根拠」をお互いに明確にする必要があります。



「このブログで疑問として挙げられている部分は、ほとんど記者会見で丁寧に説明されていると私は感じました」とおっしゃるには、「記者会見を一度見られてから」という根拠では弱すぎます。



今回のりんごさんのコメントに対しては、こう返しておきましょう。



「私も記者会見をノーカットで見ましたが、このブログで疑問として挙げた部分は、記者会見を見ても全く説明されているとは私には思えませんでした。この記事内容と、記者会見での該当部分をよく比較された方がよろしいかと。」



ちなみにまだ記者会見は見られますよ。



返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。