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堀江被告、一審は有罪、実刑2年6ヶ月 雑感

2007-03-17 07:19:35 | ライブドア関連

 まあ、裁判には残酷な側面がある。二審で無罪判決が出るまでは、世間的には「有罪判決を受けた堀江」という扱いを受け続けなければならないのだから。堀江側から何を言っても「でも一審では有罪だったよね」とバッサリ切られる。「堀江教信者 厳冬の時代」が始まる。

 

 今回の判決に対し、皮肉でひと言だけ言うなら、

「人の心は金で買えると言ってたが、裁判官の心は買えなかったね。」

となるだろうが、このひとことでは収まらない「不思議な反応」がちらほら。

 

★ 本気でショックだったっぽい弁護側と本人

 被告側の即日控訴は、有罪だったのだから当然だとして、不思議なのは弁護側と堀江被告自身の反応。弁護士サイドも堀江被告もこの判決が「本当にショック」だったようで、裁判長による判決読み上げ中に、思わず熱いモノがこみ上げたようだ。

 

厳しい断罪、堀江被告「体調悪い」と一時退廷(読売 07.03.16)

(前略)

 強制捜査から1年2か月。一貫して無罪を主張してきた堀江被告は、ほおを紅潮させながら、 厳しい判決に聞き入った。

 午前10時、同地裁104号法廷。濃紺のスーツ姿の堀江被告は手を前に組み、正面を見据えた。小坂敏幸裁判長が一言ずつ、 言い聞かせるように主文を読み上げると、軽くお辞儀をした後、 顔をまっ赤にさせて席についた。

 入廷時には、余裕の表情を見せていた堀江被告だったが、厳しい判決にしばし、 ぼう然とした表情を見せた。気を取り直したように判決文を手にして、唇をとがらせてページをめくったが、時折、傍聴席の方を見るなど、 落ち着かない態度だった。

 午前11時10分、堀江被告は急に胸をトントンとたたきだし、裁判長に「体調が悪いんですけど」と訴えて退廷し、トイレに。 判決言い渡しが一時、中断されたが、5分後に法廷に戻り、読み上げが再開された。

 公判では、冗舌に自己弁護を繰り返したが、判決で、「多額の損害を被った株主らに謝罪の言葉を述べることなく、 反省の情は全く認められない」と批判されると、神妙な表情で裁判長の方を見やった。

 小坂裁判長は、判決読み上げ後、障害を持った子の親から、「堀江被告に生きる力をもらった」 という手紙が裁判所に寄せられたことを紹介し、「裁判所はあなたを有罪と認定しましたが、生き方すべてを否定したわけではない。 あなたの姿に勇気づけられた人がいることを思い、罪を償った上で再出発することを期待します」と語りかけた。閉廷後、 裁判長は何度も堀江被告の方に視線を向けたが、堀江被告が目を合わせることはなかった。

(後略)

 

意外な判決、と怒りあらわに堀江被告弁護人(読売 同日)

 16日、ライブドア事件の判決後、堀江被告の主任弁護人の高井康行弁護士が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、 「あいまいな証拠を基に、非常に(根拠の)薄い事実を認定している。残念な判決だ」と、怒りをあらわにした。

 弁護側は、自社株売却益の一部を流用した宮内被告が検察のストーリーに沿った供述をしたと主張、判決も、この流用について 「強く疑われる」と認定した。

 この点について、高井弁護士は「検察の捜査や起訴が厳正さや公正さを欠いていることを認めているのに、おかしい。 実刑判決は常軌を逸している」とし、「堀江被告には事前に、『実刑は考えられない』 と伝えてあった。私にとっても堀江被告本人にとっても意外な判決だ」と述べた。

 堀江被告は判決を前に読売新聞の取材に応じ、「会社はもう、適当にやるのが一番いい。 自分の利益を追求していたら捕まらなかったと思うし、もう捕まりたくないんで、あんまり人のことは考えないようにしようと思ってます」 などと語っていた。

 

 実刑だと、保釈金をさらに積まなければならないところがいやなのだろうとしても、彼の個人資産は百数十億円もある(「公判で明かしている」と週刊新潮)のだから、追加で2億円(合計5億円)程度など、痛くもかゆくもないだろうに。だとすると、そもそも有罪だったことが、少なくとも堀江自身にとっては大きなショックだったのだろうか。

 昨日の記事でも引用したが、

── どちらも貸し株については、 重要な部分であるよね。
 はい。
── 記憶は再生できないの?
 はい。
── これは客観的事実ですよね。そうすると、裁判長として君の記憶がどこまで信用していいのか判断できない。 この記憶を再生できないと、君の当時の記憶はかなりあいまいなんじゃないの。

 このやりとりなども含め、「自分が社長として、宮内取締役(当時)の計画に『承認』を与える立場も能力もなかった」という立論(一部のマスコミでは、「バカ殿作戦」と言われていた)が、本当に通ると思っていたのであろうか。彼が無罪になるとしたら、偽計取引や粉飾決算のプロセス自体に違法性を認めないという理由になると私は思っていたが、上記の弁護側の発言を見ても、何に不満なのかがよく理解できない。すなわち、

>あいまいな証拠を基に、非常に(根拠の)薄い事実を認定している。

とは、どこのことを指しているのかということだ。宮内の証言の信憑性が低くなれば、この「バカ殿作戦」が通るとでもおもっていたのか、そこを含めて、よくわからない。

 テレビでは「なんでこれだけ裁判して検察の言うまんまなんだよ~」という、堀江自身のぼやきも報道されていたが、堀江と弁護側は、検察側の何を突き崩したから無罪になると思っていたのだろうか。

 

 「自分はバカだからわかりませーん。だから宮内がやったんです。」という方針を貫く「バカ殿作戦」が通じなかったから、彼らが本気で怒ったのだとしたら、こういう反応こそが彼らが「真性バカ」であることの証拠で、ここをうまく使えば、二審は彼らにけっこう有利に展開するかも知れない(苦笑)。

 

 一応ツッコんでおくと、読売の取材に対しても

>自分の利益を追求していたら捕まらなかったと思うし、もう捕まりたくないんで、あんまり人のことは考えないようにしようと思ってます

と答えているところを見ても、相変わらず堀江は、自分の発言の意味(バカ殿ががんばっているってどういうこと?)が理解できていないとしか思えない。これも、二審で有利に働くか?

 

★ 2chでは「日興と比べて不公平だ!」が多い。お疲れ?

例えば、

【ホリエモン実刑】 「おかしい」「意外な判決だ」「若い人が萎縮する」 堀江被告弁護人、怒りの控訴★3

だと、

29 名前:名無しさん@七周年 投稿日: 2007/03/16(金) 23:29:38 7ynxI2fJ0

堀江は有罪で文句なし
だけど・・・
日興はなんで?誰も逮捕なし?
裁判所は金もらってるの?そうなんだ。だからタイホされないんだ。

48 名前:名無しさん@七周年 投稿日: 2007/03/16(金) 23:38:14 /l0vPl6WO

日興が上場維持で
堀江は実刑
笑えるwww

105 名前:名無しさん@七周年 投稿日: 2007/03/17(土) 00:04:03 PGamXrFnO

金で何でも買えると言った堀江。
金で行政の心を買った日興。
行政の圧力に屈した司法。
八つ当たりで堀江に実刑判決を下した司法。
どいつもこいつも……

 

 このあたりが典型的なところかな。

・ライブドアの上場廃止 と 日興の上場維持  を比べたり

・どちらも事件が終わったときに 両方を比べたり

するのはわかるのだが、日興の方は、これから検察等が動く可能性はある。だから、堀江の判決と、今の日興を比べることはおかしい(お前らは未来のことがわかる神か?)。その辺を混同して論じているところに、堀江教信者の必死さと焦りが透けて見える。

>裁判所は金もらってるの?そうなんだ。だからタイホされないんだ。

 こういう系も多かったが、堀江の資産は百何十億円。日興は裁判所に二百億以上積んだということか?日興の関係者が今後起訴される可能性を無視して、何でも「カネ陰謀説」で片づけようとするのも、堀江信者らしい。

 「ライブドアのやったことは違法行為ではない!」という方向での擁護は、あったにせよ、かなり少なかった。裁判まで来ると、こういう擁護の方がはるかに「実質的な応援」になると私は思う。そして、この私の仮定が正しければ、やはり、人の心はカネだけでは買えないのである。「言葉」や「誠意」など、カネ以外のモノが大きく影響する世界もあるということだ。ま、これで冒頭の「皮肉」に戻っていくわけだが。

>八つ当たりで堀江に実刑判決を下した司法。

 こういう発言が、最も「負け犬の遠吠え」度が高い。「判決要旨のここを見ても」などの根拠がない限り、

ああ、こいつらって、自分が納得がいかないことは全て「八つ当たり」レベルの解釈しかできないのだな。

と思われるのが関の山である。まあ確信犯としてやっているのなら、私がこう言う筋合いはない。「信者必死だな」で終わりだ。

 

 

★ 判決の最後に出てきた「障害者ネタ」

 内容は各自調べてほしい(あぁ、上の読売の記事の最後の方にあったか)。もう、いい加減に、障害者を道具にするのはやめてほしい。はっきり言って反吐が出る。こんな手紙を裁判長に送った親に、どういう意図があったのだろうか。「障害者を元気づける堀江はすばらしい」という意図だったとすれば、障害者を、非障害者とは違った特別な存在として見ていることに他ならない。

 こんな言い方をしておこうか。「障害者を元気づけられる人はすばらしい」ということは、「障害者は、非障害者と比べて元気づけにくい」ということか?傲慢になるのもいい加減にしろ!と、このクソ手紙を送った親に言いたい。

 情状酌量を求めるこういう手紙を裁判長に送るのなら、元気づけられてた子どもが障害者であるかどうかは全く関係ないはずだ。

 裁判長も、こういう話を「美談」として扱うことの根底に、障害者差別意識があることに気づけよ。

 

 

★ 今後の「民事裁判」の方が怖くないか?

 今後、ライブドア自体からの損害賠償請求や、被害を受けた投資家たちからの裁判など、民事裁判も目白押しとなるだろう。結果はもちろんわからないが、敗訴が続けば、百数十億円の資産など一気に吹っ飛んでしまうかも知れない。

 そうか、だから保釈金を積むのがイヤだったのか。でも、こういうことを予想していたら、新潮が書いていたように、未だに家賃200万円の部屋に住んでいるってことはありえないよね。

 やはり、堀江は無罪を心から信じていたのだろうか。刑事裁判で無罪判決が出て、それが民事にも「いい」影響を及ぼすだろうと…… (ry

 

 

★(余談) サディスティック小坂裁判長

 これはけっこう前の新潮ネタだが、宮内元取締役の裁判で、宮内被告が公判中涙を流したときも、

「何なの?その涙の意味は何なの?」

と、きついツッコミをかましていたとのこと。強烈だ。裁判所だよ?理知的に涙の意味を説明できるなら泣かないって。

 私も、演劇で演出をするときにはぜひ言ってみたい。

「何なの?その涙の意味は何なの?」

 

すいません。言ったことあります。 _| ̄|○

 

 

★ まとめ

実刑が出たことより、被告側のあわてぶりの方が3倍驚きだ。

 

★ メモ

この期に及んで、「新時代の旗手としてのホリエモン」って…まだ思ってる人がいたのか。まあ2chをみてもうじゃうじゃいるのは当たり前か。

 

 


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