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日本が震災復興に汲々(きゅうきゅう)としている間にも、中国は尖閣諸島を狙っている

2011-06-17 05:47:24 | Weblog

しかしまあ放射線ネタを扱うとアクセス数が大きく上がるというのは複雑な気持ちである。一人でも多く、放射線について定量的な考え方を身につけてほしいと願うばかりだ。昨晩のnews23では、学校給食の食材の放射線量がわからないので、母親たちが自分の子どもに弁当を持たせている動きを紹介していた。弁当を持たせる児童の分だけ細かく材料費を低くすることはきわめて難しいであろうから、そういう家庭でも、正規の給食費を払っていればいいのだが・・・たぶん払わないんだろうなあ。

 

さて。日本が大震災からの復興が一向に進まないまま、菅総理が糸の切れた凧のようにハイテンションになったりして、被災者の方々ではなく、私から見ても、何とも言えない展開になりつつある。ただ、日本が復興に向かってできるだけ効率的に人・物資・技術・予算を振り分けなければならない間にも、中国は日本の尖閣諸島を狙っている。その準備というか同時進行的なプロジェクトとして、本来ベトナムの領土であったはずの西沙諸島、南沙諸島を実質的に支配する体制を整えた。

ネットには載っていなかったが、今年6月6日の朝日さんの記事から。シンガポールで開かれていた、「アジア安全保障会議」のレポートである。

 

南シナ海 「核心的利益」 アジア安保会議 中国軍幹部(朝日さん 2011.06.06)

 中国軍国防大学教授の欧陽維・大佐が5日、シンガポールで朝日新聞の単独取材に応じ、ASEANの一部と領有権を争う南シナ海について、「歴史的にみて中国の主権だ」と述べ、「核心的利益」にあたるとの考えを示した。

 欧陽氏は、アジア安全保障会議の中国国防団のメンバー。中国政府高官が外交交渉の場で、南シナ海が領土の保全上、台湾やチベットに匹敵する、最も重要な「核心的利益」にあたると伝えられたことがあるが、公式には認めていない。中国軍幹部が直接メディアに認めたのは初めて。

 また南シナ海で5月末に中国監視船がベトナムの調査船の装備を壊した事件については、「中国の管轄海域における正当な法執行だ」と強調した。
(シンガポール=峯村健司)

 

中国、表向きは平和路線(朝日さん 2011.06.06)

 「みなさん、真剣に話を聞いてくれてありがとう」。5日、演説を終えた梁光烈国防相は立ち上がり、会場に向かって拍手を振ると、満席の会場から大きな拍手が上がった。中国の存在が際立った会議を象徴するような締めくくりだった。

 演説では、「平和」「協力」を繰り返し使った。「防衛的戦略は不変で、永遠に軍拡や覇権を求めない」という中国軍の基本戦略を披露。宇宙、海洋、サイバーなどの分野で「積極的で建設的な国際協力を進めたい」と述べ、会議の最大の焦点である南シナ海問題については特に時間を割いて説明した。

 「関係国と対話による協議を進め、平和的な方法で解決したい」と協調。米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)が懸念する航行の自由についても、国際法の原則を尊重することを約束した。一方で「関係国との安定や信頼を壊す、いかなる行為にも反対する」とも述べ、アジアへの軍事的関与を強める米国に釘を刺すことも忘れなかった。

 昨年、中国は周辺国の漁船を頻繁に拿捕するなど、強硬姿勢に出た。その結果、加盟国は団結を強めた上、米国の介入を招き、孤立に追い込まれた。そこで今年は、ASEAN諸国の南シナ海問題への立場の違いに目をつけた。

 外交筋によると、インドネシアやシンガポールなど、直接領有権にかかわらない加盟国に対しては、会議や二国間協議の場で、南シナ海問題を提起しないように水面下で圧力をかけた。一方、最大28島を支配するベトナムに対しては、会議直前になって中国監視船が、石油探査用ケーブルを切断したり、漁船を摘発したりする実力行使を強め、ゆさぶりをかけた。「加盟国で団結させず、今後、個別に対話と圧力を強めていくだろう」。外交筋は中国の戦略を説明する。
(峯村健司)

 

 

ベトナム、強く反発(朝日さん 2011.06.06)

 「南シナ海は全般的に安定との発言があったが、実は事件が多く起きている」

 5日午前。演壇に立ったベトナムのタイン国防相が、直前に演説した中国の梁国防相の発言にかみついた。

 タイン氏は、先月末に中国の監視船がベトナム国営石油会社の探査用ケーブルを切断した事件の詳細を語り、「地域の平和安定維持に大変大きな懸念をもたらした」と強調。「中国が平和発展を追求すると言ったことは歓迎する。中国への期待は、唱えた政策内容を実行し、現実の形として示すことだ」と念押しした。

 スプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)両諸島の領有権で対立する中国とベトナムは近年、漁民拘束など小競り合いを繰り返してきた。ただオープンな演説の場で国防相が中国側に強い姿勢を示すのは異例だ。

 「この切断事件が深刻なのは、発生地点が我々の排他的経済水域(EEZ)の内側だったことだ」

 グエン・チー・ビン国防次官も、会議場で朝日新聞記者のインタビューに応じ、ベトナムがこの事件を極めて重視する理由を説明。同種の事件がEEZ範囲外では「数回起きていた」と明かし、中国が強硬姿勢に出ているとの見方を示した。

 5日朝には首都ハノイの中国大使館前で抗議集会があり、反中感情も高まる。

 南シナ海をめぐっては、3日からの会議直前、フィリピンでもスプラトリー諸島で中国が建造物を新設する「事件」が発生。対立が先鋭化し、会議でのやりとりが注目されていた。

 ただベトナムを除くと、ASEAN諸国から強い批判の声はなく、南シナ海での紛争の平和解決を盛り込んだ「行動宣言」を拘束力のある「行動規範」へと格上げすることについて、マレーシアやインドネシアが中国に歩み寄りを求めただけだった。
(塚本和人、中野渉)

 

 

南シナ海の南沙諸島、西沙諸島については、今年2/5の朝生でも話題になっていた。googleマップの地図を編集して載せる。

 

<(C) google>

 

上の図で、wikiによると、西沙諸島(パラセル諸島)は、現在中国が実効支配しているが、ベトナムと台湾も領有権を主張している。南沙諸島は、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾、中国が領有権を主張している。島の数が多いので、実効支配している国も多く、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシアである。

 

尖閣諸島と同じで、想像力のない人間は

「なぜそんなところで領有権を争ってんの?ほしかったらあげちゃえばいいじゃんそんな小さい島!(by堀江貴文、2/5)」

と平気で言うだろうが、近海の漁業権や、海洋・海底資源の採掘権、そして有事においてはどこまでが領海になるかなど、これらの島をめぐり、大きな利害関係がからんでくる。上の3本のニュースは、「ASEANとしては西沙、南沙問題に関しては干渉しませんよ」と言っていることを報道しているわけで、ASEANがこういう態度に出たことで、中国の南シナ海における支配圏が大きくなる。中国による、ASEAN分断工作が功を奏したわけだ。

 

その一方で尖閣諸島である。上の地図で赤い丸をつけたところが、尖閣諸島の位置である。一見すると西沙・南沙諸島とは関係ない位置関係に見えるが、今後、中国が台湾を併合するような動きに出る場合には、東シナ海~南シナ海沖合で、中国の支配地域が大きく広がることになる。ここで、海底から石油や天然ガスが出るとなると、原発に対してこれだけ激しい逆風が吹いている中で、中国にとっては実に大きな「核心的利益」を生み出す地域となるわけだ。

そして、言うまでもないが、仮にアメリカや日本と事をかまえる場合にも、この地域を押さえておけば、日本の南をすり抜けるような形で船や潜水艦が航行できるようになるのだ。

 

もう忘れている人も多いと思うが、尖閣諸島近海には、天然ガスのガス田があり、この採掘権をめぐって、まだ中国と最終的な折り合いがついていない(折り合いをつける必要があるかどうかは一度置いておく)。原発に逆風が吹いている今の日本にとって、尖閣諸島をめぐる領有権の駆け引きは、エネルギーの一点だけを見ても、きわめて重要であるはずなのに、政府がこの件で動いているという情報はなかなか探せない。

その一方で、中国はさらに動いている。

 

中国ついに尖閣上陸!それでも抗議できない弱腰外務省(ZAKZAK 2011.06.09)

 中国海軍の艦艇8隻が8日、沖縄本島と宮古島の間を通過した。昨年4月にも駆逐艦や潜水艦など10隻が同じ海域を通過し、沖ノ鳥島近くで訓練を実施しているが、気になるのは、来週17日の沖縄返還調印40周年や、中国側が領有権を主張する尖閣諸島との関係だ。松本剛明外相率いる外務省は「抗議しない方針」というが、弱腰外交を続けて大丈夫なのか。

 防衛省によると、8日午前0時ごろ、補給艦と潜水艦救難艦など3隻、正午ごろにはミサイル駆逐艦とフリゲート艦など5隻が通過したのを海上自衛隊の護衛艦が確認した。いずれも沖縄本島南端と宮古島の中間地点の公海上を抜けて南下している。潜水艦は確認されていないが、潜水艦救難艦が含まれていることから潜伏している可能性が高い。

 中国の呉勝利・海軍司令官は一昨年4月の海軍創設60周年の観閲式で「海軍の5大兵種(艦艇や潜水艦など)は毎年数回部隊を組織し、遠洋訓練を行う」と宣言した。

 防衛省・自衛隊では、中国海軍が今年4月に昨年と同様、上海沖で演習を実施したため、その後、艦艇を遠洋訓練に展開させる可能性があるとみて警戒を強めていた。

 外務省は「公海上で国際法上問題はない」として中国に抗議しない方針というが、この弱腰姿勢は不安がある。

 松本外相は東日本大震災後、ロシアが救援隊や救援物資を送ってくれたため、同国が北方領土の駐留部隊増強計画を進めたり、日本領空に戦闘機を接近させる挑発行為を行っても、「お見舞いの言葉や支援の申し出をいただいているので…」と抗議をしなかった。このためか、ロシアのイワノフ副首相は先月中旬、堂々と北方領土を訪問しているのだ。

 今回気になるのは、中国海軍が沖縄近海を通過した時期だ。

 来週17日は沖縄返還調印40周年。以前から、尖閣諸島の領有権を主張する華人系団体は同日、600隻から800隻という大船団を組んで、魚釣島に上陸する計画を立てていた。震災で「中止になった」といわれているが、中国海軍の動きと何か関係があるのか。

 「月刊中国」日本語版の主編、鳴霞氏は「当然、沖縄返還調印40周年を意識した動きです」といい、こう続ける。

 「中国海軍は東シナ海で軍事演習を繰り返している。来年10月には空母も就航させる。国内の不満をそらすためにも、チャンスがあれば、釣魚島(尖閣諸島の中国名)の領有を狙っている。華人団体は17日に香港で、釣魚島奪還の大会議を開き、世界各国でデモを予定している。震災のため、大船団の上陸はないでしょうが、数隻で尖閣上陸を狙う可能性はある。外務省が抗議しなければ、中国はどんどんエスカレートします

 日本固有の領土が危機にさらされている。(ここまで)

 

そう。今日がその「6月17日」である。日本にとっては運が良いことに、沖縄近海は悪天候だが、中国(人)や香港(人)がどう動くか、全くわからない。

 

そんな時に、総理大臣の菅直人は、支援者を前に妙なハイテンションで踊るように演説してご満悦なのが今の日本の状況である。

 

<昨日のニュースJAPANより>

 

いつ辞任するかは置いておくにしても、総理である限り、これだけ気の抜けた表情がなぜできるのか、さっぱりわからない。

 

これでも、「菅に協力しろ」と言うのか?うつみ宮土理さんよ(苦笑)。思考停止もたいがいにしてほしい。



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