昨日のNHK「ニュース7」より。
重要事実1:石原慎太郎と平沼赳夫が、「太陽の党」の「共同代表」に就任
重要事実2:石原は、「このままではこの国は沈むという民意が一番強い」と認識している。
重要事実3:石原は、いわゆる「第三極集団」を、「必ず選挙前に大同団結する」と宣言している。
重要事実4:石原は、「自民党・公明党が、次の総選挙で過半数を取ることは許せない」と言っている。
次に、「維新の会」の橋下徹の反応。
重要事実5:橋下は、「まずは政策協議が第一」と述べ、「すぐに大同団結すること」については否定的である。
次に、11月4日の産経新聞より。
第三極結集、遠い「薩長連合」 橋下氏「『真正保守』とは組めない」(産経新聞 2012.11.4 01:09)
石原慎太郎前東京都知事と橋下徹大阪市長が、3日の会談の場に京都ホテルオークラ(京都市中京区河原町御池)を選んだのには、ちょっとしたこだわりがあった。京都は幕末に志士が活躍した舞台であり、同ホテルのある場所は、明治維新を担った長州藩が屋敷を構えていた。ホテルの北西角には「維新の三傑」で有名な桂小五郎(木戸孝允)の銅像がある。
石原新党の党名を当初、「日本維新の会」と考えていた石原氏と、「日本維新の会」を実際に党名にして代表に就いた橋下氏。平成時代の維新につなげる「第三極連合」結成ののろしを上げるのにふさわしい場所だったというのだ。
しかし、前途は多難だ。幕末では長州が薩摩への宿怨を捨てての「薩長連合」となったが、「第三極連合」の場合は状況が異なる。
石原氏「大変良好!」
たちあがれ日本・平沼赳夫代表「(進展があったかを)話す必要はないよ…」
古くからの同志が語った会談後の感想は対照的だった。帰りのJR京都駅でも、苦虫をかみつぶしたような表情の平沼氏に、石原氏が「生みの苦しみだなあ」と漏らした。
会談では、石原氏が「中央集権の支配から変えるのはこの機会しかない」と「官僚支配打倒」による大同団結を呼びかけた。
橋下氏は、この場でもたちあがれ批判を展開した。
「『真正保守』とか言っているメンバーとは組めない!」
「大変失礼だが、石原御大もたちあがれとはカラーが違うじゃないですか?」
「真正保守」について、平沼氏が「日本の伝統・文化を守りたいという意味で言っているのだ」と説明しても、橋下氏は「政策の決定基準にするのは違う。もっと合理的に決めなきゃ」と攻撃を緩めなかった。
同席者の一人は「平沼氏が怒ると思ったが、黙って聞いていた」という。
たちあがれ内には、橋下氏について「政策が違う」「本当の保守なのか」との異論があったのは事実だ。しかし、たちあがれは「石原新党」への合流を機関決定した。石原氏が突き進む橋下氏らとの連携を拒否する選択肢はもはやない。
それでも、石原氏とたちあがれを「分断」しようとするような橋下氏への警戒は強まっている。たちあがれの片山虎之助参院幹事長は3日、TBSテレビで、「たちあがれは石原氏の勧めでできた。石原氏と別れるのは、たちあがれの全否定になる」と語った。
かつて「石原新党」構想を主導していた亀井静香前国民新党代表は3日、テレビ東京の番組で、「日本の緊急の問題についての合意もなく一緒にやろう、と言っても新党はできない」と石原、橋下両氏の連携の動きを批判した。
亀井氏はさらに続けた。
「新党なんて『too late』(遅すぎる)だ。石原は『上から目線』で国民も同志もバカにしている。大阪の市長あたりに釣り上げられて…。今のままでいったら、ヒトラーを生んだ(首相に起用した)、ヒンデンブルク(ドイツ)大統領の役割になる」(今堀守通、原川貴郎)
さらに、10月31日の産経新聞より。
「石原新党」「維新」雲行き怪しい第三極連合(産経新聞 2012.10.31 23:15)
石原慎太郎東京都知事の呼びかける「第三極連合」が怪しくなってきた。石原氏は各党が官僚支配打破という「大同」につき「小異」を捨てての結集を唱えているが、日本維新の会の橋下徹大阪市長は31日、「石原新党」の母体となるたちあがれ日本に「カラーが合わない」と拒絶反応を示し、石原氏にとっての「小異」を持ち出した。橋下氏の批判に、たちあがれは冷静に努めようと必死だが、週末に予定されている石原、橋下両氏とたちあがれの平沼赳夫代表による会談は紛糾しそうだ。(山本雄史、原川貴郎)
橋下氏は市役所で記者団に対し、石原氏個人とは「コミュニケーションは取れている」と良好な関係を強調した。一方でたちあがれを「世代間のギャップを感じる」と断じ、「『真正保守』にこだわるのなら、そういうグループでされた方がいい。先に保守を掲げて政治行政をやる時代ではない」と言い切った。
たしかに、たちあがれ所属国会議員5人の平均年齢は72・2歳で、橋下氏は43歳という若さ。ただ、石原氏はたちあがれの5人より年長の80歳だ。
たちあがれ幹部は「われわれよりも高齢の石原氏はどうなるのか。『カラー』を言うが、まだ橋下氏と会ったこともないのに」と苦言を呈した。別の幹部は「橋下氏独特のジャブだろう」と、橋下氏がたちあがれとの協議を有利に進めようとの思惑だと解説する。
しかし、維新幹事長の松井一郎大阪府知事は、政策の不一致に関連して、たちあがれに対し、橋下氏よりもさらに攻撃的だ。
「石原氏は橋下氏と会談した際に、維新が掲げる『2030年代に原発ゼロ』に賛同した」
松井氏は31日の記者会見で、「脱原発」を批判してきた石原氏の“転向”を暴露し、「石原氏とたちあがれは政策的に一致していないのが伝わってきている」と述べた。
さらに、平沼氏らとの政策協議には応じるとしたものの、「小異を捨てて大同につくというが、エネルギーや地方分権は(維新にとって)小異ではない」とも発言した。
一方で平沼氏は「この国を根底から変えていく流れはすでに一致している」と、「石原新党」と維新との「大同」に期待感を示していたが、支持者の中には「人権擁護法案や外国人参政権問題での橋下氏の立場は、たちあがれの考えと相いれないのでは」という考えも少なくない。
平沼氏の政治信条でもある「真正保守」を真っ向から否定し、石原氏だけを引き抜くような発言をするなど「無条件降伏」を迫るような橋下氏に対し、抑えられつつあった、たちあがれ内の憤(ふん)懣(まん)が再び噴き出す可能性もある。
そして最後に、11月1日のスポーツ報知の記事から。
橋下氏「思考停止している」たちあがれ日本を批判(スポーツ報知 2012年11月1日19時21分 )
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は1日、新党結成を表明した石原慎太郎氏を称賛する一方、新党の母体となる「たちあがれ日本」に関し「思考停止している。力は全く必要ない」と批判を強めた。前日の「カラーが違い、世代間ギャップを感じる」との発言をヒートアップさせた。
これに対し、たちあがれ日本幹部は「思考停止はしていない」と反論する一方、「気にしないことが肝要だ。まずは会って話をすることから始まる」と述べ、政策協議を早急に行うべきだとの認識をあらためて示した。
橋下氏は「『真正保守を掲げているからこう決定する』というロジックについていけない。物事をどう解決するかという考えがない」とたちあがれ日本を酷評。石原氏については「80歳だが世代の違いは全く感じない。第三極のボスは石原氏で、シンボルになるのは間違いない。力を借りたい」と重ねて指摘した。
石原新党との政策協議については「第一印象では合わないと思っているが、話し合いは拒絶しない」と述べた。市役所で記者団に答えた。(ここまで)
石原慎太郎の会見と、上の3つの記事から、「太陽の党」なる「石原新党」が、一体何を「基本政策」として目指しているのかが理解できる人がもしいらっしゃったら、ぜひコメント欄で教えていただきたい。
例えば、真ん中の新聞記事で、松井大阪府知事が
>「石原氏は橋下氏と会談した際に、維新が掲げる『2030年代に原発ゼロ』に賛同した」
と言ったとされているが、石原慎太郎は、「2030年代に原発ゼロにしないと日本は沈む」と言っているのか??ハイもう一回映像を。
・・・全く意味がわからない。マスゴミが大量に「ゼロベクレル信者」を生み出したせいで、除染の必要がない地域まで繰り返し必死に「除染」せざるを得なくなった(これもバカ民主党の最もバカたるポイントだが)せいで、「原発のコスト」を天文学的に増大させようとする、差別新聞と毎日さんを始めとする「原発反対が正義!」と信じて疑わないゴミに釣られて、それを、「民主も自民もダメ!」と無根拠に、これまたマスゴミに思い込まされている「衆愚」を釣るために、単位質量あたり100万倍以上もエネルギー効率が高い原子力発電を、いとも簡単に捨てることのどこが、
「この国が沈まなくてすむ」
という結論になるのだろうか。「2030年代に原発ゼロ」を本気で目指す方が、よほど「日本を沈める」最も効率的な方法である、ということに、この石原慎太郎が、全く気づいていない。それをこの会見で認めている、ということだ。
「真正保守」という言葉を、言葉遊びのネタとしていじるのも、どうでもいい話だ。ポイントは、たちあがれ日本が言う「真正保守」の定義と、その定義から導き出される「具体的政策」である。それが、例えば
・外国人に地方選挙の投票権を与えないこと。
・いわゆる「人権擁護法案を成立させない」こと。
であるならば、これらの方針は、維新の会と真っ向から異なる。
方針が真逆である二つの集団が、「大同団結」をしたからと言って、誰がそういう「集団(もはや、「政党」ですらない)」を、誰が「立法者」として「信用するか」ということである。
昨日の石原の会見では、その点もきれいに無視していた。あたかも、「平沼とオレ(石原)が共同代表を務めることで、オレに免じて平沼は維新の会と連合してくれるよ」と、いわば「空気」で語っているかのようである。
・・・そんなレベルの「合意」で、少なくとも現在の自民党以上に、「同一政党」として、首尾一貫した政策を連発できるわけがない。←ここも反論があればどうぞ。
だから、石原新党には、全く「支持」すべき根拠が見当たらないのである。ヘタをすると、この3年間、自分たちで予算をブクブクに膨張させておいて、
「将来世代に負担を先送りしない!(キリッ!!」
などと平気で国会答弁している、民主党の野田政権よりはるかに「ひどい」政治をしかねない危険性が極めて高い(予算を増やし、その分国債を急激に乱発したのはどこの党なんだよ)。
まとめ:「政策の方針が集団によってぐちゃぐちゃに異なる」集団どうしが、いくら「大同団結」をしても、政治はろくなことにならない。1990年代の、あの最悪だった「細川護煕政権」のことを、石原慎太郎はきれいに忘れているのだろうか。だとしたら、そういう、危機的な認知症の方を、政党の代表として、しかも「中心」となって引っ張ろうとしている姿は、ただただ痛々しいだけである。
というわけで、「太陽の党」とやらは、その「方針」を根拠にして、「全く支持できない」と結論づけておこう。
さて、この後予想される「空中瓦解」もしくは「何をやるのか全くわからない集団の誕生」をじっくり見ることとするか。
石原慎太郎氏による新党結成の発表以来、保守・憂国系のブログの多くが、「石原新党の下に保守結集が行われ、やがては来る安倍政権を支援することになろう」との趣旨で記事が書かれ、それに賛同するコメントが幾つも寄せられているのが目に付きます。はたして維新の会と正式に合流した石原慎太郎氏がそのような行動を起こすのでしょうか。彼の言動を察すれば、安倍晋三総裁率いる自民党を破り、あわよくば自分が総理の座に就きたいという願望が滲み出ているように思われます。選挙結果いかんでは、犬猿の仲の小沢一郎氏との連携も考えられなくもありません。また、自民党と第3極が保守票を食い合い、民主党が漁夫の利を得ることもあり得ます。どうやら石原慎太郎という人に過度の期待を抱くのは禁物なのかもしれません。
いえいえ。逆にこちらが恐縮してしまいます。ようこそいらっしゃいました。
>石原慎太郎氏による新党結成の発表以来、保守・憂国系のブログの多くが、「石原新党の下に保守結集が行われ、やがては来る安倍政権を支援することになろう」との趣旨で記事が書かれ、それに賛同するコメントが幾つも寄せられているのが目に付きます。
・・・まじですか。全然知りませんでした。そもそも橋下一派を「保守」と呼べるのかということに対する問題意識が低すぎます。その「自称保守・憂国系」の方々のリテラシーが低すぎるとしかいいようがありません。
今年9月19日の産経新聞から。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120919/plc12091913010020-n1.htm
>新党「日本維新の会」の代表を務める橋下徹大阪市長は19日、尖閣諸島や竹島の問題に絡み「中国、韓国が何を怒っているのか、しっかり過去の戦争を総括すべきだ。恨みを持たれてもしょうがないこともある」と述べ、問題解決には過去の歴史の再検証が不可欠との認識を示した。
◆「アジア史を、日本人は知らな過ぎ」
>橋下氏は「日本人はアジアの歴史をあまりにも知らな過ぎる。今の日本の体たらくが、竹島、尖閣の問題に結び付いている」と強調した。
>同時に「敵を知って己を知らないと、自分の主張を通すことはできない」として、こうした問題につながる日本の歴史を国民が正確に理解しておかなければ、中国や韓国に対抗できないとの認識を示した。
橋下がいわゆる「保守・憂国」かどうか以前に、政治家の発言として
「しっかり過去の戦争を総括すべきだ。恨みを持たれてもしょうがないこともある」
と明言している時点で、政治家が「歴史」を「総括」することの意味が根本からわかっていない、と言わざるを得ません。
「河野談話」であれほどバ韓国と日本のネトサヨとニセ日本人が鬼の首を取ったようにギャーギャーわめいているのですから、歴史問題は、安倍総理のときに安倍総理が明言した、
「歴史問題について、政治家が総括すべきではない」
がファイナルアンサーにしかなりえません。強いて言えば、河野談話の明確な否定が必要、ということになりますね。なぜなら、河野談話を勝手に「政府が認定した歴史」として極大化する「歴史固定主義者」からの、無限の叫びを封じ込めなければ、「冷静な歴史」を、「歴史家や一般国民」が論じる環境すら存在し得ないのですから。
というわけで、石原慎太郎が、橋下一派と組まずに、明確に「原発支持」というメッセージを発していれば、自民党支持者と票が割れるリスクが大きいでしょうが、現時点では、いろいろな意味でリテラシーが低い人が、「空気」とやらでこの「なんでもあり烏合集団」に投票するぐらいでしょう。
だからと言って自民党支持者が安心している余裕も全くありません。差別新聞や毎日さんを始めとして、勝手に自社が決めた「結論」から逆算して、自民党を必死に叩く「記事」(本当は記事などではない)を連発するでしょうから。
この期に及んで、石原慎太郎を「保守だから」という根拠で支持している人間は・・・ま、IQが低いということですね。このブログ程度の思考もできていないのですから。