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コンタクトレンズ学会2012 in Yokohama

2012年07月17日 09時55分06秒 | コンタクトレンズ

みなさん、こんにちは

今回のブログは学会で勉強してきた内容を備忘録的にまとめたものです。内容的には専門的な内容が多いし字ばっかりですのでスルーしていただいても結構です2年に1回程度はコンタクトレンズ学会(以下CL学会)に参加するようにしています。今回の一番のトピックスはカラーコンタクトレンズの眼障害についてでした。

以前ブログにも書いたことがあるのですが、いわゆるおしゃれ用カラーコンタクトレンズについては、「薬事法施行令の一部を改正する政令」(平成21年政令第15号)により、視力補正を目的としないコンタクトレンズ(以下「非視力補正用コンタクトレンズ」という。)を薬事法第2条第4項に規定する医療機器として定め、平成21年11月4日から「医療機器」として取扱うことになりました。
(中略) 
平成23年2月4日以降は、薬事法第14条第1項の承認を取得していない非視力補正用コンタクトレンズの製造販売、販売・授与等の全てが禁止となりました。

しかし、現実には多くのおしゃれカラコンが申請をし承認を得て度入りも含めて販売を続けています。しかし、酸素透過率の悪さからの眼障害が多くあります。今後こういったことがなくなるようにコンタクトレンズ学会が中心になってコンタクトレンズによる眼障害が生じた場合にCLの不具合による眼障害を認めた場合には、医師は厚生労働省医薬食品局安全対策課に「医療機器安全性情報報告書」を提出を積極的にしトラブルの多い商品については製造・販売メーカーに是正していただくような措置をとってもらうようにということになりました。 コンタクトレンズ処方をする医師の方は是非ご協力下さい。詳細は  http://www.clgakkai.jp/general/color_cl.html

で説明と書類のダウンロードが可能です。

その他、勉強してきた内容をいくつか書きます。

下の動画は、イワサキ眼科の岩崎直樹院長がセミナーで発表した内容です。ソフトコンタクトレンズ(以下SCL)ケアについてどういった選択をしまた指導していくのか?またそれぞれの注意点。ユーザー目線で考えたケアという題材での発表でした。

ソフトコンタクトレンズケアのアップデート

 

 

☆スマートハイドロゲルを用いた薬物徐放コンタクトレンズの開発

これは、ソフトコンタクトレンズを介した緑内障薬のドラッグデリバリーシステムで通常の点眼に比べ薬剤の効果が確実で効果も強くできる可能性があるとの発表でした。実現できれば非常に便利になりますね。

☆先天性白内障術後の無水晶体眼に対するハードコンタクトレンズ処方の経過報告

先天性の白内障で水晶体摘出をし非常に強い遠視になった乳幼児に対してハードコンタクトレンズ(以下HCL)処方をした7例についての報告でした。両眼性の白内障術後の報告でしたが長期的にも視力改善が良好でありHCLは術後の無水晶体眼の視機能の発達を促せる安全性の高い治療法でした。

☆ペルシード角膜変性に対するHCL処方(2つ)

この疾患は円錐角膜の親戚みたいな疾患なんですが強い倒乱視が問題になります。1つの施設ではバックトーリックという特殊HCLをもう1つの施設ではツインベルというHCLを用いた処方をし良好なフィッティング・視力を得ることができていました。

☆光干渉断層計(OCT)を用いたカラーコンタクトレンズの観察

おしゃれカラコンの中には色素がサンドイッチ状にレンズ内に封入されておらずレンズ後面にあり角膜障害が発生する例があります。OCTという検査機器を使ってカラコンの色素沈着の部位を確認できるとのことでした。本来は各カラコン製造販売するメーカーが情報公開すべきだと思うんですけどね~

☆角膜ヘルペスの診断と治療

上皮型・実質型の分類と基本的な復習から、アカントアメーバ角膜炎との鑑別方法、その他鑑別診断が必要となる疾患(偽樹枝状潰瘍を呈するもの)の紹介と非常にわかりやすい内容でした。アシクロビル耐性の角膜ヘルペスの紹介もありました。そういえば15年以上前に阪大病院の角膜外来でシュライバーをしていたときのことを思い出しました。

☆非球面ソフトコンタクトレンズについて

同じ(1.2)の視力であったとしてもぼやけた(1.2)とシャープに見える(1.2)がある。そのぼやけ・にじみを収差と呼び通常のメガネで矯正できないものを高次収差と呼びます。非球面SCLの効果がどの程度あるのか?とう発表でした。高度な近視や遠視の人ほど、また夜間など瞳孔がひろがった状態のときほど効果があるとのことでした。しかしユーザーがどの程度実感できるか?といった程度の差でしかないという報告でした。そのセミナーで

視力  (非球面SCL  乱視用SCL)  ⇔ (球面レンズ) ⇔ (遠近両用SCL) 

コスト   (非球面SCL  乱視用SCL)  ⇔ (球面レンズ) ⇔ (遠近両用SCL) 

上の表は良く見えようと思えば左のレンズが望ましいんだけど、遠近などはぼやけた感じがするけど見える範囲が広くなる。

コストについては両端のレンズが高付加価値レンズで高くなる、真ん中の球面レンズが安くなる。もちろん基本的なことではあるがユーザーのニーズをしっかりと聞きとりレンズ処方するようにしなければと改めて認識しました。

今年は専門医更新のため多くの学会参加が必要となり4月の日本眼科学会(東京)、6月の眼内レンズ学会(東京)、7月のCL学会(横浜)と関東方面への出張が多くなりました。しばらくは学会も行かずにすみそうです 

 

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