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アゾルガ配合懸濁性点眼液 新発売  =緑内障点眼薬 合剤について=

2013年11月22日 14時52分05秒 | 一般眼科

みなさん、こんにちは

緑内障治療薬の新薬が発売されましたのでご報告します

緑内障とは、視野障害を生じる疾患であり眼圧を下げることで進行を抑えることができるとされています

話が長くなりますが一回ここで整理しておきましょう。

眼圧とは眼球の硬さです。眼球の中には房水と呼ばれる水が流れておりある程度一定の硬さを保っております。

一般的には9-21mmHg程度が平均値とされています。

 

眼圧を下げる治療薬には代表的なものは3種類あります

専門用語になりますが

βブロッカー                 房水産生の抑制

PG製剤                    房水流出の促進

CAI(炭酸脱水素酵素阻害剤)        房水産生の抑制

その他の機序もありますが、、

で、1つの点眼薬で眼圧を下げる効果が不十分な場合は、(1)+(2)  (1)+(3)  (2)+(3) (1)+(2)+(3)と組み合わせて使っていきます。

一般的に考えられているのは3種類の眼圧降下剤を使用しても十分な効果が得られない場合は、レーザー治療もしくは外科的手術が選択されます

今回、発売された「アゾルガ配合懸濁性点眼液」はのチモロールとのエイゾプトを組み合わせた合剤となります。

上の写真の2剤の効能を1本にしたのが下の点眼薬です。





では合剤になることのメリットを考えてみましょう

点眼回数が減る! 

 2種類ともに1日2回点眼が必要。2種類以上点眼する場合は点眼の間隔を5分以上開ける必要がありました。

 点眼回数が減ることで、点眼をし忘れることがなくなりそうですね。

 もう1つ点眼薬には防腐剤が含まれていますので防腐剤に暴露される回数も半減できます。

薬価が安くなった!

 今回のアゾルガ配合懸濁性点眼薬の薬価(薬の値段)はエイゾプトと同額です。

 2種類分けて処方されると当然2種類ともの値段が必要ですが、今回の薬価の取り決めでは価格が据え置かれてます。

 ちなみに薬価は1本あたり2191円 3割負担の方であれば1本あたり660円ぐらいですね。

 

参天製薬から発売されているコソプト点眼薬も今回発売されたアゾルガ配合懸濁性点眼薬と同種同効薬とされてます。

本日(平成25年11月19日)

より白川分院にて処方可能となりました。

最後に緑内障配合剤点眼の薬価について記載します

βブロッカー+CAI

アゾルガ点眼液    1本5ml 2191円(エイゾプト薬価2191x0.8円+チモロール後発品347.5円)

コソプト点眼液     1本5ml 3340円(トルソプト薬価1445.5円+チモプトール1886.5円)

βブロッカー+PG製剤

デュオトラバ点眼液  1本2.5ml 3386円(トラバタンズ薬価2449円+チモプトール薬価x0.5=943.25円)

ザラカム点眼液    1本2.5ml 3265円(キサラタン薬価1923.25円+チモプトール薬価x0.5=943.25円)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

目に関する相談は当院まで

 

大阪府 茨木市の眼科 白内障・緑内障・飛蚊症・コンタクトレンズ・加齢黄斑変性症 OCT設備もある

 

くぼた眼科 院長 久保田泰隆

 

 

 

 


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アレジオン点眼薬0.05%発売の案内

2013年11月22日 14時26分56秒 | 一般眼科

みなさん、こんにちは

アレルギー性結膜炎(花粉症など)の新薬が発売されますので案内しますね。

現段階では有効性が認められ製造販売承認取得の案内ということで正式な発売日・薬価は未定です。

外観はこんな感じですね。ちょっと地味な色合いで患者さんとはよくキャップの色で点眼薬の話をするんですけど、これって何色?

黄土色?よく言えばゴールド??

アレルギー性結膜炎にはいくつか効能によって分類されるんですけど、この点眼薬の特徴はヒスタミンのH1受容体への拮抗作用を主作用としております。

簡単にいうと「かゆみ」の症状に効果的ということです。

同様の効果を持った点眼薬には「リボスチン点眼薬」「パタノール点眼薬」があります。

その中で他の製品と差別化する特徴として防腐剤(塩化ベンザルコミウム)の濃度を下げたことがあげられます。

防腐剤の濃度を下げることによって角膜・結膜の上皮障害の軽減が考えられます。

結膜上皮障害については、症例数が少ない(各4例のみ)ですが「パタノール点眼薬」よりも有意差をもって少なかったというデータがあります。

ぐだぐた書いてますが、どういうことかというと


花粉が目に入りました。白目につきました

白目(結膜)にはバリア機能といって花粉などの異物が入りこまないような防御反応があります。

結膜がキズができると、花粉症の症状も強くなってしまう!

結膜上皮にやさしい点眼薬はアレルギーの症状も軽減してくれる

 

アレルギー性結膜炎の患者さんは、コンタクトレンズ装用者であったりドライアイを合併した方が多いので結膜は常に傷ができやすい状況です

いうことで、花粉症を含むアレルギー性結膜炎の患者さんには新たな治療の選択肢が増えたということは喜ばしいことですね。

ただ、私はまだ処方経験がありませんし、新薬に義務付けられている市販後調査などで副作用報告などがあれば再度報告します。

治験の時の副作用は130例中3例(2.3%)に異物感・刺激感程度があったとのことでした。

とはいえ、内服薬ではアレジオンよりもアレロック(パタノール)の方が効果が強いと考えられており、また海外ではアレジオン点眼薬は数年前より発売されていたものですからよく見極めて使っていきたいですね。

2013.11.22追記

アレジオン点眼液の薬価が発表になりました

1本5mlあたり

アレジオン点眼液 1929円

パタノール点眼液 964.5円

アレジオン点眼液は1回1滴、パタノール点眼液は1回1~2滴使用となっているため薬価が2倍になっているようです。


2015.1.30追記

アレジオンの使用成績調査の中間報告が発表になりました。

クリックして内容を確認することができます。
 

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目に関する相談は当院まで
大阪府 茨木市の眼科 白内障・緑内障・飛蚊症・コンタクトレンズ・加齢黄斑変性症 OCT設備もある
くぼた眼科 院長 久保田泰隆
 

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