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塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 三国志

2014-12-21 06:28:39 | ミュージアム巡り_2014
 三国志とは、後漢王朝の末期、政治の腐敗や黄巾賊の乱によって
社会は大混乱に陥る物語。

 主人公の劉備は、義兄弟の関羽と張飛、それに諸葛亮(孔明)を軍
師に迎え、長江下流域を支配する呉の孫権と同盟を結び、ライバル
である魏の曹操と対決する。

 「桃園の誓い」。これは劉備、関羽、張飛の3人の豪傑が桃園に
おいて義兄弟の契りを結び、戦乱の世を救うべく立ち上がる。

 万暦33年(1605)に刊行された「三国志伝」には、「桃園の誓い」
の挿絵はないものの、3人が出会う場面が描かれている

 また、万暦19年(1591)に刊行された「三国志通俗演義」には、
祭壇の横に3人の姿が描かれている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 全相平話_5

2014-12-20 03:50:02 | ミュージアム巡り_2014
 続いては、「費仲の処刑」。
 この費仲は紂と姐己に媚びへつらって出世した輩で、関係者から
賄賂を窃取して私腹を肥やし、殷王朝の政治が乱れる一因を作った
人物。

 費仲は、武王が率いる討伐軍に捕らえられ“釜ゆで”の刑で処刑
される。描かれた図は、熱湯を満たした大釜と捕捉された費仲。

 そして、最後は紂の処刑と九尾の狐の退治。
 武王が率いる追討軍は、迎え撃つ紂の軍隊を撃破して紂を捕捉す
る。捕らえられた紂は、武王の前で処刑され、姐己は太公望によっ
て退治される。

 これにより乱れた殷王朝の治世が終わり、周王朝によって平和な
世の中が訪れる。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 全相平話_4

2014-12-19 05:45:38 | ミュージアム巡り_2014
 周国の軍略家・呂尚のことを“太公望”と呼ぶが、大元は文王の
祖父である太公が長らく待ち望んでいた(周の中国統一を実現する)
人という意味。

 これが現在では、“釣り好きの人”の代名詞となっている。これは
釣りをしていた太公望・呂尚が文王に見出されたという故事に基づ
いたもの。
 この故事は江戸時代にも知られ、次の川柳に詠われている。
「釣れますか などど文王 そばへより」

 続いては、「伯夷と叔斉の諫言」。
 極悪非道の紂と姐己を討伐するため、武王は稀代の軍師・太公望
を伴い、紂の住む都へ軍を進める。すると、進軍する武王の前に、
伯夷と叔斉の二人が現れる。

 伯夷と叔斉は狐竹国の王子で、跡継ぎ争いを避けるため、文王の
もとへ赴く。伯夷と叔斉は極悪非道といえども、主君である紂を討
伐しようとする武王に反発し、進軍中の武王を不忠であると諫める。
 その後、二人は首陽山に隠棲し、周王朝からの俸給を断り山菜な
どを食べながら生活が続くものの、ついには食べ物がなくなり餓死
してしまう。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 全相平話_3

2014-12-18 05:53:43 | ミュージアム巡り_2014
 妖怪の姐己は、人が苦しみながら死んでいく姿を好んだといわれ
た。そこで紂は姐己を喜ばすため、宮廷内の女官の命をいろんな方
法で奪っていく。

 ここに取り上げてあるのは、「酒池たい盆の刑」。二人の女官を
戦わせ敗者は“たい盆”へ、勝者は「酒池」に入れられた。このたい
盆とは猛毒を持った生き物がいる穴のこと。

 敗者は蛇に噛まれサソリに刺され命を落とす。勝者は褒美として
酒を満たした酒池に入れられ、浴びるほど飲むことが出来る。しか
し、結局は泥酔して溺死してしまう結末が待っている。

 次ぎに「炮烙の刑」(ほうらく)。これは女官を銅の柱に縛り付け、
足下に積んだ薪に火をつけて銅の柱を熱し、女官を炙り焼きにする
というもの。
 明時代(1368~1661)に刊行された「封神演義」にも「炮烙の刑」
が描かれている。この炮烙の刑には二説あり、従来の仕組みのもの
と、橋のように横に渡した銅の柱を下から熱し、その上を罪人が裸
足で歩かせるという仕組みだ。

 次は、比千の処刑。比千は紂の叔父で賢者といわれた立派な人物。
比千は紂の悪逆無道な政治を止めさせようと諫言し、紂の怒りを買
ってしまう。

 紂は“立派な人物の心臓には七つの穴がある”という伝説を確認
するため、配下に命じて比千の胴を切り裂き心臓を取り出すという
むごいことをしてしまう。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 歴史資料の宝庫へ 全相平話_2

2014-12-17 05:47:05 | ミュージアム巡り_2014
 全相平話の続きで、「武王伐紂書」のあらすじは次のとおり。
 紀元前1100年頃、周国の武王が殷王朝の皇帝であった紂を討伐
し、中国を統一する物語。

 殷の紂王は優れた皇帝だったが、絶世の美女・姐己を妃にしてか
ら悪逆無道の君主へと変貌する。実は、姐己は“九尾の狐”という妖
怪だった。

 周国の文王は紂の悪逆無道の政治を止めさせるため軍略家の太公
望・呂尚を軍師に迎え入れ討伐軍を送る。ところが文王は病に倒れ、
代わって息子の武王が遺志を継ぎ、殷王朝を滅ぼし、800年以上続
く周王朝を建国して平和な世を実現させる。

 姐己は紂に嫁ぐため都へ旅立つ。九尾の狐は姐己の体を奪い成り
代わるため、旅館で休息する姐己に襲いかかる。

 また、明時代(1368~1661)に刊行された「春秋列国志伝」(周王
朝を題材にした物語)にも「全相平話」と同様の構図を持つ挿絵が
あり、ここでも九尾の狐が姐己に襲いかかる姿が描かれている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)