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リング禍

2008年05月20日 | ボクシング

何にも書けないまま、17時になってしまいましたが、

どうしても書いておかなければならない事が2つ。




一つはこれ、試合後重体だったボクサー、死亡

 

ボクシングは勿論格闘技である。

格闘技である以上、危険は本人達も承知でリングに上がり、激闘を演じる。

しかし、

ボクシングの歴史は古く、安全の為、本当の拳闘を見せる為、

素手から布巻きへ、そしてグローブへと進化した。

グローブも薄いぺらぺらな詰めモノから、パンヤ、ウレタンへと進化した。

更に、重さ(厚み)も4オンスから6オンス、8オンスへと大きくなった。



ボクサーは、プロアマ問わず、脳波の検査が必須になっている。

少しでも脳波に異常があれば、アマでもリングに上がる事は出来ない。

試合前の健診も受け、問題があると当然棄権扱いになる。


歴史が古い分、それだけ技にしろレベルにしろ一番先端をいっている筈である。
(興行として、客引きの演出という意味では遅れているが)


それは健康管理もしかりだとも思っている。

空手やキックなど、足で頭を蹴るのに、脳波の検査が必須になっていない団体もある。

なのに、リング禍はボクシングに一番起こる。


この現実がとても悲しい。

そして、19日にコミッションから悲しい発表があった。
5/3の試合後入院、開頭手術を受けたが、18日に死亡が確認された。

張 飛 選手(本名 竹内 幹雄)22才。

急性硬膜下血腫


ボクサーに起こりうる、脳に受けた衝撃による、最も多く危険な症状だ。


拳に全身のパワーを集約し、鍛え上げた者同士が殴り合うボクシング。

最も単純な格闘技だけに、奥が深く、技術の向上も目覚しく、防御技術も向上した。

それなのに、未だに起こるリング禍。


「リングで死ねれば本望」 などと、言うだけならかっこいいかも知れない。

事実、私も選手の時は、それくらいの気持ちでリングに上がっていた。

逆に言うと、それくらいの気持ちがないと、やれないのがボクシングという格闘技である。


しかし、起こらない方がいいに決まってる。

弱冠22才。
親、家族の悲しみを思うと居たたまれない。


今でこそ、ヘッドギアを使うアマチュアでは死亡事故は近年なくなってはきたが、過去には死亡例もある。

ヘッドギアなしで戦うプロボクシングでは、その数は比にならない。


減量を伴うからか、安全を考慮してグローブを大きくした為に、
逆にスパッと倒れず、ダメージだけを蓄積してしまうのか、

その原因は、ハッキリ断定出来ていないし、今後も最重点課題として審議が必要だろう。
(世界的にはグローブを小さくした方が事故が減ると考えている傾向)


 

根性スポーツ(格闘技)の代名詞であるボクシング。


相手のパンチを寸前でかわし、精根尽き果てるまで殴り合うからこそ、

美しく、観る人に感動を与えれるボクシング。


そのボクシングで、リング禍が起こらない事を切に願うばかりである。

 

張飛選手のご冥福をお祈りいたします。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
美しいです (かい)
2008-05-20 20:50:30
ボクシング‥実は好きです。極限!って感じがヒシヒシとするから‥
で、ゆ~とF1などのカーレース。
どんな競技より『命』がかかってるじゃないですか~

『過労死』なんてのもありますが‥、

全く次元の違う清いものだと思います。だから、『美しい』のです。
頭が下がります。
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おっはよ! (まっつん)
2008-05-21 08:27:56
☆かいさん

そうですか、お好きでしたか、ボクシング。

そうですね、ある意味「覚醒」しないと出来ないですね、普通の感覚では。

F-1、私も好きですよ、セナ・プロ・マンセル世代ですから。
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