原発とめろ!新橋アクションのブログ

〇毎月第1水曜日 原電・東電前抗議
〇毎月第3金曜日 原発いらない金曜行動 18:30~

12/10 相馬ー浜吉田開通反対で闘う動労水戸 国分副委員長に聞く

2016年11月14日 | 被爆労働

なぜん通信11月号より

 

西納 12 月10 日に迫る常磐線相馬駅―浜吉田駅間の開通とはどういうことですか。

国分 これによって7 月12 日に原ノ町からの乗り入れ再開が強行された小高駅(南相馬市)から仙台駅までが一本につながることになります。今回の 再開は津波で流された区間で、原発事故による避難区域ではないけれど、「2020 年東京五輪までの常磐線全線開通」という強烈な政治的意図に貫かれた運行再開であることに変わりはないと考えます。「震災・津波からの復旧」「待ち望まれた運行再開」という一面的な見方を強
調したキャンペーンは、結果として帰還と被曝の強制に拍車をかけるものです。

 一方で全線開通に向けた線路・施設の復旧工事は既に竜田駅(楢葉町)-小高駅間で着工しています。この区間は楢葉・富岡・大熊・双葉・浪江という原発事故直下・高線量地帯のど真ん中です。しかも相馬―浜吉田間は津波で流された区間だということで駅も線路も内陸に移転したけれど、同じように津波も直撃した富岡駅は元の位置に再建するという。内陸移転では用地買収や工事の都合で2020 年に間に合わないと会社は判断したのでしょう。とんでもないダブルスタンダードです。

 

●JRと政府の恐るべき虚構を絶対に許さない

 団体交渉でもJR東日本本社は「福島第一原発は冷温停止状態」「収束に向けての準備が進んでいる」などという認識だけど、現実には原発事故は何も解決していないことは明らかじゃないか。溶け落ちた核燃料がどこにどういう状態であるのかもわかっていない。再臨界の危険性も十分にある。「原発はどうなってるんだ?」
ということをごまかした議論は例外なく虚構でしかない。現実から目を背け、「復旧・復興」の名のもとに労働者・住民の不安や怒りの声を圧殺して進められる常磐線全線開通や帰還の強制は、まさに「恐るべき虚構」だよね。

西納 原発の「安全神話」を繰り返しているかのようですね。

国分 JR本社の言うことは本当に異様な楽観主義、ぎまんに満ちた「ポジティブ思考」だよね。
そもそも原子力災害は、地震や津波と違って被災地に戻れない。無人を強いる点で他の災害と根本的に違うんだよね。放射能は目に見えないし、被曝による病気だってすぐには発症しないものが多いという。福島県立医大のように医療界を抱き込めばいくらでも因果関係を否定してしまえる。「気持ちの問題」に落とし込まれて心理戦を強いられるという面がある。
 安倍政権は常磐線全線開通を「核は制御できる」「原子力災害を克服した」という虚構を世界にアピールするためのチャンスだと思っているんじゃないのかな。JRはその手先になっている。その意味でも3・11は終わっていない。闘いは常に現在進行形で「これからどうするか」が問われている。敵が虚構を重ねている以上、我々の怒りの炎は全く消えない。必ず何度でも燃え上がるということです。

西納 国分副委員長は福島県いわき市の出身で高校卒業まで過ごされたんですよね。

国分 常磐線の現在の不通区間にも、直接運転する機会はなかったけど、趣味の鉄道写真などでしょっちゅう通っていた。知り合いも数多く住んでいました。そういった意味で「故郷になにやってくれるんだ」という怒り、なじみの土地に入れない痛苦の念がある。ずっとそこに住んで働いてきた人ならなおさらだよね。

 

●これは国家との非和解の闘争だ

 動労水戸は今年で結成30 年を迎えたわけだけど、組合結成前からずっと三里塚闘争を闘う中で身に染みてつかんだことは、理が通らないことも「国策」として何が何でも押し通そうとする国家権力の横暴さだよね。国鉄分割・民営化の時は自分たちがその当該者として闘ったわけだけど、三里塚闘争の「絶対反対」の思想があったからこそ、闘い抜けたと思うんだ。国家権力に甘えは通用しない、団結しなければ生きていくことすらままならないということだと思う。そういう闘いの積み重ねと経験があったからこそ、3・11の直後からの被曝労働拒否の闘いをやれたんだと思う。K544 という放射能で汚染された列車の検査修繕・再運用を認めるか否かという問題は、「誰かにやらせる」か「誰にもやらせない」かという絶対に折り合いのつかない問題だったわけだからね。

西納 常磐線の全線開通について、これからの闘いの展望についてどうお考えでしょうか。

国分 まずは我々自身が、安倍政権の原子力政策・核武装政策と真っ向から激突する闘いとして、認識を新たにしなければならないと思う。
この国策と真っ向からぶつかって、ここで勝ち切ることがどれだけ社会に影響を与えるのかということです。「復旧・復興」や東京五輪が喧伝されている一方で、福島では甲状腺がんで苦しんでいる子どもたち、そしてその家族がいるわけだよね。それはもう耐えがたい欺瞞ですよ。
常磐線全線開通はその最大の目玉として位置づけられている。常磐線全線開通との闘いは、福島で覆い隠されている虚構を全部ぶっ飛ばす力を持った闘いです

西納 被曝労働に直接さらされている、下請企業を含めた膨大な労働者、とくに青年労働者への働きかけと組織化はまったなしですね。

国分 自分は運転職場ですが、青年運転士はこれまでにない労働環境の劣悪化と労働者としての誇りを奪われる攻撃に直面しています。ダイ改のたびにシフトはきつくなるし、千葉で乗務中に用を足した動労千葉組合員が運転士を下ろされて転籍にまで追い込まれたように、何が処分の材料にされるかわからないという極限的なプレッシャーの中で勤務を強いられています。 その上「40 歳までに3 年間乗務を下りて駅で働け」というライフサイクル配転がある。挙句の果てにはデタラメな「復興」のために「被曝覚悟で運転しろ」というわけです。怒りは限界に近付いています。問題は俺自身を含めて動労水戸がそういった青年の怒りにもっと通用する組合に変わっていけるかどうかだと思います。

 

●労働者としての筋を通して闘いぬく 

広く被曝労働に携わる労働者の組織化については、俺より西納が話せばいいんじゃないか?
(笑)でも、「被曝労働は絶対拒否なんだ」って闘う俺たちと、まさに放射能と最前線で格闘している原発・除染労働者が、いろんな形で結合して、未払い賃金をめぐる争議で勝ったり、学習会をやったりなんかしています。
 一見すると考え方もかみ合わないんじゃないのかとも思えるけど、自分の置かれた状況の中で、労働者としての筋を通して闘い抜くってことで一致団結してるってことが、労働運動の持つ底知れない力と可能性なんじゃないかと思うよね。

西納 ありがとうございました。

 

 


原発労働者に聞く なぜん会報12月号より

2014年12月25日 | 被爆労働

なぜん会報2014年12月号に原発労働者のインタビュー記事が掲載されていました。

「東電労働者にこそ、闘う労働組合が必要だ」と語り、東電の責任を追及し、原発労働者の健康を守れと行動している私たち新橋アクションの方向性を示してくれているように思い、紹介します。

 


<福一作業員労災申請>膀胱と胃と大腸、転移でなく、それぞれの臓器で独立して癌発病。(北海道新聞)

2013年10月09日 | 被爆労働

みんな楽しくHappyがいい♪より

福島第1原発で4カ月 がん「被ばくが原因」 
札幌の55歳男性が労災申請

北海道新聞 2013年10月6日(10/06 07:25、10/06 14:43 更新)

東京電力福島第1原発事故後の2011年7月から10月まで同原発で作業し、
その後膀胱(ぼうこう)がんなど三つのがんを併発した
札幌市在住の男性(55)が、
発がんは作業中の放射線被ばくが原因だとして労災の申請をしていたことが5日分かった。
原発事故後、被ばくを理由に労災を申請した人はこの男性を含めて全国で4人
いずれも審査中で、労災が認定された例はまだない。

男性は重機オペレーターとして同原発の原子炉建屋周辺でがれきの撤去作業などに従事した。
被ばく線量が4カ月間だけで原発作業員の通常の年間法定限度である50ミリシーベルトを超えたため、
同年10月末で現場を離れた。

12年5月に膀胱がんが見つかり、札幌で手術。
今年3月には大腸がんと胃がんも見つかった。
現在も通院しながら抗がん剤治療を続けている。
転移でなく、それぞれの臓器で独立して発病していた。
<北海道新聞10月6日朝刊掲載> 



「まずいな」線量計外す合図 
原発労災申請の男性「命懸け、結局使い捨て」

北海道新聞 2013年(10/06 10:11、10/06 11:49 更新)

2013100611.jpg

「線量計はピーピー鳴き続けた」「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ」。
東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月働き、
放射線被ばくが原因でがんになったとして労災申請した札幌市内の男性(55)は、
北海道新聞の取材に、2年前の現場の現実を生々しく語った。

56・41ミリシーベルト。
厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された
2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量だ。
本当はこんなもんじゃない」と男性は言う。

放射線量の高い現場に到着すると5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴る。
「まずいな」。
現場責任者のつぶやきを合図に作業員が線量計を外す
マニュアルでは線量が高ければ現場から退避することになっているが、
実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けたという。


男性は重機オペレーターとして道内外の工事現場を渡り歩いたが、原発は初めてだった。
大手ゼネコンの下請けで、月30万円近い基本給に1日1万円の危険手当が付いた。

主に担当したのは重機の遠隔操作だが、
重機に乗り込むことやコンクリートの破片を手作業で取り除く作業も多かった。
線量の高い現場では遠隔操作のロボットも使う。
だがロボットが通る道を確保するには、どうしても人の手が必要だった。

水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、
1時間いただけで20~30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある。
特に線量の高いがれきには赤いスプレーで「×」と印が付けてある。
前線基地の免震重要棟での朝礼で「赤い×には近づくな」と注意した現場責任者その人自身が、
最前線に行くとがれきを手作業で運ぶ。
作業員も黙って手伝う。
言っていることとやってることが、まるで違った

防護マスクのあごの部分にびっちりと汗がたまり、
放射線対策の鉛が入った重さ15キロの防護服を着て原子炉近くで作業したこともある。
命懸けで作業した。そして、使い捨てにされた」。
男性は今、そう思っている。

膀胱(ぼうこう)と胃、大腸。
転移したわけでもなく3カ所でがんが見つかったのは被ばくと関係あるはずだ
と考え、
今年8月に労災を申請した。(報道センター・関口裕士)
<北海道新聞10月5日朝刊掲載> 




ーーー


突然多くの線量を浴びると
短期間で癌になることはあり得るんじゃないか、と、私は思っていた。
心筋梗塞だって、白血病だって、甲状腺がんだって、脳こうそくだって・・・
だから、福一で作業中に倒れた人たちだって、
「被ばくが原因じゃない」とは、やっぱり言えないと思う。

60代作業員心肺停止で搬送 東電会見1/9(会見動画・内容書き出し)

除染作業で作業員死亡(伊達市)統合会見動画&内容書き出し12/12

福島第1原発で作業の50代男性死亡(東電記者会見質疑応答一部書き出し10/6)

8月30日東京電力記者会見・作業員、急性白血病で死亡(東京電力記者会見ノーカット版添付)

5月に心筋梗塞で亡くなった福島第一発電所の作業員(週刊現代より)

福島第一 また2作業員汚染 東電基準値超す

2013年08月21日 | 被爆労働

2013年8月19日 夕刊

 東京電力は十九日、福島第一原発でバス待ちをしていた二人の男性作業員の頭部が、社内基準(一平方センチ当たり四ベクレル)を超える一三ベクレルの放射性物質に汚染されているのを確認した、と発表した。国の管理基準(同四〇ベクレル)は下回った。東電によると、十九日午前十時五分ごろ、現地対策本部がある免震重要棟前に設置してある放射性物質の濃度を測る機器で警報が鳴った。二人はバスに乗り、正門近くにある作業員の出入りを管理する施設で、汚染が確認された。

 福島第一では、十二日にも、免震重要棟前でバス待ちをしていた東電社員ら十人の顔面や頭などから同四~一九ベクレルの放射性物質が検出された。重要棟前では、熱中症対策で水を霧状に噴霧する器具が設置され、近くのダムから引いた水が使われていた。当初はこの水の汚染が疑われたが、調査の結果、汚染はなかった。霧発生器は十二日以降止められており、東電は、通行車両が放射性物質の付着したほこりを巻き上げ、汚染につながった可能性もあるとして、原因の特定を進めている。


東電社員バッシングが生む"最悪の結末"の可能性

2013年07月26日 | 被爆労働

2013年7月24日(水) FM東京 TIME LINE 
東電社員バッシングが生む"最悪の結末"の可能性
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上杉 隆さん
元東京電力社員・吉川彰浩さん(33)

今も福島第一原発で収束作業に当たっている人たちの現状と
彼らに浴びせられるバッシングについて、
全国各地で公演活動を行っている東京電力の元社員吉川彰浩さんにスタジオにお越しいただきました。
吉川さんよろしくお願いいたします。

上杉:事故当時、吉川さんは何処にいらっしゃったんですか?

吉川:私は、福島第一原発から南へ10km離れた福島第二原発という所にいました。

上杉:
その第二原発で働かれて被災、ちょうど3.11の時にいらっしゃったんですが、
その後東京電力をおやめになったという事なんですが、東電を辞めた理由というのはなんでしょうか?

吉川:
私は震災後1年半ほど会社の方にいたんですが、その中で私が見てきた悲惨な状況というのが、
今まで一緒に仕事をしてきた仲間たち、社員もそうですが、作業員の方。
そういった方々がいわれのない差別や偏見、そういったもので、
ま、それとですね住居環境、そういったものの悪化もあって辞めていってしまっている。
私の目から見ますと、大変頼りがいのある人たちが辞めていく実情を一般の方が知らない。
そして、30年、40年続くこの廃炉の作業がですね、
このままでは続けていく事が出来ないんじゃないか。
そういう思いがありまして、辞めることによって自由に発信できると。

上杉:発信、という事は今何かをやられているんですか?

吉川:はい、私は今現在講演活動の方を行っております。

上杉:
なるほど。その講演活動に関しては、全国というかいろんなところに行って、
現状というか、作業員の受けた状況というものをお話しされていると思うんですが、
具体的に、吉川さんを含めて東電社員、それから作業員のバッシングというものが、
ちょっと聞いただけじゃもう信じられないような状況なんですが、
それはどういうような事があるでしょうか?

吉川:
まず二つに分けてご説明したいと思います。
一つは東電社員へのバッシング。
もちろん進まない廃炉作業とか、保障の問題、現地で起こるトラブル、会社の情報公開の悪さ、
そういった所については、当然のごとくバッシングしていただいて結構です。
私もバッシングされるべきだと思っています。

しかし、そこで働く人達は、人権を無視したような発言。
ま、暴言ですね。

上杉:具体的にどんな暴言なんですかね?

吉川:
非常に言葉は悪いんですが、「人殺し集団」「無能の集まり」「将来無給で働きなさい」とか、
場合によっては「汚染水を自分たちで飲んでみたらどうだ」
そういった事を言われたりしています。


上杉:
バッシングっていう事自体が非常に今回の件でおかしい話ですね。
いま吉川さんがおっしゃったように、
バッシングというよりはむしろ東電の会社とかシステムとかに対する批判はあってしかりなんですが、
作業をしている個人の方、これは同じ人間ですし、
そこに対してバッシングするというのは全く、これは中身が違う話で、
これによってバッシングというのはどうも解せないというのがそこの部分にあるんですが、
他にはどんな事があるんですか?


吉川:
そうですね、まず社員においては自分たちが批判されることに対しては、
あの・・、我慢がきくというか、頑張れるんですが、
その暴言というものが自分の家族、特に子どもに向けてですね、吐かれたり、
場合によってはいじめに遭ったり、
私の親族なんかはたとえばゴミを投げつけられたりとか、そういう事が実際あります。

上杉:それは東電社員だから、東電社員の家族だからそういう事があるわけですか?

吉川:そうです。

上杉:
それはちょっとひどいというか、おかしな話ですよね。
今現在東電の社員自体、これは別に何の罪も課してないわけです。
そして原発推進、反対もそうですけど、それに対してそういう批判をするという事自体が、
非常にこの社会全体の自由な空気と同時に、
本来ならばこの中で作業されている方というのは評価されてしかるべきなんですが

吉川:そうですね

上杉:それが批判されるというのが、非常に怖いですね。

吉川:はい

上杉:
そのバッシングによってこういう、
バッシングというか心ないバッシングというか、ちょっと考えようがないんですが、
これによってどういう事が問題になると思われますか?

吉川:
実際に辞めていく社員、
そして作業員の方もですね、現場で働いていますから当然のごとく放射能に被ばくするんですが、
いわれのない「放射能がうつる」だとか、「近づくだけで被ばくする」とか、
言葉は悪いですが「歩く放射能」などという事もいわれまして、
また、そういったことに耐えられなくなって辞めていく。
結局、福島第一原発を知っている熟知している、技術力もあるという人間が、続々と辞めていって、
私がみている限りでも
全く顔も名前も知らないような全国から集まった原発の経験が無い作業員に、今、入れ替わっている。
非常にですね、震災後もそういった事が起因となるトラブルが多いんじゃないかなと思っています。


上杉:
あの、周辺の人達はやはり、その辺を分けて考えた方がいいのかなと、
実際に作業をして、現に大変な思いをしている方に対してはむしろ温かい目。
批判をするならば、その作業員の方も被害者な訳ですね。
非常に危険な所。
私も2011年の3月に東電の本店の方で質問した内容が、
ちょうど2号炉のピットのわきですね、作業員の方が計測機で測っていたんです。
そこで質問したのが、そこの試料が1シーベルト超/時だったんっです。
「超というのはこれはどういう事だ?」と。
「5なのか10なのか分からないじゃないか」と、
そして「その作業員の方は健康診断をしたのか?」と、言った時に、
これは東電のシステムの方ですね、会社の方は、
「線量計は津波に流されてありません」と「たぶん大丈夫だと思います」と。

ここはやはり、東電の社員は一体化して見ずに、
むしろ逆にですね、働いている人達は私たちの変わりにそのきつい作業をやってもらっているんだと、
その作業員の健康やあるいは命を守る事、という温かい目が必要だと思うんですが、
またこの3回目の夏を迎えています。
これで本当に作業大変ですよね。
この中にいる人たちに対してどういうふうに、
いま吉川さんはそこから出てきていますが、どういうような言葉をかけられます?


吉川:
私が良くいうのは「決して無理はしないでください」と、
非常にその、廃炉を進めていく、早く終わらすという事に関して言えば、矛盾があるんdねすが、
決して無理はして欲しくない。
いつもそのようにですね、ただ単純に「頑張れ」とか、いう言葉はかけられないでいます。


上杉:
廃炉も最初は「2011年4月17日には、9ヶ月で作業は完了する」と。
おそらくその時に入っていた作業員の方もそういうふうに信じた部分もあると思うんですね。
周辺の方も。
でもそんなことはないのは、もうみんなは分かっていますよね。
長い長い作業がこれから待っていて、そして熟練された人たちも吉川さんのように去っていく。
この中で、現場の人達はそれでも頑張っているということなんですが、
それを周りの人達はどういうふうに受け止めていいか、
そのリスナーとか、あるいはですね、
吉川さんをはじめ作業員をバッシングしている人に対して今言える事、言いたい事ってありますか?

吉川:
そうですね、
いま非常にテレビとか新聞、ラジオを通してですが、現地の情報というのが大変少なくなっています。
そこでですね、誤った情報で批判をしたりとか、そういう事は止めてほしいと。
またそこで働く人達は働いていける環境が実はないんです。
作業員の方の多くは、ま、民宿といったところでですね、大部屋でタコ部屋。
そういった所10人、20人で生活している。
また作業員の多くは、現地で働いていた方ですから、
作業員であり、被災者でもある。
仮設住宅とか、借り上げ住宅、そういった住みにくい環境から今仕事に携わっている。
そういった実情をよく知って頂きまして、
また決して福島原発は廃炉にきちっと向かっているのではなくて、
あそこで働いている人間たちは電気をつくる、または作る設備をなおすプロであって、
粉々に破壊された原発をなおす集団では決してない。

みなが手探りでやっているという実情を知って頂きたい。
そしてそこで働く方々を支援する仕組みとか、社会が成り立たない限り、
もしたしたら、原発事故が再燃するかもしれない。

そうなった時には決して福島だけの問題ではなくて、
東京に住まわれている方の問題でもあるんじゃないかなと、

上杉:
3月の23日にはですね、実は政府は福島第一原発すべてメルトダウンして、そして
230km圏外へ全員避難するという近藤メモというものをつくっていた。
そういうものを想定していた訳ですね。
そして、今その状況が、じゃあ改善されたか?というと、
何ら変わってないと。

吉川:かわってない。

上杉:
昨日もですね、3号機の5階の部分からは最高値で2100マイクロシーベルトと。
これは毎時なんですけど、簡単に言うと2シーベルトですよね。
このような高線量の中で、まだ作業をしている方がいらっしゃると。
それを考えると、本当の現実を知って、そして、その作業員の人達、
一人の所長だけを英雄視するんじゃなくて、

吉川:そうですよね。

上杉:そこにいるみながやっているんだという事を考えなくてはいけないと思いますね。


ーー:
吉川さんのお話を受けましてですね、リスナーの方からも一通頂いています。
「東電社員だからといって、作業員に向かって人殺し集団だとか汚染水飲めってひどすぎる。
自分の命を削って作業をしているのに」
「日本の滅亡を防ぐ重要な任務へつく方へ感謝しきれない思い」というようなことでごさいますが、
上杉さんは吉川さんの話を聞いてどのような事を今考えられますでしょうか?


上杉:
そうですね、
吉川さんとお会いしたのは初めてなんですが、
私も3.11直後から多くの作業員の方々にお会いをしています。
でも、名前を出して、そして顔を出してここまでいう、その勇気というのは実はすごい大変なんですね。
今まで顔を出された方というのは、相当の覚悟を決めて。
その方に対して、普通だったら「よくやった」と、
そして「仲間たちを助けよう」という世論をつくるのが当然なんですが、
日本はどうも逆を向いていると。
「余計な事を言うな」と、「本当の事を言うな」と、
これを何とか直していかなくてはいけないなと、
そういう意味では吉川さんの勇気というのは本当に敬意に値しますね。


「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ2

2013年07月03日 | 被爆労働

【みんなが楽しくHAPPYがいい】

2013年6月27日
「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ― 
~「逃げて」福島第一原発元作業員の話を聞く ~


動画はこちらにあります↓

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87132

林哲哉氏(福島第一原発の元作業員)

2013062912.jpg


ブラックリスト

山本:
ひどい話やなぁ・・・。
で、もうその一回こっきりですか?1日こっきりですか?原発に入ったのは。


林:
いや、自分はその1日で首になって結局帰ってきたんですけど、
周りは自分が行ったっていう事を知っているから、
勝手に奉られちゃったんですよ。
「ありがとう」みたいな。
みんな「我々のために作業してくれて、危険な所に行ってくれてありがとう」
みたいな感じですごく言われちゃって、
「何にもしてないよな」って、ちょっと・・・

山本:1日行ったよな。

林:
1日行ったけどそれだけだし、しかも時間も1時間だけで実質2時間ぐらいしか作業してない。
もうそれだけでその日の線量がマックスになるから。
なので、あんまり「やった感」がないっていうのか、
で、みんなには「ありがとう」「ありがとう」って言われるから、
「まずいよな」って思ってね。
で、もう一回、じゃあ。
最終的にもうちょっとやろうかなと思って、もう一回行ったんですね。

山本:もう一回行ったんですか!

林:はい。

山本:
1回クビになったのに。
でも1回クビになった…っていうか、現場を騒がした男ですよね。
「変な奴来たぞ、クビにしろ」って言ってクビになった。
で、またエントリーしようと思っても、
それはもう、ブラックリストに載っているんじゃないですか?

林:
そう思ったんですよね。
なので、同じ系列の会社は全部ダメでした、アウト。

山本:ご丁寧にそこからまた行ったんですかw。

林:
元請けがあって、二次請けっていのが二つ三つあるから、
ちょっと違う所で募集があったから、履歴書送ったりとかしてみたんですけど、
名前を言った時点で、やっぱり何の音沙汰もなくて、音信不通になっちゃって、
で、全然違う元請けのところの募集に行ったら、そっちは普通に入れたんですよ。

山本:はいっちゃった

林:入れた。そこまで管理できてないんじゃないですか、だから。

山本:全然できてないですね、それは。

林:
こっちは、自分たちのグループではブラックで。
とっくにブラックだけど、こっちはまだ分からない、情報が行ってなかったのかもしれないけど。

山本:
6次受けまで会社があって、もういろんなところがあるから、情報が広がらないんですね。
で、次志願して行きました。

林:そうですね、2回目。

山本:すぐ行けたんですか?

林:
いや、そこは、「仕事が出来たらすぐに呼ぶ」っていうみたいな感じで、
それまでは、東京とか建築の現場。
どこかの現場を手伝ってくれみたいな感じで、そっちをずっとやってて、
で、そっち(福一)の仕事ができた瞬間に行くっていうみたいな感じで。

山本:
じゃあ、連絡を取ってから現場に入るまでっていうか、
福島の第一原発に入るまでにどのくらいの期間がありました?

林:えーっと、3ヶ月ぐらい。

山本:3ヶ月ぐらい。で、連絡がかかってきたんですか?

林:
その会社の、東京で違う仕事をやってたんで、
もうその会社の仕事をやっているから、じゃあ、この現場に行ってから、
福島の現場が出来たらそっちへ行ってくれっていう。

二度目の福一

山本:
待機してたんですね。
で、その2回目に行った時には、どんな仕事を?

林:
2回目に行った時には、キャスクっていう、
今度燃料棒を取り出して、その取り出したのを仮保管しなきゃいけないタンクをつくってるんですね。
その基礎工事。

山本:あの4号機傾いてるよーっていう奴の中身を出そうと、その先。

林:
いま出しても持っていく所がないじゃないですか。
だからそれを仮置きする鉛のでっかいタンクをつくる。その基礎工事ですかね。

山本:
はぁ~、なるほど。
その基礎工事をやっているところはそんなに線量が高い所じゃないんですか?

林:
ないですね。
前回に比べれば全然低い、っていうか、
福島第一原発の中、あのでっかい敷地の中って、高い所ってあの建屋のところ、あの辺だけなんですよ。

山本:なるほど。

林:
何でか?って言うと、こっちは地盤改良っていうかいろいろ堀起こしてたりとか、
木も土も全部剥いじゃっているから、割と線量が低い。

山本:また新しくアスファルトを敷いたりという事をやっているっていう事ですね。

林:
どんどん木もみんなぶっ倒しちゃったりとか、汚染されたものをどかしちゃて、新しいものを建てているので、
裏側っていうか、広報周りは比較的、思ったよりも高くなかった。

山本:
現場の雰囲気というか、福島第一原発の雰囲気。
沢山の人達が、何千人という人たちが中に入って、もうてんやわんやというか、
すごく忙しい感じで作業をされているんですか?みなさん。

林:いやぁ…、ゆるい感じですね。

山本:ゆるい感じ?

林:ゆるい感じ。って言っていいのかな。

山本:
決死隊というような人たちが毎日作業をしていて、後ろで後方支援しててみたいな、
常に緊張状態がそこに漂っているっていうような、そういうイメージですね。
そこを知らないものにとっては。
沢山の人達が、もう、ひとひとひとで。

林:
いや、全然そんなことないっていうか、
っていうか、そもそもあの建屋の周りとかって、普段は全然いないんですよ、人が。

山本:建屋の周りに人がいない

林:ほとんどいない。

山本:
線量が高いから、っていうこともあるでしょうけど、
作業は、でもやってるんですよね?

林:
自分が2回目に行った時は1ヶ月半ぐらいいたんですけど、
その間毎日というかちょいちょい上から建屋の方を眺めるんですけれど、
基本、人はいないです。ほとんど。

山本:どこから眺めたんですか?

林:北西の方のちょっと高台の方から、眺めるっていうか見えるんですけれども、

山本:1ヶ月半いたから時間がる時にちょっと高台から福島第一原発を見たんだ。

林:
横を車で通ったりとか、通るんですけど、行くんですけど、
基本、居ないんですよ。
結局線量が高くて、そんなに近づけないから、
多分計画的になにかしたいという時だけ、ちょっと行って、やるくらい。


山本:
でも、ちょっとまってください。
なんかマスコミが福島第一原発に入ったっていう時の映像とかは、
結構作業員の方がいらっしゃったりとかというのは。


林:
あぁ。その時だけじゃないですか。
監視しているのか、何しているのか分からないですけど、
そういう時だけはわかりますよ。
今日マスコミのバスが来たなって、通るとわかるし、
そうすると建屋の周りにちらほら人が居たりとかするから。

山本:あ、人を配置する

林:配置しているのかどうか分からないですけどね。

山本:
あれですね、「北朝鮮のピョンヤンはこんなに裕福です」みたいな、
取材が入った時に、人を送り出すみたいな。

林:
そうかもしれない。
普段、(線量が)高すぎてあんまりできない。
毎日2000人とか、3000人いるのか分からないんですけど、
みんな大体後方っていうか、裏の、周りでやっているだけ。

山本:
最前線の作業をしなければいけないところだけれども、
みんなやれることは「後方支援だけ」みたいな。

林:
多分ほとんど、タンク作って水を回して冷やしているから、
タンクを毎日作っているとかそういう事ばっか。
水周りとか。
で、後の半分ぐらいは、多分サーベイ。

山本:収束作業ですよね?

林:
でも、行った人達は汚染されてないかとか、
あと1Fから出ていく車とか、みんなやっぱり検査しなきゃいけないから、
そういう人たちがすんごい居るんですよ。
1台1台車を見るし、人も休憩のたんびに見るし、
で、休憩所とかは汚染されていたら水も飲めないんで、
そこを綺麗にするために毎日掃除をしていて、
免震棟なんかはもう、廊下を曲がるたんびに掃除する人がいるような感じ。

山本:
じゃあ、現場に居てても、「作業している人たち」という印象よりも、
後ろでタンク作ってたりする人とか、あと、サーベイしている人、掃除している人しか、
あんまり印象に残っていないっていう事ですか?

林:
そういう人たちが圧倒的。
でも、そういう人たちがいないと多分出来ない。

山本:
そりゃそうですね、ええ。
じゃあ、林さんが見た福島第一原発の収束作業って言うのは進んでいるんですか?

林:
いや。
だから肝心な所に人がいないから、肝心なところは進んでないんじゃないですか。

山本:手の施しようがない

林:
行けない、出来ないんでしょうね。
周りでタンクをつくる。
今年も清水が80基つくるとか、去年大成が100何基つくるとかって、
でっかいタンクを毎年作っていくだけなんじゃないですか、知らないけど。
それがメインでした。

山本:
うーん…本当にね。
すみませんね、本番中にどよんとしちゃってね、ぼくもいまの話を聞いてて。
いやぁ、そうですか。
ちょっと話は変わるんですけれども、
収束作業員の方が建ってどんな生活をされているんですか?
どんな一日なんですか?
どこに泊っているんですか?

宿泊施設

林:2回目に行ったところは仮設の宿舎があって、

山本:それは原発からどのくらい離れたところに?

林:車で30分ぐらい離れているかな

山本:結構離れるんですね。

林:そうですね。

山本:じゃ、湯本とかをもう越えちゃう感じなんですか?上に行くの?下に行くの?

林:みんな行くのはいわきだけ。道はもうそれしかないです

山本:なるほど。

林:
それも問題だと思うんですけれどね。
中でなにかがあって逃げるとしたら、その道がたとえば崩れたら誰も逃げれない。


山本:
それも全ての原発に言える事ですよね。
けっこう、若狭の方とかもずーーっと一本道だったりとか。

林:そもそも問題じゃね?みたいな。

山本:
うん。
いわきの方まで行く。

林:みんなだから、あそこに行く人達はみんないわきの方から行ってる。

山本:
最初はそういう仮設の宿泊所があったんですか。そこで寝泊まり。
そこは、じゃあ、ただで泊まれる?

林:そうです。

山本:どんな感じなんですか?もうプレハブみたいなところですか?

林:そうですね、プレハブをダーーッって繋げたような感じ。

山本:そこを何人ぐらいでシェアするんですか?

林:自分は個室でした。

山本:個室があるんですか

林:
そこは個室でした。
ほかの、JVとかいろんなところで一番いいって言われていましたから。

山本:その泊っていた仮設のところが、

林:はい。
そこはみんな個室で一人一人あって、
2~300人ぐらいいたのかな。


山本:
でもその何千人もいる人達は、
もちろん地元の人だったり、いわきに住んでいる方もいらっしゃるでしょうけど、
仮設以外に宿っていうのはなにかあるんですか?

林:
知っているのはたとえばもともと旅館だったりとか、
ラブホテルだったりとかそういう所を買い取ってそこでやってたりとかしているみたいですね。

山本:そういう所も無料で泊まれるんですか?

林:元請けがでかければ、

山本:あ、そういう事があるんですか。

林:
入り方次第ですかね。
たとえば元請けから一次二次ぐらいの募集で行っている人達はそういう所に入れて、
食事も付いてとか、宿も一応タダっていう事になっているんですけれども、
もっと下の5とか6になると、行ったら「実は宿代が一日1600円かかるんですよ」。
一回目はそうでした。


山本:お金取られる、1600円。

林:
1600円かかるんですよ。
1日1600円って、月に5万っていう事じゃないですか、部屋代が。
っそれはもう、どういうルートで入ったかによって、全然違います。


給料・暗証番号指定の通帳
この部分は同じ内容をすでに記事にしています

山本:
ごめんなさい、もうストレートに聞いちゃいますけど、
収束作業員、その役目によって違うかもしれないですけど、
いくらぐらいもらえるんですか?給料。

林:
どうなんですかね、
自分は1回目は1万3000円でした。
2回目は1万1000円。

山本:1万1000円。

林:
っていう話だったんです。
最終的には1万3000円くれたんですけど、
でも、雇っている会社は12000円プラス特別手当が6000円で1万8000円出してたんです。

山本:どういう意味ですか?

林:
2回目に行った時も、一応そこの二次請けの社員っていう事になっているんですね。
だけど、実は間に一人居て、その人が間を抜いていく訳ですよ。


山本:本当は1万8000円出ている。けどそれを、

林:
自分が最終的に貰ったのは1万3000円。
1日5000円抜いている。


山本:へぇ~。

林:
そのために、「新しく通帳を作れ」って。
「口座をつくれ」っていうんですね。


要はその会社から直接口座に入れたっていう証拠が欲しいんだと思うんですけれども、
新しい講座をつくって、通帳と「暗証番号はこの数字にしなさい」って言って、

山本:暗証番号の指定があるんですか?

林:指定があるんです。
「えっ?」とか思いながらも通帳とカードを全部渡すんですよ。
で、会社からはその個人個人のみんな社員って登録している人たちの口座に入れたっていう事にして、
でもその人が全部そこから出して、お前今日これな、これなって、現金で封筒で渡されるだけ。

山本:すっげーブラックやな

林:
初めてですよ。
通帳もカードも番号も指定されて渡すなんて。

山本:
ま、形としては「ちゃんとお支払してます」と。
「お金はここに入りましたよ」と。
だけど、実際は手渡しで間抜かれているっていう話なんですね。
ん・・・、これま、
自分がどこに会社に所属するかっていう事で、宿台もとられてしまうし、っていう事になる。
それが大きければ宿台がタダになる可能性もあるけれども。

どんなもの食べているんですか?

食事

林:
そこで賄いの人がいるんで、ちゃんとした。
ちゃんとした、そうですね。

山本:
たとえば作業中は?
ちゃんと出るんですか?たとえば食堂みたいなものがあって好きに食べても良いとか。

林:
いや、中は基本的にカップラーメンとかそういうものの持ち込みがOKなんで、
みんなコンビニとかで買っていってるんですよね。


山本:
それも全員一緒ですか?3000人とか2000人居る人たち。
東電の社員とかも、何ですかGEの社員とか、わからないけど。

林:
東電の社員の人達はどうしているのか分からないですね。
会社が全然別個なんで。
もう、入り口からしてバスが違う
入っても中で全然違う所に居るから、東電の社員の人達が何をしているかは分からない。


東電社員のバスは綺麗なバス

山本:バスが違うっていうのはなんですか?

林:
福島原発に行く前にJビレッジっていう拠点があって、
そこからみんな専用のバスで行くんですよ、作業員は。
でも、東電の社員は専用のバスがあるんですよ。
うちらはそこでタイベックスーツを着て、白い。
で、マスクも途中から付けて、中に入るんですけど、
あの人達は普段着のまんま行けるんですよね。バスに乗って。

山本:待遇が全然違うんだと。

林:
もしかしたら、大分綺麗になっています読みたいなアピールかもしれないんですけど、
バスからして、ま、要は綺麗なバスっていう事ですね、言っちゃえば。

山本:
なるほど。
じゃあ、中で東電の社員さんは食堂があったりもするかもしれないですか?

林:食堂はないですけど、弁当は確かとれるような事を言ってましたよ。

山本:そういう意味では、自分たちはカップラーメンを買ったりして持ち込まなければいけない。

林:そうですね、基本そうですね。

山本:なるほど。


ーーつづく


「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ1

2013年07月03日 | 被爆労働

2013年6月27日
「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ― 
~「逃げて」福島第一原発元作業員の話を聞く ~


動画はこちらにあります↓

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87132

林哲哉氏(福島第一原発の元作業員)

2013062911.jpg



山本:
どうして原発収束作業員に加わろうと思ったんですか?
もともとそういうお仕事をされていた?

林:
いや、最初は・・というか、
最近は原発作業員ってずっと言われているんですけれど、もう最近は慣れちゃったんですけれども、
そもそも、全く行く気はなかったんですよ。
全く行く気ない。
だって、怖いじゃないですか。

山本:そうですね。

林:
で、自分も知らないし分からないし、怖いし、
そんなとこ、全く行く気ない。
本当になかったんですよ。
ただ、知りたくて…。
自分がたまたま電話したところは、建屋のカバーリング。

山本:
随分はしょりましたよ。
最初行く気なかったんだけれども…ど、どうしたんですか、何で行くことになったんですか?

林:ま、知りたかったんですよね。

山本:知りたかった。

林:「どうなっているのか」っていうのを。

山本:あぁ、実際どうなのか。

林:そう。

山本:それはいつごろですか?

林:最初の年の12月とか1月ぐらい。

山本:2011年12月位。

林:そうですね、はい。

山本:
で、最初はどういうアクションを起こされたんですか?
なんかこう…求人誌とかに載っているものなんですか?

林:
そう。
ネットでいろいろ調べてたら、募集の要項があったんで、
いま募集しているっていう事は作業をしている会社じゃないですか。
そういう会社に聞けば、「なんかちょっとはわかるかな」みたいな感じ。
それで電話してちょっと聞いてみたんですよ。
聞いたりとかしてたんですよ。
そうしたら、3号機建屋のカバーを乗せるっていう会社があって、
そこが「人が足りない」。
職人だったり鳶の人達が来ても
2ヶ月ぐらいで線量がマックスでいっぱいになっちゃってで得ていかなきゃならなくなるから、
人がどんどん居なくなっちゃう、足りなくなるので、
そういう技術と経験があるなら「来てほしい」みたいな感じで頼まれたんですよ。

山本:
もう人手不足だったんですね、
カバーリングは放射性物質を外に出さないようにかぶせますよっていうものですか?


林:はい、そうです。

山本:
たとえば、カバーしなきゃいけないんだから、
「カバーをする作業の人は結構被ばくするっていうイメージはなかったんですか?

林:
当然「2ヶ月ぐらいで人が代わる」って言う事は、ま、
「そこそこあるんだろうな」みたいな、

山本:
なるほど。
で、「カバーリングにすぐ来てくれ」という話になったわけですか?

林:そうですね。

山本:すぐ行った?

林:いや、全然ウソっていう感じで。

山本:全然嘘っぱち

林:
募集している人が、そんな仕事って…会社でもなかったんです。
「会社で募集してます」って言うふうに出てたんですけれども、
全然、行ってみたら会社じゃない、偽名はつかっている、仕事はない・・・みたいな、

山本:はぁ…会社そのものの実態がなかった?

林:なかった。

山本:へぇ~~~

林:全然

山本:ブラックですね、もうすでに。

林:
わざわざ行って、頼まれて、さんざん考えて、
でもなんか…何ですかね、誰かがやらなければいけなくて、その技術を、経験があるんだったら、
「行っとかないとまずいのかな」みたいな。

山本:
なるほど、
誰かがやらなきゃいけないんだったら、「自分もちょっとお手伝いがしたいんだ」っていう思いですか?
先ほど、わざわざ辞めたというお話をしてましたけれども、
そのカバーリングという事を調べ出した、
中に入れるのか?という事を調べ出した頃は、違うお仕事をされてたんですか?

林:そうですね、普通にただ営業を。

山本:
営業!
営業職だったけれども、いきなり現場作業に入ろうと思われたわけですね。

林:そうですね、昔にそういう経験があったんで。

山本:で、実際に行ってみたけれども会社は実態がなくて、偽名も使っていて、良く分からない状況。

林:
はい。
で、最終的にその仕事じゃなくて違う仕事。
サーベイってあるンですけれど、
現場に行って作業して帰ってくる人を放射線で汚染されていないかチェックする、後方支援です。

山本:要は現場に行って放射能を浴びて、出てきた時に「大丈夫か」「高すぎないか」という事を調べる人。

林:
そういう人がいっぱい居るんですけどね、
「それをやってくれ」みたいな感じで、
「じゃあ、それだったら取りあえずいいよ」っていう感じで行ったんですよ。
で、行ったら、
行って契約書とかにサインして、書類とかいろんなものを全部やって、
ハンコを押した後に、上の会社の人が作業説明とかに出てきて、
皆さんご存じの通り、今回はちょっと線量が高い所の作業ですよ」って。



山本:
一番最初に聞いていったのはサーベイ。
「数値を測りますよ」っていう事だったのに、その最後の説明・・・
何段階かあるんですか?説明を受ける、現場に入るまで。
いきなり行って、初日から働けるっていう事なんですか?そうではない?


林:
行って、中に入れる作業証というか通行証みたいなものをつくって、
放射線の教育、基礎教育みたいなのを受けて、そういうのをやってからですね。


山本:到着してから現場に入るまでは何日ぐらいですか?

林:自分は・・・1週間ぐらい。

山本:
1週間、なるほど。
でもその最終日「皆さんご存じだと思いますけど、高い所に入ってもらいます」という発表があるまでは、
ずっとサーベイやろうとおもっていた。

林:ずうっと思っていました。

山本:実際どうなったんですか?

林:
それから説明が始まったら、「すこーし高いところです」って。
で、タイベックスーツ、あの白い奴を4重に着て、その上にアノラックを着て、
「皆さんの健康のために酸素ボンベを背負って、それから新鮮な空気がくるので、それを付けて入って下さい」



山本:話が全然違うじゃないですか。えぇっ!!酸素ボンベを背負えと!

林:
そう。
えぇ・・・それ・・・・ってやばくね?
みたいな、

山本:
確実にヤバいですよね。
最初は「ちょっと離れたところで放射線量を測るっていう役目だ」って言われていたのに、
実際に現場に行ってこれからですっていう時になったら、背負わされるという話。
どこへ行くんですか?それを背負って。

林:
それで「アレバ室」っていう所に入る。
フランスのアレバ。
最初につくった、水を循環させる、その機械の、ま、壊れて、中のかくはん機を交換しなければいけないから、「そこは全量が高いんで一番最初に行って、ゴムマットを、少しでも線量を下げるために敷いていって下さい」
「後から来る人が少しでも線量が下がるように」
それって、特攻隊。
特攻隊みたいやなと。

山本:「まず最初に入ってくれ」と、線量下げるために。

林:
はい。
みんなが来るために一番最初にやってきてくれと。

山本:その後に技術者が入りますから、まずあなた達が被ばくしてもらいますという役割やったんですか。

林:そういうことですね。

山本:ひどいなーー。

林:「ええっ!?」って。「話違うよ」

山本:
その時の同期というか、一緒に入所、入所って言うんですか?分からないけれども、ごめんなさい。
一緒に働くメンバーっていうのはどの位だったんですか?初めての人達は。

林:
ほぼ初めて。みんな初めてだと思いますね。
自分は長野から行ったんですけれど、他にも、九州、四国、沖縄とか、あちこちから来た人。
あと地元の若い子

山本:年齢層というか、その幅というのはどの位だったんですか?いくつぐらいの人から?

林:地元の子は18,19,20、21という、

山本:そんなに若い人たちが入っているんですか!?

林:はい。いましたね。

山本:ひどいなぁ・・・・、上は?

林:上は、60ぐらい。寄せ集めっていうか、バラバラですよね。

山本:
で、みなさんそういう作業というか、建築現場だったりの経験者なんですかね?
技術者だったりとか、分からないですけど、鳶やってたよー。とか、

林:
ハッキリ言って、ほぼ初心者でしたね、みんな。
話してたりとか、資格とかそういうものをいろいろ話していた感じだと、
全くの初心者がほぼ9割。
一人二人、「この人とだったらペア組んでも良いかな」っていうような人が一人二人。
あとは「ちょっと・・・・。」

山本:
でもね、それ全然話が違う訳じゃないですか。
最初聞いていた話と違う。
「契約の内容が違うよ」というような話は、その仲間たちの中で、なんか話合われなかったんですか?

林:
みんなずっと言ってましたね。
最初の話を聞いて、でも、その作業説明ってもう、上の上の上っていうのがその時点で分かっていたんで、
その場で言えないじゃないですか。


山本:
それぞれその7日間の中で、
現場に行きました。7日間のうちに教育を受けたりいろんな説明を受けたり、通行証をつくったりする段取り、
そのたびに説明を受ける人は常に同じ人ではなく、

林:
そうですね。
もう3つ位上の会社の人達がきて、
で、自分たちは直接雇用の会社の人じゃないんで、社長じゃないんで、
説明を受けて戻ってくる。
で、社長に「今日話聞いてちがう」と、みんな毎日毎日言うんですけど、
そのたんびに、「まァちょっと仕事が変わることはよくあることだ」とか


山本:よくある事なんですか、あちらの方では。

林:よくあることらしいですね。

山本:ちなみに直接雇用していた会社っていうのは、何次受けになるんですか?

林:えっと、1,2,3,4,5か6。

山本:6番目の会社

林:そうですね。

山本:
はぁ~、なるほど。
で、結局「酸素ボンベを背負ってもらいます」って言う話を聞いて、その後どういう流れになったんですか?

林:
で、「いやいや違うでしょう」って、
「みんなサーベイだと思ってきているのに何で?」って言ったら、
「上の会社にちゃんと聞いとく」とか、社長はね、その時は。

で、「ちゃんとした答えを出してくれる」とか、ま、「ちょっとぐらい仕事が変わることはあるよ」とか、
「線量高くない?」って聞いても、
「大丈夫大丈夫」って。

山本:直ちに影響はないと。

林:
それだけなんですよ。
毎日。
また次に行くと、また違う内容の作業の説明があるじゃないですか。
そうすると、また帰ってきて、
「また今日も違う事を言われたんだけど」って言っても同じ繰り返しですね。
ずっとそれで「大丈夫だから、大丈夫だから」って。
で、みんな素人の集まりだから、そう言われちゃうと、
「ああ、大丈夫なのかな」みたいな空気になっちゃうんですよね。

山本:
なるほど。
じゃあ、やった事のない作業でも、初めての作業でも「やっちゃう」

林:
そう、そういう流れ。
結局誰ひとり放射線に詳しい人が集まってきてないから、
詳しい人たちが「大丈夫ですよ」って言えば、「ああ、そうなんだ」みたいな。


山本:で、その時期だったらちょうど野田総理の収束宣言みたいな事を言っていましたもんね。

林:もう言った後ですよね。

山本:
だとしたら
「そこまでヤバくないだろう」という思いもなんか、作業員のみなさんの中にあるんですかね?
始めてきている人とか。

林:
初めてきてる人は結局分からないから、
なんか「専門家」みたいな人からそういうふう知識を貰うと、
で、「もっと経験がある」とかね、そういう人たちが言えば、
「じゃあ、大丈夫なのかな」ってこう・・・。
自分はある程度勉強してから行ったんで、「高いでしょ」

山本:ちなみにどれぐらいだったんですか?

林:
その作業員説明は、
その作業自体は直前に事故があったんで無くなったんですけど、
その説明の段階では「APDの閾値を9ミリシーベルト」って言ってたんです、最大で。

山本:
はい。もっとわかりやすく言ってください。
APDって?

林:
放射線を測定する機械をみんな持ち歩いて中に入るんですけれども、
APDっていうのがあって、それが、9ミリシーベルトをしきい値にするっていう。


山本:9ミリですか。

林:
はい。
で、9ミリを浴びたら、アラームが鳴る。
で、出ていくという、
それが、

山本:随分鳴らないアラームなんですね、すごいな、アラーム付けている意味もほとんどなさそうな・・・。

林:
それが5分の1ずつ5回鳴るんですね。
だから、5回全部鳴るとマックスで9ミリ浴びますよと。
で、「3回ぐらい鳴ったら現場の指示に従って出て交代して下さい」って。
で「それが約5分から10分ぐらいです」って。

山本:それぐらいしか居られないんですか。

林:
という話でした。
5分から10分ぐらいで多分鳴るだろうから、
そうしたら交代して次の二人ぐらいずつと順番にやって行ってくれって。

山本:
鳴ったらもう、その日の作業は終わりなんですか?
その9ミリというものを満たせば。

林:
だから、9ミリマックスまでは行かないようにするんですね。
だから5ぐらいで多分止めるっていうことなんでしょうけど。

山本:その日の作業は終わり?

林:終わりです。

山本:それ、全然作業は進まないですよね。

林:そういう事を続けていくしかないんじゃないですか?

山本:へぇ~、すごいな。

林:
だから
ただ、カクハンキっていう奴、クレーンでつって出して新しいのを入れるっていうだけの作業なんだけど、
それまでにゴムマットを敷いていく人が何人もいて、

山本:ゴムマットを敷いたんですか?実際。

林:
いや、敷かないです。
自分らたちはその入るっていう直前、前の週にそこで水漏れ事故があったんですよ。
そしたらなんだっけ?1cmぐらいのところに4万ベクレルとか何とか、ニュースに出てたんですけど、
水漏れ事故があったので、もう人が入れなくなっちゃったから、中止になったんですよね。


山本:敷いてもムリやという話になったんですか?

林:
敷くとか…もう人が入れなくなった、近寄れなくなった。
だからそれは免れたんですけれど、
でも準備している段階で、「酸素ボンベを背負う人だけでも50人ぐらい用意している」とか、
だから、たった「天井クレーンで吊って出す、入れ替える」っていうだけの作業に、
多分あの人達は2ヶ月3ヶ月って準備してて、
総動員で100人ぐらいの人数で、ゴムマット敷いて、ちょっと動かして、っていう。

山本:でもちょっとクレーンを動かしてたりだとか、っていう人達は、一応プロの人達なんですよね?

林:いや。

山本:熟練。

林:ぜんぜん。

山本:違うんですか?

林:
ぜんぜん。
ま、中にはプロというか、ちゃんと経験のある人もいましたよ。
だけど、

山本:一緒にやられたとか、同じ現場に居た人とか

林:
自分が居た中の資格を持っている人達は、
一人は、「ちゃんとこの人できるな」と。
後の何人かは、「資格持っているだけ」

山本:でもその資格を取るのにかなり練習しなくちゃダメなんでしょ?車の免許みたいに。

林:いや、あんなのは講習があって学科と実地で二日位あれば、、誰でもとれちゃう。

山本:二日でとれるんですか?

林:二日でとれる。資格だけは二日でとれる。

山本:
じゃあ資格を取ってから、もう全然動かしていない
ペーパードライバーみたいな人もガンガンやっているっていう事ですか?中で。

林:
そうです。
多分そんな人たちばっかり、というか、そんな人たちが圧倒的に多いでしょう。

山本:へー、すごいなぁ。危険な作業を素人が、沢山の素人が加わってそこでやっている。

林:
うん。
だって、自分は福島とか東京とかいろんな現場を見てきましたけれども、
クレーンとかああいうので自分よりも上手い人が一人もいなかったんです。


山本:そういう建築現場で働いていたこともあったんですか?

林:
そうです。過去10年位はそういう建築現場に居たから、
で、自分より上手い人を本当に一人も見ていないです。
東京でも福島の現場でも。

山本:林さんは上手いんですか?クレーンの扱いは。

林:いや、自分の地元に変えれば普通。

山本:普通。

林:
普通。
自分よりうまい人が全然いるし、特別そんなに自分がめちゃめちゃ上手いと思ったことは今までないです。
でも、あそこへ行ったら「大丈夫?この人達」
クレーンのレバーの操作にしても、もう、振りまくったりとかしてるから、
「この人と一緒じゃちょっと、危なくて近寄れない」って。

山本:ああ、極力この揺れっていうものを抑えるようにやらなきゃいけない。

林:
だから吊って、こう、クレーンって動くじゃないですか。
その時にブームが先に動いて下に荷があるんですね。
(荷が)後からついてくるんですね。
そうしたら、止めたらちょっと送ってやらないとピタッ!って止まらないんですよ。
これをガクンと(急に)止めたら、荷が振り子みたいになってずーっと振れるだけなんで。
・・・。
それが、下手!

山本:こわいな。関係ないところでまた事故が起きそうですよね。

林:「大丈夫かよ」っていう人たちが9割

山本:9割ですか!!

林:9割。

山本:あーーー・・・

林:自分が見た感じでは9割。

山本:
じゃあ、もう別の、たとえば放射線量が高い所に入っているというドキドキもあるけれども、
作業が下手な人達とも作業しなければいけないというドキドキもある。

林:
ちょっと正直、酸素ボンベを背負って暗い所に行って、
1週間ぐらい前に「はじめまして」っていう人とそんな事はヤダなって思いましたね。
この人とこの人なら組んでも良いけど、
この人達がどの位の技術があって、どんな癖があるとか、全く分からないじゃないですか。
「あぁ…無理」


山本:
普通の建築現場だったら、親方みたいな人が仕切って、
それぞれの能力を分かって、それぞれのポジションに送るっていう事をやるんですよね、多分。

林:そうですね。

山本:
そういう事が一切されない。
それぞれの能力が分からずに適当に配置している。

林:
そう、だから「資格持っているからこの人大丈夫だ、この人大丈夫だ」みたいな感じの、
扱い方っていうか降り分け方

山本:ちなみにどれ位の期間いらっしゃったんですか?

林:自分はその時は1日。

山本:
1日!!
どうしたんですか?どうして1日で

林:
いろいろと研修を受けて、通行証をつくって、実際1日作業に入ったんですけれども、
どうしても、呼ばれた内容がサーベイで長野から来ているのに、やる仕事が全く違うから、
「おかしくないですか?」って現場で言ったんですね、初日の作業が終わった時に。
で、ついでに。
ついでにって言うと何なんですけど一緒に行ったメンバーの中に、
18,19,20,21って若いのが4人もいたんで、
「この線量のところに行かせようとするには若すぎない?」って、
「ちょっと若すぎるんじゃないですか」みたいなことを現場の担当者に言ったんです。

山本:モノ申したんですか

林:
はい。
自分の雇用主である社長には、もうずっと言ってたんですけれどもらちがあかなかったので、
そのまま現場に入っちゃったから、ちゃんと聞こうと。
で、現場の担当者に「作業内容が全然違ってて、そういうふうに呼ばれて、おかしくない?順序として」
最初から「酸素ボンベを背負う仕事ですよ」って言って長野から来ていればいいですよ。
それは自分が納得してきているんだから。
でも、全然「後方支援だ」みたいな呼び方で、
現場について書類のサインもしてから「酸素ボンベ背負え」っておかしくない?
順序としてはって。

山本:後方支援で行ったのに、最前線に送り込まれるっていうのは

林:
言って、そういうことも言って、
しかも「18,19,20っていう若い人たちなんかは行く所じゃないよね」みたいなことを言ったら、
その日夕方呼ばれて、

山本:なんて言われたんですか?呼ばれて。

林:「林さんはもう今日限りでいいです

山本:
そっか・・・。
ややこしい人ですものね、そういう事言いだす人ですから。
現場としてはね。

林:
現場にそういう事を言う人がいちゃ困ると、
黙って、言うとおりに働いてくれる人じゃないと困るってことじゃないですか。


つづくーー


 4・25 第16弾 東電直撃デモ  報告

2013年05月07日 | 被爆労働
  今回のデモは、東電が再稼動を狙う柏崎刈羽原発の再稼動反対を焦点にしました。

 この日は、昼間に法政大学でデモが呼びかけられていました。そして、原発御用学者の犯罪を追及し、学生自治会運動を再建しようと奮闘している学生が6人逮捕されました。(うち4人は、翌4月26日、5月5日に残る2人も釈放)


 いつも80人近い公安警察がリレートークとデモに威圧をかけてくるのですが、この日は、学生
への弾圧で人数も少なく、学生への弾圧と経産省前テントの撤去策動を許さない思いで、安倍政権、それから国家権力に思いっきり怒りをぶつけ、元気のいいデモをやりぬきました。新橋飲み屋街から出てきたほろ酔い気分のおじさんも「僕も原発に反対」と声を掛けてくる、ちょっとした解放区です。常連さんも多数参加。

 デモ終了後、『柏崎刈羽原発反対闘争の歴史』と題して、元新潟大学・全共闘の片岡謙二さんにレポートをお願いしました。
 まず、福島原発事故以降、3月28日に東北電力が浪江・小高原発建設計画を断念し、また、東電が柏崎刈羽原発の4月再稼動を断念したことを、みんなの勝利として確認しました。そして、「確かに17地点で原発が54期建設されてしまったが、同時に全国26ケ所で原発建設を阻止してきたのだ」と、闘いの歴史を学びました。資料も豊富で、柏崎刈羽原発に反対して闘った村ぐるみの闘いや、「豆腐の上に立ち」、原発直下には「真殿坂断層」があり、ひと目で柏崎刈羽原発の危険性を捕らえることが出来ました。新潟との連帯が運動を広げ強めると確信しました。

 新橋アクションは、東電の柏崎刈羽原発再稼動阻止を訴えて、今、東電の再稼動計画が瓦解する状況を目の前にしています。賃下げと雇用破壊に抗する労働者の闘いを作り出し、原発労働者に展望を示そう。福島とつながり、東電の責任をがんがん追及して、行動を持続していきます。全国のみなさん、ともに闘いましょう。 

  次回は、↓↓↓

  


   『原発行進曲』                   「電力腐敗」:三宅さん作詞

 放射能というリズムとともに

 亡者の列が進む
 
 声をかけても
 
 水をかけても
 
 砂をかけても
 
 とまらない
 
 「安全、安全」と言いながら
 
 破滅のふちに向かって
 
 列は進む
 
 だれか
 
 だれかこの曲をとめてくれ
 
  
  ∵みんなの力でとめよう!