原発とめろ!新橋アクションのブログ

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「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ2

2013年07月03日 | 被爆労働

【みんなが楽しくHAPPYがいい】

2013年6月27日
「本当の事を言って、何か不都合でも?」― 山本太郎が学んじゃうよ― 
~「逃げて」福島第一原発元作業員の話を聞く ~


動画はこちらにあります↓

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/87132

林哲哉氏(福島第一原発の元作業員)

2013062912.jpg


ブラックリスト

山本:
ひどい話やなぁ・・・。
で、もうその一回こっきりですか?1日こっきりですか?原発に入ったのは。


林:
いや、自分はその1日で首になって結局帰ってきたんですけど、
周りは自分が行ったっていう事を知っているから、
勝手に奉られちゃったんですよ。
「ありがとう」みたいな。
みんな「我々のために作業してくれて、危険な所に行ってくれてありがとう」
みたいな感じですごく言われちゃって、
「何にもしてないよな」って、ちょっと・・・

山本:1日行ったよな。

林:
1日行ったけどそれだけだし、しかも時間も1時間だけで実質2時間ぐらいしか作業してない。
もうそれだけでその日の線量がマックスになるから。
なので、あんまり「やった感」がないっていうのか、
で、みんなには「ありがとう」「ありがとう」って言われるから、
「まずいよな」って思ってね。
で、もう一回、じゃあ。
最終的にもうちょっとやろうかなと思って、もう一回行ったんですね。

山本:もう一回行ったんですか!

林:はい。

山本:
1回クビになったのに。
でも1回クビになった…っていうか、現場を騒がした男ですよね。
「変な奴来たぞ、クビにしろ」って言ってクビになった。
で、またエントリーしようと思っても、
それはもう、ブラックリストに載っているんじゃないですか?

林:
そう思ったんですよね。
なので、同じ系列の会社は全部ダメでした、アウト。

山本:ご丁寧にそこからまた行ったんですかw。

林:
元請けがあって、二次請けっていのが二つ三つあるから、
ちょっと違う所で募集があったから、履歴書送ったりとかしてみたんですけど、
名前を言った時点で、やっぱり何の音沙汰もなくて、音信不通になっちゃって、
で、全然違う元請けのところの募集に行ったら、そっちは普通に入れたんですよ。

山本:はいっちゃった

林:入れた。そこまで管理できてないんじゃないですか、だから。

山本:全然できてないですね、それは。

林:
こっちは、自分たちのグループではブラックで。
とっくにブラックだけど、こっちはまだ分からない、情報が行ってなかったのかもしれないけど。

山本:
6次受けまで会社があって、もういろんなところがあるから、情報が広がらないんですね。
で、次志願して行きました。

林:そうですね、2回目。

山本:すぐ行けたんですか?

林:
いや、そこは、「仕事が出来たらすぐに呼ぶ」っていうみたいな感じで、
それまでは、東京とか建築の現場。
どこかの現場を手伝ってくれみたいな感じで、そっちをずっとやってて、
で、そっち(福一)の仕事ができた瞬間に行くっていうみたいな感じで。

山本:
じゃあ、連絡を取ってから現場に入るまでっていうか、
福島の第一原発に入るまでにどのくらいの期間がありました?

林:えーっと、3ヶ月ぐらい。

山本:3ヶ月ぐらい。で、連絡がかかってきたんですか?

林:
その会社の、東京で違う仕事をやってたんで、
もうその会社の仕事をやっているから、じゃあ、この現場に行ってから、
福島の現場が出来たらそっちへ行ってくれっていう。

二度目の福一

山本:
待機してたんですね。
で、その2回目に行った時には、どんな仕事を?

林:
2回目に行った時には、キャスクっていう、
今度燃料棒を取り出して、その取り出したのを仮保管しなきゃいけないタンクをつくってるんですね。
その基礎工事。

山本:あの4号機傾いてるよーっていう奴の中身を出そうと、その先。

林:
いま出しても持っていく所がないじゃないですか。
だからそれを仮置きする鉛のでっかいタンクをつくる。その基礎工事ですかね。

山本:
はぁ~、なるほど。
その基礎工事をやっているところはそんなに線量が高い所じゃないんですか?

林:
ないですね。
前回に比べれば全然低い、っていうか、
福島第一原発の中、あのでっかい敷地の中って、高い所ってあの建屋のところ、あの辺だけなんですよ。

山本:なるほど。

林:
何でか?って言うと、こっちは地盤改良っていうかいろいろ堀起こしてたりとか、
木も土も全部剥いじゃっているから、割と線量が低い。

山本:また新しくアスファルトを敷いたりという事をやっているっていう事ですね。

林:
どんどん木もみんなぶっ倒しちゃったりとか、汚染されたものをどかしちゃて、新しいものを建てているので、
裏側っていうか、広報周りは比較的、思ったよりも高くなかった。

山本:
現場の雰囲気というか、福島第一原発の雰囲気。
沢山の人達が、何千人という人たちが中に入って、もうてんやわんやというか、
すごく忙しい感じで作業をされているんですか?みなさん。

林:いやぁ…、ゆるい感じですね。

山本:ゆるい感じ?

林:ゆるい感じ。って言っていいのかな。

山本:
決死隊というような人たちが毎日作業をしていて、後ろで後方支援しててみたいな、
常に緊張状態がそこに漂っているっていうような、そういうイメージですね。
そこを知らないものにとっては。
沢山の人達が、もう、ひとひとひとで。

林:
いや、全然そんなことないっていうか、
っていうか、そもそもあの建屋の周りとかって、普段は全然いないんですよ、人が。

山本:建屋の周りに人がいない

林:ほとんどいない。

山本:
線量が高いから、っていうこともあるでしょうけど、
作業は、でもやってるんですよね?

林:
自分が2回目に行った時は1ヶ月半ぐらいいたんですけど、
その間毎日というかちょいちょい上から建屋の方を眺めるんですけれど、
基本、人はいないです。ほとんど。

山本:どこから眺めたんですか?

林:北西の方のちょっと高台の方から、眺めるっていうか見えるんですけれども、

山本:1ヶ月半いたから時間がる時にちょっと高台から福島第一原発を見たんだ。

林:
横を車で通ったりとか、通るんですけど、行くんですけど、
基本、居ないんですよ。
結局線量が高くて、そんなに近づけないから、
多分計画的になにかしたいという時だけ、ちょっと行って、やるくらい。


山本:
でも、ちょっとまってください。
なんかマスコミが福島第一原発に入ったっていう時の映像とかは、
結構作業員の方がいらっしゃったりとかというのは。


林:
あぁ。その時だけじゃないですか。
監視しているのか、何しているのか分からないですけど、
そういう時だけはわかりますよ。
今日マスコミのバスが来たなって、通るとわかるし、
そうすると建屋の周りにちらほら人が居たりとかするから。

山本:あ、人を配置する

林:配置しているのかどうか分からないですけどね。

山本:
あれですね、「北朝鮮のピョンヤンはこんなに裕福です」みたいな、
取材が入った時に、人を送り出すみたいな。

林:
そうかもしれない。
普段、(線量が)高すぎてあんまりできない。
毎日2000人とか、3000人いるのか分からないんですけど、
みんな大体後方っていうか、裏の、周りでやっているだけ。

山本:
最前線の作業をしなければいけないところだけれども、
みんなやれることは「後方支援だけ」みたいな。

林:
多分ほとんど、タンク作って水を回して冷やしているから、
タンクを毎日作っているとかそういう事ばっか。
水周りとか。
で、後の半分ぐらいは、多分サーベイ。

山本:収束作業ですよね?

林:
でも、行った人達は汚染されてないかとか、
あと1Fから出ていく車とか、みんなやっぱり検査しなきゃいけないから、
そういう人たちがすんごい居るんですよ。
1台1台車を見るし、人も休憩のたんびに見るし、
で、休憩所とかは汚染されていたら水も飲めないんで、
そこを綺麗にするために毎日掃除をしていて、
免震棟なんかはもう、廊下を曲がるたんびに掃除する人がいるような感じ。

山本:
じゃあ、現場に居てても、「作業している人たち」という印象よりも、
後ろでタンク作ってたりする人とか、あと、サーベイしている人、掃除している人しか、
あんまり印象に残っていないっていう事ですか?

林:
そういう人たちが圧倒的。
でも、そういう人たちがいないと多分出来ない。

山本:
そりゃそうですね、ええ。
じゃあ、林さんが見た福島第一原発の収束作業って言うのは進んでいるんですか?

林:
いや。
だから肝心な所に人がいないから、肝心なところは進んでないんじゃないですか。

山本:手の施しようがない

林:
行けない、出来ないんでしょうね。
周りでタンクをつくる。
今年も清水が80基つくるとか、去年大成が100何基つくるとかって、
でっかいタンクを毎年作っていくだけなんじゃないですか、知らないけど。
それがメインでした。

山本:
うーん…本当にね。
すみませんね、本番中にどよんとしちゃってね、ぼくもいまの話を聞いてて。
いやぁ、そうですか。
ちょっと話は変わるんですけれども、
収束作業員の方が建ってどんな生活をされているんですか?
どんな一日なんですか?
どこに泊っているんですか?

宿泊施設

林:2回目に行ったところは仮設の宿舎があって、

山本:それは原発からどのくらい離れたところに?

林:車で30分ぐらい離れているかな

山本:結構離れるんですね。

林:そうですね。

山本:じゃ、湯本とかをもう越えちゃう感じなんですか?上に行くの?下に行くの?

林:みんな行くのはいわきだけ。道はもうそれしかないです

山本:なるほど。

林:
それも問題だと思うんですけれどね。
中でなにかがあって逃げるとしたら、その道がたとえば崩れたら誰も逃げれない。


山本:
それも全ての原発に言える事ですよね。
けっこう、若狭の方とかもずーーっと一本道だったりとか。

林:そもそも問題じゃね?みたいな。

山本:
うん。
いわきの方まで行く。

林:みんなだから、あそこに行く人達はみんないわきの方から行ってる。

山本:
最初はそういう仮設の宿泊所があったんですか。そこで寝泊まり。
そこは、じゃあ、ただで泊まれる?

林:そうです。

山本:どんな感じなんですか?もうプレハブみたいなところですか?

林:そうですね、プレハブをダーーッって繋げたような感じ。

山本:そこを何人ぐらいでシェアするんですか?

林:自分は個室でした。

山本:個室があるんですか

林:
そこは個室でした。
ほかの、JVとかいろんなところで一番いいって言われていましたから。

山本:その泊っていた仮設のところが、

林:はい。
そこはみんな個室で一人一人あって、
2~300人ぐらいいたのかな。


山本:
でもその何千人もいる人達は、
もちろん地元の人だったり、いわきに住んでいる方もいらっしゃるでしょうけど、
仮設以外に宿っていうのはなにかあるんですか?

林:
知っているのはたとえばもともと旅館だったりとか、
ラブホテルだったりとかそういう所を買い取ってそこでやってたりとかしているみたいですね。

山本:そういう所も無料で泊まれるんですか?

林:元請けがでかければ、

山本:あ、そういう事があるんですか。

林:
入り方次第ですかね。
たとえば元請けから一次二次ぐらいの募集で行っている人達はそういう所に入れて、
食事も付いてとか、宿も一応タダっていう事になっているんですけれども、
もっと下の5とか6になると、行ったら「実は宿代が一日1600円かかるんですよ」。
一回目はそうでした。


山本:お金取られる、1600円。

林:
1600円かかるんですよ。
1日1600円って、月に5万っていう事じゃないですか、部屋代が。
っそれはもう、どういうルートで入ったかによって、全然違います。


給料・暗証番号指定の通帳
この部分は同じ内容をすでに記事にしています

山本:
ごめんなさい、もうストレートに聞いちゃいますけど、
収束作業員、その役目によって違うかもしれないですけど、
いくらぐらいもらえるんですか?給料。

林:
どうなんですかね、
自分は1回目は1万3000円でした。
2回目は1万1000円。

山本:1万1000円。

林:
っていう話だったんです。
最終的には1万3000円くれたんですけど、
でも、雇っている会社は12000円プラス特別手当が6000円で1万8000円出してたんです。

山本:どういう意味ですか?

林:
2回目に行った時も、一応そこの二次請けの社員っていう事になっているんですね。
だけど、実は間に一人居て、その人が間を抜いていく訳ですよ。


山本:本当は1万8000円出ている。けどそれを、

林:
自分が最終的に貰ったのは1万3000円。
1日5000円抜いている。


山本:へぇ~。

林:
そのために、「新しく通帳を作れ」って。
「口座をつくれ」っていうんですね。


要はその会社から直接口座に入れたっていう証拠が欲しいんだと思うんですけれども、
新しい講座をつくって、通帳と「暗証番号はこの数字にしなさい」って言って、

山本:暗証番号の指定があるんですか?

林:指定があるんです。
「えっ?」とか思いながらも通帳とカードを全部渡すんですよ。
で、会社からはその個人個人のみんな社員って登録している人たちの口座に入れたっていう事にして、
でもその人が全部そこから出して、お前今日これな、これなって、現金で封筒で渡されるだけ。

山本:すっげーブラックやな

林:
初めてですよ。
通帳もカードも番号も指定されて渡すなんて。

山本:
ま、形としては「ちゃんとお支払してます」と。
「お金はここに入りましたよ」と。
だけど、実際は手渡しで間抜かれているっていう話なんですね。
ん・・・、これま、
自分がどこに会社に所属するかっていう事で、宿台もとられてしまうし、っていう事になる。
それが大きければ宿台がタダになる可能性もあるけれども。

どんなもの食べているんですか?

食事

林:
そこで賄いの人がいるんで、ちゃんとした。
ちゃんとした、そうですね。

山本:
たとえば作業中は?
ちゃんと出るんですか?たとえば食堂みたいなものがあって好きに食べても良いとか。

林:
いや、中は基本的にカップラーメンとかそういうものの持ち込みがOKなんで、
みんなコンビニとかで買っていってるんですよね。


山本:
それも全員一緒ですか?3000人とか2000人居る人たち。
東電の社員とかも、何ですかGEの社員とか、わからないけど。

林:
東電の社員の人達はどうしているのか分からないですね。
会社が全然別個なんで。
もう、入り口からしてバスが違う
入っても中で全然違う所に居るから、東電の社員の人達が何をしているかは分からない。


東電社員のバスは綺麗なバス

山本:バスが違うっていうのはなんですか?

林:
福島原発に行く前にJビレッジっていう拠点があって、
そこからみんな専用のバスで行くんですよ、作業員は。
でも、東電の社員は専用のバスがあるんですよ。
うちらはそこでタイベックスーツを着て、白い。
で、マスクも途中から付けて、中に入るんですけど、
あの人達は普段着のまんま行けるんですよね。バスに乗って。

山本:待遇が全然違うんだと。

林:
もしかしたら、大分綺麗になっています読みたいなアピールかもしれないんですけど、
バスからして、ま、要は綺麗なバスっていう事ですね、言っちゃえば。

山本:
なるほど。
じゃあ、中で東電の社員さんは食堂があったりもするかもしれないですか?

林:食堂はないですけど、弁当は確かとれるような事を言ってましたよ。

山本:そういう意味では、自分たちはカップラーメンを買ったりして持ち込まなければいけない。

林:そうですね、基本そうですね。

山本:なるほど。


ーーつづく


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