原発とめろ!新橋アクションのブログ

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<原発元作業員>警報の中、線量計外し汚泥除去 実名で証言

2013年05月06日 | 被爆労働

毎日新聞 5月5日(日)11時25分配信

 ◇福島県双葉町出身の47歳


 東京電力福島第1原発などで18年間、原発作業員として働いた青森県弘前市の無職、石澤治彦さん(47)が毎日新聞の取材に応じ、放射線量の高い場所では線量計を持たずに働くなど、危険な被ばく労働の実態を証言した。元原発作業員による実名での証言は異例。石澤さんは健康の悪化から失職して妻子とも別れたといい、「自分と同じ後悔は誰にもさせたくない」と口を開いた。【袴田貴行】

【写真で見る】津波に襲われる東京電力・福島第1原発の画像公開

 ◇「工期優先、被ばく隠し」離職・闘病の実態も

 石澤さんは福島県双葉町出身。20歳から9年前まで、福島第1原発を中心に各地の原発で働いた。個人事業主の立場で元請け企業と請負契約をし、主に現場の線量をチェックする放射線管理員を務めた。

 石澤さんによると、同原発1号機のプラント改良工事に従事した93年ごろ、圧力抑制室にたまった汚泥の除去作業で線量を測定しかけたところ、累積線量を測る個人線量計の警報が鳴り出した。しかし、元請けの現場監督から工期が遅れるとして続行を指示され、被ばく隠しのため線量計は外した。毎時30シーベルトまで測れる放射線測定器の針が振り切れ、防護服を着ても作業できないレベルだったが、同僚約50人とバケツリレーで汚泥を除去した。

 今も所持する放射線管理手帳に記された累積被ばく線量は95・15ミリシーベルト。法令上の被ばく線量限度内だが、しばしば線量計を外して作業していたため「実際はその5倍か10倍か分からない」。

 また同年ごろ、1号機で炉内の冷却水を循環させるジェットポンプの清掃に携わった時には、同僚と誤って高濃度汚染水のプールに転落。同僚は右腕骨折の重傷だったが、元請けの現場監督は「けががばれないように放射線管理区域から出るように」と指示。事故は公表されなかった。

 35歳ごろからは難聴や倦怠(けんたい)感に苦しんだ。妻と2男1女を抱え、失職を恐れて病院の健康診断書をパソコンで偽造し、元請け企業に出すようになった。だが38歳の時に元請け指定の病院で健診を受けさせられ、白血球の異常増加が判明。「もう働かせられない」と言われ、診断書偽造の弱みもあって争わずに職場を去った。体調悪化で別の現場で働くこともできず、自ら切り出して妻と離婚した。

 今は月6万3000円の生活保護費をもらい、弘前市内のアパートで暮らす。狭心症の発作や重度の糖尿病で寝込む日も多い。こうした疾患と被ばくの関連性を指摘する専門家もいるが、相談した医師からは「因果関係は分からない」と言われた。

 そんな日々を送りながらも、ふるさとの仲間と今年3月、原発事故による避難生活が続く福島県双葉町民の苦悩や県内の除染の状況などをフェイスブックに書き込むグループ「双葉町ネット」を結成した。4月22日には東京都内で活動報告会も開いた。

 「苦労をかけた家族も福島で避難生活を送っている。罪滅ぼしも兼ね、ふるさとの苦境を全国に発信し少しでもよくしていきたい」

 ◇東電広報部「確認できない」

 石澤さんが証言する労働実態について、東京電力広報部は「調べたが、現時点ではそのようなことがあったという事実は確認できていない」としている。


福島 警戒区域での仕事

2013年05月03日 | 被爆労働

                      

                         渡辺さん

 

 

政府と福島県は、警戒区域見直しで原発周辺地域の立ち入り禁止
を解除しようとしています。

 左の地図を見てください。福島第一原発から20㌔メートル圏内に
あって今なお高線量の放射能が計測され、上下水道も復旧して
いない浪江町、大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町に住民を帰そう
としているのです。

 3・11から2年。福島第一原発事故は収束どころか放射性物質は
今も拡散し続けています。除染の限界が明らかとなり、核燃料プー
ルがいつ崩落するかもしれないと言われる中で、今も16万人の人び
とが避難生活を余儀なくされています。3・11で約2万人の生命が
奪われ、数十万人が家と職と家族、古里を奪われました。震災関連
死は2300人を超えています。今もなお子どもたちの命と未来が
奪われ続けています。

 政府は放射能汚染ゴミを福島に押し付け、ゼネコンは除染やガレ
キで巨額の金もうけをし、口をそろえて原発再稼働を言っています。
これは福島棄民であり、国家による虐殺以外のなにものでもありませ
ん。

 警戒区域の見直しは、電話回線と電話交換所を保守している私たち
NTTの職場の問題にもなります。NTT東日本本社は「警戒区域解

除の指示が出たから災害復旧作業をしてくれ」として、これまでタイベッ
クス(防護服)を着て作業をしていた地域に、これからは何も気にせず入
れというのです。
 

 まさに被曝の強制そのものです。除染はまったくされていません。警戒
区域解除で、青年労働者、女性労働者も出入りさせられるのです。
「作業指示を出すのであれば、労働環境を本社自らが調査し安全の確保
をしなければならないのではないか」「電話交換所の除染もまったくなさ
れず生活もできないところに電話回線の復旧を強制するN TT 東日本
のあり方は許せない」「現場労働者の命の問題だ」。
いま職場から抗議の声が上がっています。

 原発と被曝労働の問題は命のかかった労働組合の課題です。しかしNT
T労組の御用幹部は、現地で作業する労働者の労働環境について何の取り
組みもしていません。

 3・11福島の地平の発展をかけ被曝労働拒否の3月ストを闘った動労水
戸の闘いに続き、職場から闘いを巻き起こして階級的労働運動をつくり出
していきたいと思います。