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東電社員バッシングが生む"最悪の結末"の可能性

2013年07月26日 | 被爆労働

2013年7月24日(水) FM東京 TIME LINE 
東電社員バッシングが生む"最悪の結末"の可能性
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上杉 隆さん
元東京電力社員・吉川彰浩さん(33)

今も福島第一原発で収束作業に当たっている人たちの現状と
彼らに浴びせられるバッシングについて、
全国各地で公演活動を行っている東京電力の元社員吉川彰浩さんにスタジオにお越しいただきました。
吉川さんよろしくお願いいたします。

上杉:事故当時、吉川さんは何処にいらっしゃったんですか?

吉川:私は、福島第一原発から南へ10km離れた福島第二原発という所にいました。

上杉:
その第二原発で働かれて被災、ちょうど3.11の時にいらっしゃったんですが、
その後東京電力をおやめになったという事なんですが、東電を辞めた理由というのはなんでしょうか?

吉川:
私は震災後1年半ほど会社の方にいたんですが、その中で私が見てきた悲惨な状況というのが、
今まで一緒に仕事をしてきた仲間たち、社員もそうですが、作業員の方。
そういった方々がいわれのない差別や偏見、そういったもので、
ま、それとですね住居環境、そういったものの悪化もあって辞めていってしまっている。
私の目から見ますと、大変頼りがいのある人たちが辞めていく実情を一般の方が知らない。
そして、30年、40年続くこの廃炉の作業がですね、
このままでは続けていく事が出来ないんじゃないか。
そういう思いがありまして、辞めることによって自由に発信できると。

上杉:発信、という事は今何かをやられているんですか?

吉川:はい、私は今現在講演活動の方を行っております。

上杉:
なるほど。その講演活動に関しては、全国というかいろんなところに行って、
現状というか、作業員の受けた状況というものをお話しされていると思うんですが、
具体的に、吉川さんを含めて東電社員、それから作業員のバッシングというものが、
ちょっと聞いただけじゃもう信じられないような状況なんですが、
それはどういうような事があるでしょうか?

吉川:
まず二つに分けてご説明したいと思います。
一つは東電社員へのバッシング。
もちろん進まない廃炉作業とか、保障の問題、現地で起こるトラブル、会社の情報公開の悪さ、
そういった所については、当然のごとくバッシングしていただいて結構です。
私もバッシングされるべきだと思っています。

しかし、そこで働く人達は、人権を無視したような発言。
ま、暴言ですね。

上杉:具体的にどんな暴言なんですかね?

吉川:
非常に言葉は悪いんですが、「人殺し集団」「無能の集まり」「将来無給で働きなさい」とか、
場合によっては「汚染水を自分たちで飲んでみたらどうだ」
そういった事を言われたりしています。


上杉:
バッシングっていう事自体が非常に今回の件でおかしい話ですね。
いま吉川さんがおっしゃったように、
バッシングというよりはむしろ東電の会社とかシステムとかに対する批判はあってしかりなんですが、
作業をしている個人の方、これは同じ人間ですし、
そこに対してバッシングするというのは全く、これは中身が違う話で、
これによってバッシングというのはどうも解せないというのがそこの部分にあるんですが、
他にはどんな事があるんですか?


吉川:
そうですね、まず社員においては自分たちが批判されることに対しては、
あの・・、我慢がきくというか、頑張れるんですが、
その暴言というものが自分の家族、特に子どもに向けてですね、吐かれたり、
場合によってはいじめに遭ったり、
私の親族なんかはたとえばゴミを投げつけられたりとか、そういう事が実際あります。

上杉:それは東電社員だから、東電社員の家族だからそういう事があるわけですか?

吉川:そうです。

上杉:
それはちょっとひどいというか、おかしな話ですよね。
今現在東電の社員自体、これは別に何の罪も課してないわけです。
そして原発推進、反対もそうですけど、それに対してそういう批判をするという事自体が、
非常にこの社会全体の自由な空気と同時に、
本来ならばこの中で作業されている方というのは評価されてしかるべきなんですが

吉川:そうですね

上杉:それが批判されるというのが、非常に怖いですね。

吉川:はい

上杉:
そのバッシングによってこういう、
バッシングというか心ないバッシングというか、ちょっと考えようがないんですが、
これによってどういう事が問題になると思われますか?

吉川:
実際に辞めていく社員、
そして作業員の方もですね、現場で働いていますから当然のごとく放射能に被ばくするんですが、
いわれのない「放射能がうつる」だとか、「近づくだけで被ばくする」とか、
言葉は悪いですが「歩く放射能」などという事もいわれまして、
また、そういったことに耐えられなくなって辞めていく。
結局、福島第一原発を知っている熟知している、技術力もあるという人間が、続々と辞めていって、
私がみている限りでも
全く顔も名前も知らないような全国から集まった原発の経験が無い作業員に、今、入れ替わっている。
非常にですね、震災後もそういった事が起因となるトラブルが多いんじゃないかなと思っています。


上杉:
あの、周辺の人達はやはり、その辺を分けて考えた方がいいのかなと、
実際に作業をして、現に大変な思いをしている方に対してはむしろ温かい目。
批判をするならば、その作業員の方も被害者な訳ですね。
非常に危険な所。
私も2011年の3月に東電の本店の方で質問した内容が、
ちょうど2号炉のピットのわきですね、作業員の方が計測機で測っていたんです。
そこで質問したのが、そこの試料が1シーベルト超/時だったんっです。
「超というのはこれはどういう事だ?」と。
「5なのか10なのか分からないじゃないか」と、
そして「その作業員の方は健康診断をしたのか?」と、言った時に、
これは東電のシステムの方ですね、会社の方は、
「線量計は津波に流されてありません」と「たぶん大丈夫だと思います」と。

ここはやはり、東電の社員は一体化して見ずに、
むしろ逆にですね、働いている人達は私たちの変わりにそのきつい作業をやってもらっているんだと、
その作業員の健康やあるいは命を守る事、という温かい目が必要だと思うんですが、
またこの3回目の夏を迎えています。
これで本当に作業大変ですよね。
この中にいる人たちに対してどういうふうに、
いま吉川さんはそこから出てきていますが、どういうような言葉をかけられます?


吉川:
私が良くいうのは「決して無理はしないでください」と、
非常にその、廃炉を進めていく、早く終わらすという事に関して言えば、矛盾があるんdねすが、
決して無理はして欲しくない。
いつもそのようにですね、ただ単純に「頑張れ」とか、いう言葉はかけられないでいます。


上杉:
廃炉も最初は「2011年4月17日には、9ヶ月で作業は完了する」と。
おそらくその時に入っていた作業員の方もそういうふうに信じた部分もあると思うんですね。
周辺の方も。
でもそんなことはないのは、もうみんなは分かっていますよね。
長い長い作業がこれから待っていて、そして熟練された人たちも吉川さんのように去っていく。
この中で、現場の人達はそれでも頑張っているということなんですが、
それを周りの人達はどういうふうに受け止めていいか、
そのリスナーとか、あるいはですね、
吉川さんをはじめ作業員をバッシングしている人に対して今言える事、言いたい事ってありますか?

吉川:
そうですね、
いま非常にテレビとか新聞、ラジオを通してですが、現地の情報というのが大変少なくなっています。
そこでですね、誤った情報で批判をしたりとか、そういう事は止めてほしいと。
またそこで働く人達は働いていける環境が実はないんです。
作業員の方の多くは、ま、民宿といったところでですね、大部屋でタコ部屋。
そういった所10人、20人で生活している。
また作業員の多くは、現地で働いていた方ですから、
作業員であり、被災者でもある。
仮設住宅とか、借り上げ住宅、そういった住みにくい環境から今仕事に携わっている。
そういった実情をよく知って頂きまして、
また決して福島原発は廃炉にきちっと向かっているのではなくて、
あそこで働いている人間たちは電気をつくる、または作る設備をなおすプロであって、
粉々に破壊された原発をなおす集団では決してない。

みなが手探りでやっているという実情を知って頂きたい。
そしてそこで働く方々を支援する仕組みとか、社会が成り立たない限り、
もしたしたら、原発事故が再燃するかもしれない。

そうなった時には決して福島だけの問題ではなくて、
東京に住まわれている方の問題でもあるんじゃないかなと、

上杉:
3月の23日にはですね、実は政府は福島第一原発すべてメルトダウンして、そして
230km圏外へ全員避難するという近藤メモというものをつくっていた。
そういうものを想定していた訳ですね。
そして、今その状況が、じゃあ改善されたか?というと、
何ら変わってないと。

吉川:かわってない。

上杉:
昨日もですね、3号機の5階の部分からは最高値で2100マイクロシーベルトと。
これは毎時なんですけど、簡単に言うと2シーベルトですよね。
このような高線量の中で、まだ作業をしている方がいらっしゃると。
それを考えると、本当の現実を知って、そして、その作業員の人達、
一人の所長だけを英雄視するんじゃなくて、

吉川:そうですよね。

上杉:そこにいるみながやっているんだという事を考えなくてはいけないと思いますね。


ーー:
吉川さんのお話を受けましてですね、リスナーの方からも一通頂いています。
「東電社員だからといって、作業員に向かって人殺し集団だとか汚染水飲めってひどすぎる。
自分の命を削って作業をしているのに」
「日本の滅亡を防ぐ重要な任務へつく方へ感謝しきれない思い」というようなことでごさいますが、
上杉さんは吉川さんの話を聞いてどのような事を今考えられますでしょうか?


上杉:
そうですね、
吉川さんとお会いしたのは初めてなんですが、
私も3.11直後から多くの作業員の方々にお会いをしています。
でも、名前を出して、そして顔を出してここまでいう、その勇気というのは実はすごい大変なんですね。
今まで顔を出された方というのは、相当の覚悟を決めて。
その方に対して、普通だったら「よくやった」と、
そして「仲間たちを助けよう」という世論をつくるのが当然なんですが、
日本はどうも逆を向いていると。
「余計な事を言うな」と、「本当の事を言うな」と、
これを何とか直していかなくてはいけないなと、
そういう意味では吉川さんの勇気というのは本当に敬意に値しますね。


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