北海道大学馬術部ブログ

現役北海道大学馬術部のブログです。

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新人戦 仙台2日目

2018-11-24 18:34:44 | 試合関係
刃の如く鋭く冷たい風が吹き荒れ、暖かい温もりを持った太陽がその風から人を守るかのように姿を現し始めた午前7時頃、まだ小さく芽の出ていないじゃがいもたちは、東北大学に向かって歩みを進めていました。
3つの中でも大きなじゃがいもは少し緊張していました。2つの小さめのじゃがいもたちは、まだ土の中にいたいよう、と眠そうにしていました。

電車に揺られ数分。
「わぁ、きれい」
思わずそんな感想が漏れるようなところに東北大学馬術部はありました。
これでこそ番犬、というくらい必死に自分のテリトリーを守ろうとする、新じゃがのような色をしたお犬様からの熱烈な歓迎を受け進んだ先には、他の地域から来た、まだ芽の出ていない小さなものたちがたくさんいました。ピリッとはしていない。けれど、確かにいつもとは違う雰囲気に思わず2つの小さめのじゃがいもたちにも緊張が走ります。

正装に着替えたじゃがいもたちは、昨日満杯まで貯めた栄養分をエネルギーとして放出すべく、いざ参らんと馬場へ小さな一歩を踏み出しました。いつもと違う馬。いつもと違う景色。いつもと違う空気。小さなじゃがいもたちがそれを受け入れるのに時間はかかりませんでした。じゃがいもたちは小さいけれど、その心は強くしっかりとしたものだったのです。

試合開始。徐々にじゃがいもたちの出番が迫ってきます。
一番手は、3つの中でも一番大きなじゃがいも、田中沙季。彼女はよくできたじゃがいもでした。カルストン号をしっかりと動かし難なくこなしていきました。帰ってきた彼女からは、芽が出てきました。
二番手は、3つの中で一番小さなじゃがいも、楠野莉奈子。彼女はあまり心の強いじゃがいもではありませんでした。例によってお腹はピリピリとしていました。しかし、さざなみ号とともに無事帰ってくることができました。帰ってきた彼女からもまた、芽が出ていました。
三番手は、真ん中の大きさのじゃがいも、森翠。彼女はとても心の強いじゃがいもでした。少しやばいかも、と言われていたラ・カスター二ャ号に乗っても、いつものように一切の感情を表に出すことなく真顔で経路を回りきり帰ってきました。帰ってきた彼女からもやはり、芽が出ていました。

結果は予選2位。各馬の中でもみんな2位という結果になりました。もう少しこうできたのに悔しいな、いろいろなことに気を配る余裕がなかったな。沢山の思いがじゃがいもたちを包み込みます。納得のいく結果ではなかったかもしれません。しかし、その頭からはたしかに芽が出ていたのです。じゃがいもたちはたしかに成長し、大きな歩みで馬場から帰ってきたのです。この先、その芽を育てるも枯らすもじゃがいも次第。頑張ればきっと、春に美しい白い花を咲かせられるでしょう。今回の経験を経て、ひと回りもふた回りも大きくなったじゃがいもたちは、その顔に笑顔を浮かべ、今、北へ帰ろうとしています。
あとは無事に帰って、感謝を先輩方、そして同期のじゃがいもたちに伝えるだけです。

お家に帰るまでが大会。最後まで気を抜かず、ピカピカのじゃがいもに傷がつかないようにしましょう。
Potatoes be stronger.


※このお話は事実をもとに書いたフィクションです。
※お察しかと思いますが、書いたのは楠野です。
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新人戦 仙台1日目

2018-11-23 21:55:10 | 試合関係
お久しぶりです。
新人戦のために仙台に来てます、一年目楠野です。

札幌では、一昨日辺りから雪が降り始めましたね。なんでも記録されている中で一番遅い観測日だとか。心は都民である私にはまだはしゃぐ余裕が残っています。と言いたいところですが、今朝の雪かきで完全に足先をやられてしまった私は氷漬けにでもなったかのように歩くことしかできませんでした。笑顔はとうに消えていました。ちなみにもう数回は滑りました。転んではいませんが。大事なことなのでもう一度言います。転んでは、いません。

と、雪が楽しみでありながらもちょっと嫌になってきた私は、仙台はさぞかし暖かいだろうと期待を寄せていました。束の間の休息をとろう。そう意気込んでいた私の心はすぐに、今朝の雪かきで踏まれ壊されていった氷のように打ち砕かれるのでした。
寒い。普通に寒い。数日前の札幌となんら変わりないこの気温。
見事に私たちのいる間だけ寒い仙台なのでした。北海道から来たじゃがいもたちはせいぜい氷に埋まって鮮度保ってろ、ということなのでしょうか。まあ、仙台の方が札幌より栄えていると感じたので大人しく従うしかありません。本当は東京出身だけどね!従うよ!

と、寒さを受け入れた私たち。腹が減っては戦はできぬ、といういう胃の叫びを聞いて腹ごしらえをすることにしました。

まず食べたのは、ラーメンです。
ゆず香る塩ベースのスープは澄み渡り、まるで私たちの未来を暗示しているかのようにキラキラと光っていました。麺は細めで、これは馬のスレンダーな足を表現しているのでしょうか。メンマはしっかりとした歯ごたえと味によって存在感を示し、旧七帝大における北海道大学の立ち位置を示すかのように堂々とスープの中に横たわっていました。そして、チャーシュー。他では見たことのないチャーシュー。チャーシューと呼んでいいものだろうか、ローストポークという名の方がふさわしいのではないだろうか。そんな考えを食事中にもたらす彼らは、学生と呼ぶべきなのかライダーと呼ぶべきなのか、文武両道な私たち北海道大学馬術部の仲間たちを彷彿とさせました。
ラーメン界のレ・ミゼラブルや〜!
そんな一品でした。

次に私たちと対峙したのはリンツというチョコレート屋さんです。私は期間限定のクリスマス感たっぷりのチョコレートドリンクをいただきました。ふんわりと甘い抹茶のムース、微かながらも確かな酸味を感じさせるフランボワーズのソース、そしてその下にドンと構えるホットチョコレート。
口の中で、三重奏が奏でられとる。
まさに、オーケストラや〜!
そんな一品でした。

最後には、やはりこれでしょう。牛タン。仙台に来てこれを食べないヒトを人はアウストラロピテクスと呼びます。(注1)
さて、私たち一行が向かったのは、仙台駅3階にある善治郎という牛タン専門店です。数ある料理の中から私たちは一番無難なものを選択しました。いいものは、素材の良さを生かしたものでそのポテンシャルが一番発揮されるものなのです。
ここではあえてその味を説明することはいたしません。ぜひ足を運んでみてください。(本音はもう書くの面倒臭くなってしまった)

さぁ、私たちの胃は満腹。戦に向けて準備は整ったと言えるでしょう。明日は本番です。人が少なくただでさえ忙しい中、私たち一年生にたくさんの時間を費やしてくださった先輩方に恩を報いるためにも、後悔のないように挑みたいと思います。
Girls be ambitious.



注1…嘘です。
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