もう年末ですが、年齢も大台に乗ってから一年が経過し、
フツーの意味では有機生命体としてエントリーできる時間の
60%を既に消化してしまったことになる。
昨年よりも月日の経過が早く感じられ、昔によく聴いた曲を
久しぶりに聴いてみると、当時よりテンポが明らかに速く感じられる等、
ジャネーの法則には根拠はないが、やはり一理あるのだなと思える今日この頃。
仮に法則が全く正しいのなら、今後は時間の経過がより早く感じられ、
残り40%どころか15%未満になってしまいますね。
なんだか暗ぁい冒頭になりましたが、閑話休題。
さて、ワークスのパワー測定です。
訪れたお店は、9月にワークスのECUセッティングをしてもらったTOP FUEL。
現在ワークスの仕様は
マフラー:柿本レーシングGTbox 06&S
エアークリーナー:HKS スーパーパワーフロー
ECU:TOP FUEL オリジナルデータ
ショック:Turbo RS 純正
スプリング:RS-R Ti2000 DOWN
馬力とトルク、それぞれの特性は
身体能力に例えるならば、ストレングスとアジリティに、
RMコンクリートに例えるならば、高強度性と早強性に類似する。
シャシダイによる測定値は、計測馬力(軸の出力値)が94.3PS。
これにエンジンから軸に至るまでの損失馬力を加えた
修正馬力(エンジン出力の推定値)が100.1PS、
修正トルクが14.1kgmという吃驚の値に。
ノーマルタービン仕様でカタログ値の1.5倍以上もの出力となり、
良い意味で予想を裏切られる結果となりました。
冬季は気温も湿度も低く、過給機付きエンジンのパワー測定には
好条件ですが、やはりTOP FUELさんのECUセッティングに敬意を表します。
車両重量660kg(リアシート取り外し等で約10kgの軽量化)で
馬力が100.1PSですからパワーウエイトレシオ値は約6.6kg/PSになりますね。
上記の結果に活気付けられ(?)またもや某所にて0-100km/hの計測。
(燃料タンクの残量は前回と同じく半分ほど。)
手に伝わる情報を頼りに、シフトノブを通じての
マニュアルトランスミッションとのNVコミュニケーション。
それはクラッチを切る一瞬に行われる。
トライ1:7秒39
トライ2:7秒32
トライ3:7秒25
軽量化と吸気温低下の影響により、前回よりコンマ5秒近く短縮。
冬季限定のコンディションとはいえ
FFの軽自動車でこのタイムなら、自然に無理なく充足感に満たされてしまいます。
『車の加速性能が軟弱化した現代』におけるチューンド・ワークスは
もはや地上の小型戦闘機。
次に、こちらは22年近く前に ESPRITというお店で
チューンド・エボ3のパワーチェックをした際のダイノグラフ。
(TOP FUEL チューンです。)
今では宝物のひとつになってます。
1998年1月18日の計測データで、修正馬力が342.8PS、修正トルクが41.9kgm。
(ちなみに乾球温度12.0℃の湿球温度12.0℃ですから相対湿度は100%。
これは間違いでしょう。)
エボ3のグレードRSは元々エアコンレスの仕様で車両重量は1190kg。
これに純正エアコンを後付けし、後部座席の取り外し、ホイールはTE37、
FRPボンネット、スペアタイヤ&工具類の撤去などで軽量化。
某所で計量した車両重量は1150kgでしたので
パワーウエイトレシオ値は(小数点以下第3位を切り上げて)3.36kg/PS。
ほぼ同年代の某F社の550や360と比較してみましょう。
これらは古い世間語で言い表すとスーパーカーと呼ばれる部類ですが、
550の車両重量が1690kg、馬力が485PS、パワーウエイトレシオ値が3.48kg/PS。
360の車両重量が1450kg、馬力が400PS、パワーウエイトレシオ値が3.62kg/PS。
(どちらも小数点以下第3位を切り捨て。)
某F社は車体が重く、PWR値が示すとおり
チューンド・エボ3は加速性能においてはこれらを上回ります。
4WDでRE710kaiを履いており、スタート時のトラクションロスはほぼゼロ。
(もちろん最高速度では某F社にかないませんが。)
ある種の日本車をチューニングすればスーパーカー並、あるいはそれ以上の
車が手に入りますが、それは単に車が速いだけ。
お金で『速い車』は買えますが、『乗りこなし』は買えません。
戦闘力に優れた車の性能を引き出すつもりなど露ほどもなく、
非常に安全運転な高級スーパーカーのツーリング軍団をよく見かけますが、
そのような乗り方をする人々は、きっと価値観や感受性が
私とはあまりにもかけ離れているのでしょう。
いや、彼らは性質というか、生態系そのものが全く異なる生き物なのです。
ここまで違いが大きいと、さすがに腹は立たない。
セイウチやイクラを見ても腹が立たないように。