先月のことですが、まだ56歳という若さで旅立たれました。
両澤千晶(もろさわちあき)さんという名前を聞いて、「誰だ?」と思う方もいるかもしれません。「アニメ映画監督・福田己津央の妻」ではわかりますか?
では、「ガンダムSEED」シリーズ、「サイバーフォーミュラ」シリーズの脚本家と言えば作品を知っている方は随分多いのではないでしょうか。

「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」は制作会社サンライズの創世記の傑作です。1991~2010頃に渡り、
・TVアニメ「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」(40話)
・OVA「サイバーフォーミュラ11(ダブルワン)」
・OVA「サイバーフォーミュラZERO(ゼロ)」
・OVA「サイバーフォーミュラSAGA(サガ)」
・OVA「サイバーフォーミュラSIN(シン)」
そしてPSゲーム、オリジナルCDブックなど多数の商品が販売されました。
2015年を舞台に、主人公の少年、14歳の風見ハヤトがひょんなことから亡き父の作ったサイバーフォーミュラマシン『アスラーダ』に乗ることになる。弱小チーム『スゴウ』のメカニックたちや監督の車田、オーナーの娘でヒロインの菅生あすかとの葛藤やロマンスを乗り越えてTVシリーズでは14歳にして史上最年少のチャンピオンとなるハヤト。
その後はOVAとして、翌年はあすかの兄ナイトシューマッハこと菅生修の失明の危機を乗り越えてダブルワン(11、つまり連覇)チャンピオンとなります。
さらには、兄のように関わってきたブリード加賀がかつて踏み込んだ悪魔のスピードゾーン「ゼロの領域」へと踏み込むハヤト。ライバルであるランドルを巻き込んでの大クラッシュは、3連覇のかかるシーズンを棒に振ります。そのシーズンを制した新城直樹、そしてスゴウには新たな14歳のレーサーアンリ・クレイトーが…ってネタバレしちゃいますね!
脇役の面々も面白く、冷徹かつコミカルな天才フランツ・ハイネルと悲願のチャンプとなる陽気なアメリカングーデリアン。片目と片腕を失いながら義眼と義手で戦う熱いベテランブーツホルツ。。
ああ、書いてたら見たくなってきた笑
まあ、YouTubeにもTSUTAYAのレンタルにもあるので見てください。
ブーストの名称(フェニックスウイング、メッサーウイング、オーバーブースト等)やオフロードコースなどがたくさん出てくる所謂少年漫画的なTV版も面白かったのですが、私は個人的に超ハマったのがSAGA。
やりすぎとも思えますが、レースアニメでありながら勝つために薬物に手を染めコンピューターに操られながら最速を地に入れるというアオイチームのフィル・フリッツ。あくまでも正統的に戦いこれを破っていくハヤト。
少し流れの変わったこのシリーズからが両澤さんの脚本でした。シャワーシーンや大人になったハヤトとあすかが恋愛関係になっていくところもきちんと描かれており一連のストーリーとしてヌケのないところ。
一方で、TV版や初期描かれたレースシーンはかなり端折られまたはいつも同じくらいの勝ち方でここは女性だな、というところでもありました。
ブーストを2段にしたスパイラルブーストでは、時速600キロを超え観客のカツラが吹っ飛ぶ程の衝撃波と非現実的な展開もレースオタクとしてはワクワクしました。
一方、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズは私が言うまでもないかもしれませんね。ガンダムとして邪道という声もあるかもしれませんが、21世紀のファーストガンダムとして、キャッチフレーズは 「“ 決闘(デュエル)・暴風(バスター)・電撃(ブリッツ)・盾(イージス)・攻撃(ストライク) 五機のガンダム現る!! ”」で始まった2002~2003年全50話のTVアニメでした。

個人的には続編の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の方がより両澤さんらしいというか、キラが無敵というか、、笑
ストーリーには戦争の持つ普遍の意味と共に、必ずしも勧善懲悪だけではない部分がふんだんに盛り込まれています。
これが最も両澤さんらしく、「世は決して片側の人間の見解だけでなく、いろいろな立場のヒトがいて、様々な正義がある」という主張がサイバーフォーミュラと共通で展開されていきます。
主人公キラ・ヤマトもSEEDでは悩みながら成長し、敵となったかつての親友アスラン・ザラと最後は力を合わせ自分たちの故郷でもあるZAFT(時の最高指導者はアスランの父パトリック・ザラ)との戦いを一度は終結させます。戦いの中ではアスランの仲間をキラが機体ごと斬り殺めてしまい、また一方でキラに寄り添って心を開こうとしたフレイも避難する船ごと撃たれてしまう。
撃って撃たれてを繰り返すことを終わらせるのだと、その為に撃つのかと葛藤する姿はどこかエヴァのシンジ君とも若干かぶりますが、SEEDと呼ばれる遺伝子を覚醒させることで無敵のモードになっていくのはサイバーフォーミュラのゼロの領域にも近い視点です。
DESTINYでは、より分かりやすく地球連邦にもZAFTにも属さない第三極としてキラ・アスラン(当初はZAFTとして活躍)が共に一度は敗れ、新たなる機体と共に最後は人類を遺伝子操作により最適化する世の中を作ろうとした最高評議会議長ギルバートデュランダルを倒していきます。
また、このシリーズでは前半まででしたが主題歌を歌うTMレボリューションこと西川貴教さんもアニメキャラの声優として登場してましたね!
グフに搭乗していて「ザクとは違うんだよ!ザクとは!」とフェイスのパイロットとして強いところを見せていました。
あと、ミーティアという宇宙空間用のガンダム(フリーダム・ジャスティス)専用巨大ビーム装置やローエングリンというビーム砲は競馬に通ずるものがありますね!
いつかガンダムにちなんだ名前をつけてみたいものです。
凡人が書くと平凡なのですが、とにかく話がいろいろな角度で展開され、またそれぞれの行動がまた次の覚醒と事変を起こしていくのが次々と50話を見てしまう秘密でしょう。また、SEED以降ガンダムが複数出てきましてそれにもたくさんの好みがあると言われます。
両澤さんは脚本というより全体のストーリー構成をしているのですが愛と友情と、強い心が創り出す奇跡を描くスタイルはとっても好きでした。
私は、ガンダムこれ以外見ていない変わり者ですが、
とにかく両澤作品(福田作品のうち両澤さんの関わったもの)が好きでした。
「一番になりたいから。負けたら何を言っても言い訳になるからね」
「僕は、僕を応援し支えてくれる人たちと、僕自身の為に走るんだ」
「ここまでやったんだ!負けてもいいなんて死んでも思うな!」
「奴ははえーんじゃねえ、強えーんだ」
「今までのは奇跡なんかじゃない、奇跡は…これからだ!」
(以上、サイバーフォーミュラシリーズ)
「まず決める、そしてやり通す、それが何かを成す時の唯一の方法ですわ。きっと」
「なんたって俺は不可能を可能にする男だからな」
「命は、なんにだって一つだ!だからその命はきみだ!彼じゃない!」
「あなたでしょう」
たくさんの名セリフと共に、
『諦めるな!頑張れ!』
『奇跡は起きるんじゃなくて起こすんだ!』
『自分と仲間を信じること、まっすぐ夢を追うこと』
という共通項を強いメッセージで発信してくれました。
私の人生で最も繰り返し見たアニメで、今の自分のコアとなった作品でした。
56歳という若さは大変残念で、またもともと福田己津央の妻としてアドバイスしていたところからたまたまストーリー構成に携わった為に作品数は少なかったのですが、その功績は作品として人々の心に残るでしょう。
本当にありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
両澤千晶(もろさわちあき)さんという名前を聞いて、「誰だ?」と思う方もいるかもしれません。「アニメ映画監督・福田己津央の妻」ではわかりますか?
では、「ガンダムSEED」シリーズ、「サイバーフォーミュラ」シリーズの脚本家と言えば作品を知っている方は随分多いのではないでしょうか。

「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」は制作会社サンライズの創世記の傑作です。1991~2010頃に渡り、
・TVアニメ「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」(40話)
・OVA「サイバーフォーミュラ11(ダブルワン)」
・OVA「サイバーフォーミュラZERO(ゼロ)」
・OVA「サイバーフォーミュラSAGA(サガ)」
・OVA「サイバーフォーミュラSIN(シン)」
そしてPSゲーム、オリジナルCDブックなど多数の商品が販売されました。
2015年を舞台に、主人公の少年、14歳の風見ハヤトがひょんなことから亡き父の作ったサイバーフォーミュラマシン『アスラーダ』に乗ることになる。弱小チーム『スゴウ』のメカニックたちや監督の車田、オーナーの娘でヒロインの菅生あすかとの葛藤やロマンスを乗り越えてTVシリーズでは14歳にして史上最年少のチャンピオンとなるハヤト。
その後はOVAとして、翌年はあすかの兄ナイトシューマッハこと菅生修の失明の危機を乗り越えてダブルワン(11、つまり連覇)チャンピオンとなります。
さらには、兄のように関わってきたブリード加賀がかつて踏み込んだ悪魔のスピードゾーン「ゼロの領域」へと踏み込むハヤト。ライバルであるランドルを巻き込んでの大クラッシュは、3連覇のかかるシーズンを棒に振ります。そのシーズンを制した新城直樹、そしてスゴウには新たな14歳のレーサーアンリ・クレイトーが…ってネタバレしちゃいますね!
脇役の面々も面白く、冷徹かつコミカルな天才フランツ・ハイネルと悲願のチャンプとなる陽気なアメリカングーデリアン。片目と片腕を失いながら義眼と義手で戦う熱いベテランブーツホルツ。。
ああ、書いてたら見たくなってきた笑
まあ、YouTubeにもTSUTAYAのレンタルにもあるので見てください。
ブーストの名称(フェニックスウイング、メッサーウイング、オーバーブースト等)やオフロードコースなどがたくさん出てくる所謂少年漫画的なTV版も面白かったのですが、私は個人的に超ハマったのがSAGA。
やりすぎとも思えますが、レースアニメでありながら勝つために薬物に手を染めコンピューターに操られながら最速を地に入れるというアオイチームのフィル・フリッツ。あくまでも正統的に戦いこれを破っていくハヤト。
少し流れの変わったこのシリーズからが両澤さんの脚本でした。シャワーシーンや大人になったハヤトとあすかが恋愛関係になっていくところもきちんと描かれており一連のストーリーとしてヌケのないところ。
一方で、TV版や初期描かれたレースシーンはかなり端折られまたはいつも同じくらいの勝ち方でここは女性だな、というところでもありました。
ブーストを2段にしたスパイラルブーストでは、時速600キロを超え観客のカツラが吹っ飛ぶ程の衝撃波と非現実的な展開もレースオタクとしてはワクワクしました。
一方、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズは私が言うまでもないかもしれませんね。ガンダムとして邪道という声もあるかもしれませんが、21世紀のファーストガンダムとして、キャッチフレーズは 「“ 決闘(デュエル)・暴風(バスター)・電撃(ブリッツ)・盾(イージス)・攻撃(ストライク) 五機のガンダム現る!! ”」で始まった2002~2003年全50話のTVアニメでした。

個人的には続編の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の方がより両澤さんらしいというか、キラが無敵というか、、笑
ストーリーには戦争の持つ普遍の意味と共に、必ずしも勧善懲悪だけではない部分がふんだんに盛り込まれています。
これが最も両澤さんらしく、「世は決して片側の人間の見解だけでなく、いろいろな立場のヒトがいて、様々な正義がある」という主張がサイバーフォーミュラと共通で展開されていきます。
主人公キラ・ヤマトもSEEDでは悩みながら成長し、敵となったかつての親友アスラン・ザラと最後は力を合わせ自分たちの故郷でもあるZAFT(時の最高指導者はアスランの父パトリック・ザラ)との戦いを一度は終結させます。戦いの中ではアスランの仲間をキラが機体ごと斬り殺めてしまい、また一方でキラに寄り添って心を開こうとしたフレイも避難する船ごと撃たれてしまう。
撃って撃たれてを繰り返すことを終わらせるのだと、その為に撃つのかと葛藤する姿はどこかエヴァのシンジ君とも若干かぶりますが、SEEDと呼ばれる遺伝子を覚醒させることで無敵のモードになっていくのはサイバーフォーミュラのゼロの領域にも近い視点です。
DESTINYでは、より分かりやすく地球連邦にもZAFTにも属さない第三極としてキラ・アスラン(当初はZAFTとして活躍)が共に一度は敗れ、新たなる機体と共に最後は人類を遺伝子操作により最適化する世の中を作ろうとした最高評議会議長ギルバートデュランダルを倒していきます。
また、このシリーズでは前半まででしたが主題歌を歌うTMレボリューションこと西川貴教さんもアニメキャラの声優として登場してましたね!
グフに搭乗していて「ザクとは違うんだよ!ザクとは!」とフェイスのパイロットとして強いところを見せていました。
あと、ミーティアという宇宙空間用のガンダム(フリーダム・ジャスティス)専用巨大ビーム装置やローエングリンというビーム砲は競馬に通ずるものがありますね!
いつかガンダムにちなんだ名前をつけてみたいものです。
凡人が書くと平凡なのですが、とにかく話がいろいろな角度で展開され、またそれぞれの行動がまた次の覚醒と事変を起こしていくのが次々と50話を見てしまう秘密でしょう。また、SEED以降ガンダムが複数出てきましてそれにもたくさんの好みがあると言われます。
両澤さんは脚本というより全体のストーリー構成をしているのですが愛と友情と、強い心が創り出す奇跡を描くスタイルはとっても好きでした。
私は、ガンダムこれ以外見ていない変わり者ですが、
とにかく両澤作品(福田作品のうち両澤さんの関わったもの)が好きでした。
「一番になりたいから。負けたら何を言っても言い訳になるからね」
「僕は、僕を応援し支えてくれる人たちと、僕自身の為に走るんだ」
「ここまでやったんだ!負けてもいいなんて死んでも思うな!」
「奴ははえーんじゃねえ、強えーんだ」
「今までのは奇跡なんかじゃない、奇跡は…これからだ!」
(以上、サイバーフォーミュラシリーズ)
「まず決める、そしてやり通す、それが何かを成す時の唯一の方法ですわ。きっと」
「なんたって俺は不可能を可能にする男だからな」
「命は、なんにだって一つだ!だからその命はきみだ!彼じゃない!」
「あなたでしょう」
たくさんの名セリフと共に、
『諦めるな!頑張れ!』
『奇跡は起きるんじゃなくて起こすんだ!』
『自分と仲間を信じること、まっすぐ夢を追うこと』
という共通項を強いメッセージで発信してくれました。
私の人生で最も繰り返し見たアニメで、今の自分のコアとなった作品でした。
56歳という若さは大変残念で、またもともと福田己津央の妻としてアドバイスしていたところからたまたまストーリー構成に携わった為に作品数は少なかったのですが、その功績は作品として人々の心に残るでしょう。
本当にありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
結婚した旦那がアニメの仕事してて旦那にアイデアだしてるうちにコネで脚本家になった
そこまではいいけどその道にはいって25年位の間にやったのは旦那の関わった数作品だけ
ちなみに両澤氏の弟も脚本家でこっちはゴリゴリのプロ。弟に世界が狭くなるから旦那の作品以外の仕事もやれと注意されたことがあるがやる気はないとかインタビューにこたえていた
他の三大駄目脚本家は大河の小松江里子、最後は田渕久美子
本当に人それぞれ受け止め方が違いますね。両澤さんが他の人の作品についてやれと指摘されたが断ったお話は有名ですよね。そこもそれぞれの考え方なのかなと思います。どんな形であれ、人の記憶に残ることは大切ですよね。それぞれ好きな脚本家さんの作品を応援していきましょう。
本当に人それぞれ受け止め方が違いますね。両澤さんが他の人の作品についてやれと指摘されたが断ったお話は有名ですよね。そこもそれぞれの考え方なのかなと思います。どんな形であれ、人の記憶に残ることは大切ですよね。それぞれ好きな脚本家さんの作品を応援していきましょう。