2011年 第五弾 巣箱デビューと豆ちゃん

さて、初めに悲しいお知らせがあります。
前回、人工飼育でご紹介した白（ベク）ちゃんが、急に具合が悪くなって40分後には☆となってしまいました。
元気に成長していたのに大変残念な事ですが、雛の場合、一度具合が悪くなると体力が無いので何も出来ず、只々、見守ることしか出来ません。
元々が、弱った雛を人工的に救命するのは大変難しい事です。
しかし、見捨てることは出来ませんので、これからも悲しい思いをしながら、少しでも可能性があれば育てて行きたいと思っています。

豆ちゃんは、大変、大きくなって兄弟と変わらなくなりました。


色はグリーンです。
従って、SL SF/DFグレイウイング グリーンです。
現在、DNA性別鑑定検査中です。
♂ならSL DFグレイウイング グリーン、♀ならSL SFグレイウイング グリーンとなります。

サザナミにしては、姿勢が良く、前傾ではなくて直立です。
お顔は蛍光色の様なライトグリーンです。
羽は、グリーン地に黄色が少しと薄いグレイです。
♂ですと、シナモン因子が入っているかも知れませんので、レースウィングとペアにしようかと思っています。

2011年 第五弾 巣箱デビューは次の通りです。


品種：グリーンかダークグリーン　
性別：不明
生年月日：２０１１年６月２６日
SPCS No.：１１Ａ０１９


品種：ＳＬグレイウイング　ブルー系かノーマル ブルー系
性別：不明
生年月日：２０１１年７月３日
SPCS No.：１１Ａ０２０


品種：モーヴ
性別：不明
生年月日：２０１１年７月３日
SPCS No.：１１Ａ０２１


品種：モーヴ
性別：不明
生年月日：２０１１年７月５日
SPCS No.：１１Ａ０２３


品種：ブルーかブルー／イノ
性別：不明
生年月日：２０１１年７月４日
SPCS No.：１１Ａ０２２


品種：ブルー・コバルトかブルー／イノ・コバルト／イノ
性別：不明
生年月日：２０１１年７月６日
SPCS No.：１１Ａ０２４

結局は、上記の６羽で夏の繁殖は終了です。
次回は、秋の繁殖となります。
夏場は、親鳥が暑さの精で殆ど雛の面倒を見てくれません。
殆ど、巣箱の外で唯一、給餌だけはやってくれる状況ですが、給餌量も適切とは言えず少ない様に思えます。
やはり、春と秋の気候の良い時期に繁殖してくれるのがベストです。

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サザナミについての考察 その７

今回「サザナミについての考察 その７」のテーマは人工飼育です。
本来、親鳥が面倒を見てくれれば、２週間程度は親鳥に任せて、その後、巣箱デビューとなるのですが、雛の状態を観察していると、どうしてもこのままでは育たないと思う仔が出てきます。

今回、ご紹介する仔は、SL SFグレイウイング コバルト♂×SL SFグレイウイング コバルト♀のペアが抱卵して7月6日と7日に雛が孵りました。
このペアは、前回、卵４つを産んで抱卵していましたが、全て中止卵で１羽も孵りませんでした。
今回は、卵１つだけ産んで抱卵をしていましたので、巣箱の外で産卵するペアの有性卵が、孵卵器に３個あったのでこれを一緒に入れて、計４個の卵を抱卵しておりました。
（因みに、巣箱の外で産卵するペアはSL SFグレイウイング オリーブ♂×SL SFグレイウイング ブルー♀のペアです。）

さて、こうして２羽の雛が孵ったのですが、その後、１週間で１羽が☆になってしまいました。
それでも、亡くなった雛を巣箱から取り除いてから、雌親が巣箱に入っていたので大丈夫だと思っていたのですが、その後の観察で全く餌を与えていないことが判り、雛が痙攣をしていたので急遽取り出して、孵卵器に入れました。


この写真は、取り出した直後に撮影したものです。
この状態では、育雛ケースでは細かい温度設定や湿度コントロールが出来ませんので、孵卵器を使うことにしました。
孵卵器は、R-Coｍ Mini (リトルママ)です。


この孵卵器は韓国製で、マイコンコントロールで孵化設定が出来ますし、マニュアル設定により、初期の育雛ケースとして使用することも可能です。小型で低価格ですので、１台あると大変役立ちます。
今回の温度設定は３３．５℃にして、湿度は自動です。（勿論、転卵は停止です。）

そ嚢に餌が全く無いので、直ぐにケイティ社 イグザクト フォーミュラー　ベビーバードを薄めに作って与えましたが、食べません。
幸いにも、ハッピーホリディ ベビーバードフードの買い置きがありましたので、これをお湯と１：６で作って与えたところ、良く食べてくれました。
こんなに小さいのに、違いが判るとは！


この餌は、雛が生まれた直後から使用出来る様です。
お湯に溶かすと、まるでミルクという感じです。（匂いは全く違います。）


これをシリンジに入れて、雛の口元に少しづつ垂らす感じで与えます。
給餌間隔は３時間毎です。勿論、真夜中も続きます。
丁度、３時間でそ嚢の餌が無くなります。
３日経ちましたが、順調に育っています。


この仔も販売対象になりませんので、早々と名前を付けました。
白（ベク：韓国読み）ちゃんです。
この仔が、クリームイノなら親鳥はSL SFグレイウイング コバルト♂×SL SFグレイウイング コバルト♀となります。
ルチノーなら親鳥はSL SFグレイウイング オリーブ♂×SL SFグレイウイング ブルー♀です。
どちらにしても、この仔の父親はスプリット イノと言うことになります。
また、この仔はクリームイノでもルチノーでも、遺伝的に♀ということになります。

これからも、白ちゃんの成長にご期待下さい。
次回は、大きくなった豆ちゃんも掲載します。

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サザナミについての考察 その６ と 豆ちゃん

「サザナミについての考察　その６」は豆ちゃんに関する遺伝因子についての研究なので、＋豆ちゃんとなりました。
豆ちゃんは、その後、順調に成長して 今では、兄弟の中で一番体重が重い６５ｇになりました。
以前の未熟児だった面影は全くありません。
しかし、他の仔と比べると、成長スピードは依然として遅い様に思います。


このカラーは、お顔はSL DF/SFグレイウイング　グリーンの様に見えますが、体の羽を見るとオリーブに近い発色をしており、かなり黄色っぽく見えます。
遺伝的には、ダーク因子が１つ少ないので、オリーブやモーヴは出ないはずです。
そこで、豆ちゃんの兄弟を見てみましょう。


この仔はSL DF/SFグレイウイング　ブルーです。
母親に似た発色になっています。
里親さまのご希望で、ＤＮＡ性別鑑定検査を行う予定です。


この仔が、一番上の仔でSL DF/SFグレイウイング　コバルトです。
お顔と頭・胸の部分はコバルトが薄っすらと出ておりますが、羽はグレイと白です。
コバルトとモーヴの中間的な色合いとなっています。
ブルー因子２とダーク因子１．５と言う感じです。

さて、それではこの仔達の親鳥を見てみましょう。

雄親は、当湘南ファーム産まれのＤＦミスティグリーンで雌親はSL SFグレイウイング　ブルーです。
ミスティグリーンは、通常のグリーンやダークグリーンと異なり、からし色で黒の部分が退色して、薄くなっています。

今回の考察テーマは、このミスティグリーンがどうやらシナモン グリーンと呼ばれるシナモン因子を持ったサザナミと同一では無いかと言うことです。

サザナミインコのシナモン因子は、古くから知られておりましたが、実際にその因子を所有したサザナミはあまり知られておりません。唯一その変異が知られているのが、レースウィングでした。

この度、Mr.Jim Haywardの「MANUAL of COLOＵR BREEDING：LINEOLATED PARRAKEET SUPPLEMENT」に掲載されておりますCinnamonが付いた品種は、全てシナモン因子を持ったものだと思われます。
これによると、クリームイノタイプのレースウィングをCinnamon Creamino、ルチノータイプのレースウィングをCinnamon Lutinoと記載致しております。

また、ミスティグリーンをCinnamon Green、ミスティブルーをCinnamon Marineと表記しております。
その他にもCinnamon Olive Green、Cinnamon Slate Marineなどが掲載されています。
何れも、ミスティの特徴である黒色が薄く退色することと、ベースカラーが１５～２０％薄く発色すると言う共通点があります。
従って、シナモン因子の影響で、全体的に色が薄く発色すると言うのは間違い無いものだと思われます。

シナモン因子は、性染色体劣勢遺伝（SLR）で伴性遺伝となります。
遺伝的には、イノ因子と同じ振る舞いとなります。
従って、雌（♀）の鳥にはスプリットが存在しません。
また、シナモン因子に対してイノ因子がスプリットすることもありませんが、シナモン因子とイノ因子との連鎖による遺伝子の組み換えが起こり、上記のレースウィングが発生します。

これらのことより、豆ちゃんとその兄弟もシナモン因子を保有している可能性があります。
豆ちゃんはもう少し大きくなって、羽が生え揃わないと何とも言えません。
兄弟のSL DF/SFグレイウイング　コバルトはその発色から通常と異なるので、シナモン因子の影響かも知れません。
SL DF/SFグレイウイング　ブルーは外見上は判りませんが、雄（♂）の場合はスプリットでシナモン因子を保有している可能性はあります。

これからも、豆ちゃんが成長して、どんな色になるかご期待下さい。

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豆ちゃん 成長中

豆ちゃんは、相変わらず挿し餌をたくさん食べて、急成長中です。
３日前に４５ｇだった体重が、今では５６gになりました。
体もだいぶ大きくなって、兄弟と一緒に生活出来る様になりました。


すぐ上の仔と同居が始まりました。
まだ、少し小振りですが、羽毛も生えてきてすっかりサザナミらしくなって来ました。
右の仔は、SLグレイウイング ブルー確定です。
さざなみいんこ どっとこむHPで販売中です。
もう１羽の仔は、SLグレイウイング コバルトでした。
こちらは早々と里親様が決まりました。ありがとうございました。


お目めもぱっちりと開いて、白い綿毛もこんなにもこもこになりました。
筆毛の先端には、もう色が出ています。
もう、普通の仔と全く変わらない様になりました。


羽部分を拡大すると、どうもこの色はSLグレイウイング オリーブみたいです。
（*SLグレイウイング オリーブはお客様よりご予約を頂いておりますが、この仔は成長不全の為、非売となっております。）
遺伝的には♀親がSLグレイウイング コバルトで無いと、オリーブは生まれません。
そういう意味では、SLグレイウイング ダークグリーンかも知れません。
もう少し羽が生えるとはっきりすると思います。

豆ちゃんは、6月14日に生まれて6月25日に巣箱から出した時は、こんな状態でした。

他の仔と比べると成長が遅いので、本当に心配をしていましたが、あれから11日でこんなに成長出来るとは思いませんでした。
この分ですと後１週間位で、色が確定出来ると思います。
成長が早いので、ブログの更新も頻繁で大変です。

では、次回をお楽しみに！

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豆ちゃん 急成長

前回まで、成長スピードが極端に遅かった豆ちゃんですが、なんと、この３日間で急成長しました。
前回の体重は３３ｇでしたが、今は４５ｇになりました。
もう少しで、平均体重まで到達します。

挿し餌も、１回 ５ｃｃで６時間おきですので、１日４回です。
育雛ケースは、まだ、他の仔達と別ですが、食事は一緒になりました。


こんな寝方もしていました。
まるでブロイラーの調理前と言ったところです。
サザナミを知らない方では、びっくりしてしまいます。
本人は、いたって元気で熟睡しているのです。


こちらの写真が、通常の寝姿です。
体の方は少しずつですが羽が出てきました。
頭やお顔の方は、まだまだ時間が掛かりそうです。
２～３日前までは、這いずり回っていたのですが、昨日からは２本足で歩き回っています。


こちらは、３兄弟揃ってのスリーショットです。
他の仔達と並んでも、違和感が無くなりました。
上の２羽は、ほぼ、SLグレイウイング モーヴとSLグレイウイング ブルーだと思いますが、頭の毛色が判らないので確定ではありません、SLグレイウイングでは色の変異が大きいので、確定までは時間を要します。
豆ちゃんは、少し緑色っぽいのですが、何分にもまだ羽毛の量が少ないので判りません。

これからも急成長が続くのか、それとも以前の様にスローダウンするのか、目が離せません。

では、次回をお楽しみに！

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