毎年この時期になると、社会保険事務所から「国民年金 受給権者現況届(兼住民票コード申出書)・受給権者所得状況届」が送られてきます。
これは私が成年後見人になる前からずっと兄の代理で記入してきました。
亡父が倒れてからはもう10年近くこういった書類を提出してきました。
障害者が年金をもらったり減免申請をしたりするためには、いくつもの書類を提出する必要があります。
でも、兄のような知的障害者が役所へ行ったり、書類を書いたりすることはできません。
ですから、家族が代理ですることが多いです。
中には通帳もなにもかも管理を放棄して、事務手続きのすべてを施設におまかせしたしまう保護者もおられますが、わが子がどのような手続きをへて施設入所して負担額を減免されているのかということは知っておくべきだと私は思います。
とはいえ、こういった手続きは面倒なことが多いです。
兄のように施設に住民票を移している場合、書類の多くは施設に郵送されて、施設を経て私のもとに送られてくるため、提出期限が迫っていることも少なくありません。
何もなければ問題がありませんが、私自身のすべきことが多い時期と重なると、いそがなくてはいけませんから、ちょっと負担に感じることがあります。
そんなとき、「兄が健常者なら自分ですべてやってくれるのになあ~」って思ってしまいます。
兄が障害児とわかったときから、いえ周囲からわからされたときから、兄の存在は負担に感じることは確かに多いです。
そのため、私は自分のためにどうやって生きてゆけばよいのかわからなくなることがあります。
幼い頃から、習い事は兄の分までたくさんさせてもらえました。
でも、その代わりにたくさん我慢して育ってきました。
そんな生育歴のためか、私は自分の主張を抑制してしまう癖がつきました。
「どうせ、私の意見なんて通らない。私が我慢すればいいんだ」
こんな考えが先走ってしまうため、自分の思うことを言えず、自身の心の中に溜め込んでしまいます。
もしも兄が健常者だったら、兄に甘えることもできたでしょうし、妹として好きなことを言って、少女時代は子どもらしい時間を過ごすことができたのではないかと思います。
こんなに自分では悩んでいても、「明るくて悩み事がない子ども」だと誰もが思っていたようです。
学校では兄の存在があまり感じられなかったのか、同級生の中には「わがまま放題の一人っ子だ」と思っている子もいました。(私はなかなか本心は言えないタイプなんだけど・・・)
私も大人になってブログに思いを書くことができましたが、両親のどちらかが健在であれば、きっとブログにも自分の思いを書けなかったでしょう。
◆兄に障害があって悪かったこと
・キチガイの妹だといわれたこと。
・親戚から兄のことを否定されたこと。
・常に我慢で自分の思いを伝えられなかったこと。
・いつも自分の存在を否定する癖がついたこと。
・兄を支えるために自分のために生きることができなくなったこと。
◆兄に障害があってよかったこと
・弱者の気持ちがわかったこと。
・人の命の重さを実感できたこと。
・誰かを支えるために生きることの尊さを知ったこと。
・人の2倍の人生を歩むことができること。
・人生を冷静に見つめることができるようになったこと。
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『兄に障害があって「よかったこと」「悪かったこと」』の記事を読みました。
家族に障害のある方がいる場合、良い面・悪い面ってやはりありますよね。
ご自身について冷静に捉えることが出来ているんだなぁって感心するとともに、いろいろと考えさせられました。
私は障害者支援ねっとキズナというHPの管理人をしています。
ブログも書いていますので、良かったら一度覗いてみてくださいね(相互リンクも検討して頂けると嬉しいです)。
よろしくお願いします。
またブログのほうにもうかがわさせていただきますね。これからもどうぞよろしくお願いします。