今だから話そう~障害者のきょうだいとして生きて~

自閉症で重度知的障害者の妹として経験した事、感じた事、そして今だから話せる亡き両親への思いを書いてゆきます。

障害者施設での食事について

2007-07-06 01:57:14 | 障害者自立支援法

施設にはいろいろな食事体系があると思いますが、兄のいる「障害者福祉更生施設」の場合、調理師・栄養士・調理スタッフ・看護師といった方たちが、メニューを管理しています。
利用者の体調や症状にあわせてその日の食事量も加減してくださいます。
ですから、そういった点でも助かります。

兄の場合、施設の食事指導が成功したのか、入所して間もない頃は1度の食事の時にお茶の入ったやかんを独占していたそうです。
でも少しずつやかんのお茶の量を調節し、それを2リットルのペットボトルにうつしかえるなど、長期的な食事指導により、今では他の利用者と同じように湯呑みにお茶を入れてのむようになりました。(何杯もおかわりしていますけど・・。)

それから兄の施設では、障害が重くて食事を自力で食べられない利用者には「きざみ食」や「流動食」で対応してくれます。
少数のスタッフで大勢の食事を作り、しかも「きざみ食」まで作ってくれるスタッフには脱帽です。

また、'兄の施設では毎月、調理スタッフが写真付きでどのようなメニューを出したのかを保護者に知らせてくれます。
色とりどりで美しく盛り付けられたメニューは本当においしそうです。
されにクリスマスやお正月には、バージョンアップして、リッチな食事になります。

めったにありませんが、保護者同伴の運動会や遠足では、調理スタッフが朝早くから頑張って、利用者だけでなく保護者のお弁当も作ってくれたりすることもあります。もちろん好評です。
というわけで、普段はなかなか施設のメニューを食べる機会はありませんが、帰省できない利用者のために保護者が宿泊した場合、利用者と一緒に施設の食事をいただくこともできます。実際に食事をした保護者によればなかなかおいしいとのことでhした。

ただ、このようなおいしい料理を、月に1度の面会日に予約や有料でかまわないから保護者にも食べさせてほしいという保護者の要望もありますが、実際は実現が難しいそうです。
せめてコーヒーだけでも有料で提供して欲しいと言う保護者の声もありますが、それも難しいそうです。

理由は、調理に関わる設備が充実していないことだそうです。
具体的には、冷蔵庫が足りないこと、調理スタッフが足りないこと、作った料理をおくトレーの置き場がなくて、現在が限界だということです。

たしかに施設の利用者のほかに、障害者自立支援法施行に伴い、それに対応するためにつくられた作業所やグループホームなどの利用者も同じ食事をしています。
それに対応しようと思えば、現在がギリギリという感じはします。
調理スタッフの方は本当に良く働いておられますし、これ以上負担を増やすのも気の毒な気もします。

ともかく兄の施設は本当に食事が充実しているのがありがたいです。
ちなみに1日あたりの食費は1500円程度です。

他の施設ではどうなのでしょうか?ちょっと気になります。