このはなさくや
「動機善なりや? 私心なかりしか?」
これは、わたしが20年前に新卒社会人として就職した直後に手に取った、ある一冊の本の、その著者の方が、常に自分を戒めるために胸に刻んでいるという言葉です。
『心を高める、経営をのばす』という本でした。
以来、この著者が新しい著作を出すたびに、欠かさずに手にとって読み続けてきたのです。
言葉は胸の内を語るものとみなさん思っていらっしゃるでしょう?
ですが、語るだけで終わってしまっては、そんなのは単なる「寝言」と変わりません。
20年たった今でも、この著者は、自分の言葉を単に語る以上に、自分の言葉を“生きて”いらっしゃるようです。
そして、JALのCEOを引き受けることを選択されたのです。
うまくいかないままおわってしまう確率も低くはないでしょう。
自分は手を汚さないのに人が失敗したのを見てそしる人が多いのが大衆というものです。
JALの失敗はJALのものと、断るという選択もあったでしょう。
でも引き受けたのです。
77歳という高齢で。
しかも無報酬で。
今から23年前に、アメリカの最大手証券会社ソロモン・ブラザーズが違法取引が発覚し窮地に瀕した際に、同じようにCEOを引き受けたウォーレン・バフェットとまったく同じ決断です。
ソロモン・ブラザーズの経営陣が腐りきっていたからだ、彼らの責任なんだからと関与しないという選択をしても、だれもが当然と思うでしょう。
しかし、バフェットの視点は……
「ここでソロモン・ブラザーズをつぶしてしまったら、全米どころか世界規模の恐慌が起きてしまう。世界中の罪もない一般の人々が塗炭の苦しみを味わうことになる」
だから引き受けたのです。
稲盛和夫京セラ会長の今回の選択も、バフェットの選択と基準はまったく同じとわたしは考えます。
「動機善なりや? 私心なかりしか?」
わたしは稲盛会長を今後とも支持していきたいと思います。
実践できるところが本当にすごい方ですね。
ご著書は「生き方」しか読んだことがありませんでしたので、この機会に「心を高める、経営を伸ばす」も読んでみたいと思います。
>「動機善なりや? 私心なかりしか?」
目の前のことに取り組むとき、常に自分に問いたい言葉ですね。
ほんとうにありがとうございます。
こころより感謝申し上げますとともに、
これからも自分をさらに磨いていきたいとあらためて決意した次第です。
今後ともよろしくお願いいたします。
このはなさくや 拝
すばらしいご文章でしたね。
人間の覚悟というか、人生に向かう胆力というか、とにかく人間の根底から支えるパワーのようなものを感じさせてもらいました。
また、お書き下さい。お待ちしています。