絆の法則

澤谷 鑛

痛みを避けて快楽を得る

2008-02-24 | Weblog
こんにちは。
澤谷鑛オフィスの桑名です。

今日は昨日の日記の中で取り上げた、人間の行動原理である「痛みを避けて快楽を得る」ということについてお伝えします。

この行動原理は、心理学者のフロイトが提唱したものだったと思います。

人間は、無意識レベルでは、即座の快楽を求め、苦痛を避けようとする特徴があるというものです。
これはアメーバにも同様にあらわれるものです。
つまり、アメーバも快楽を求め、苦痛を避けようとする特徴が確認されているのです。

ご存知のように、アメーバは単細胞生物です。
そして人間は、60兆個の細胞が集まってできた細胞の塊です。
極論すれば、人間にもアメーバと同じ習性が備わっていても不思議ではありません。

そして、「痛みを避ける」と「快楽を得る」の二つの原理を比べたとき、どちらが強い習性かというと「痛みを避ける」という方がより強い習性です。


さて、原理ばかり言ってても分かりにくいので、事例を紹介します。
「たばこを吸う人」「たばこを吸わない人」正反対の行動ですが、この二つの行動原理はやはり「痛みを避けて快楽を得る」からきています。

たばこを吸う人は、たばこを吸うことが快楽になります。
そして、吸わないでいると、いらいらしたり中毒症状が出て、その痛みを回避するためにまたたばこを吸ってしまいます。

逆にたばこを吸わない人にとっては、その煙を吸うことが痛みになり、その痛みを避けるために、たばこから遠ざかります。
そして、吸わないで得られる健康な状態が快楽となります。


このように、まったく異なる行動でも、その大元にあるものは同じ行動原理、つまり「痛みを避けて快楽を得る」となります。


この例でも明らかなように、すべての行動の根拠に「痛みを避けて快楽を得る」という目的がありますが、基準はその人独特のものです。
その人独特のものであるということは、「思い込み」である可能性が高いです。

この原理を知ると、望む現実がなかなか叶わない場合に面白い側面が見えてきます。

何故願望が叶わないのか…?
理由は二つです。
①現状に快楽を感じている。
②望む未来の実現に痛みを感じている。

だから、この二点ケアしていけばいいことになります。
まずは、現状のままでいることの痛みを感じます。
痛みを感じれば感じるほどいいでしょう。
そして次に、望む未来の実現に対して感じている痛みが、「ただの想像」ということを気づくとともに、望む未来に感じる快楽を増やすことです。
これらに取り組んでいくと、少しずつ行動が起こせるようになります。


さらにもう一点。

人生を変えたいと決意したとき、最初は「痛み」や「恐れ」を原動力にしてもいいと思います。
痛みを避けるための行動の方が、快楽の場合よりも大きなエネルギーが発揮させれるからです。
私自身も、以前の生活と、それに続く将来の生活を受け入れることができなかったから、独立という思い切った行動を起こしました。
これなどは、まさに「痛み」を原動力にした行動です。

しかし、「痛み」や「恐れ」が原動力であると、その行動は長続きしません。
いつまでも苦しい状態が続くだけでしょう。
何かを達成しても、次の「痛み」や「恐れ」を見つけて行動するようになってしまいます。

私の考えでは、多大なエネルギーを要する最初の段階では「痛み」や「恐れ」からくるエネルギーをうまく活用することで瞬発力をつけ、ある程度うまく回るようになったら、わくわくといった「快楽」のエネルギーで行動を継続していくのがいいのかなと考えています。


「痛みを避けて快楽を得る」
結構単純なお話ですが、自分の行動を振り返ってみると、それにそった人生を歩んでいることに気づかれることでしょう。
自分自身はどんな動機で行動を起こすのか、観察してみるのも面白いかもしれません。

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4 コメント

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自分の内側から行動する (矢沢)
2008-02-24 13:36:26
桑名 様
人間は、無意識レベルでは、即座の快楽を求め、苦痛を避けようとする特徴があるというものです。

何故願望が叶わないのか…?
理由は二つです。
①現状に快楽を感じている。
②望む未来の実現に痛みを感じている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 自分の場合は、まさに②の状態なんだなと思いました。具体的に言うと人間関係(特に恋愛関係)ですが、相手と仲良くなりたい、親しくなりたいという意識があるのに、どこか潜在意識では、壁を作っていてブロックしている感じがある。意識とは逆の方向に引っ張られている感じがする。すごい抵抗感がある。これを超えるには、自分の自信のなさ、自己否定感、無価値感に直面し、過去の自分が抑圧した恐怖感や不安に直面しなくてはいけない。自分として、認めたくなくて怖くて心の底に押し込めて、蓋をしている物だから見たくないと思っている。蓋を開けてみると痛みや恐怖が思いだされてくる。
 自分が望む事を実現するには、この痛みというか恐怖感に直面する事が避けられない事をわかっているので、望みの実現にブレーキがかかっている。
 桑名さんの説明で、自分の願いの実現にブレーキとなっている状態がよくわかってきました。相手とか状態ではなく、自分の思い(思いこみ)が元となっているのですね。
 今まで、相手がどうだとか、状況がどうだとか、過去に失敗したとか等、自分が望んでいない状態になってしまうのが当然というか、このような事を気づかないうちにセット(前提)で考えていた事にも気付きました。
 自分が望んでいる事を実現するために、自分の内側から行動する事、起きている現実から、その基となっている自分の思いを検証し、修正していけばいいんだと思いました。


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おなじもの (たかお)
2008-02-24 13:37:46
初コメントですが、よろしくお願いします!

痛み、快楽。感じつくせば、おなじもの。
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生命プログラムの意識化 (フロウライト)
2008-02-24 13:43:37
 とっても、わかりやすい解説。
 ありがとうございます。
 頭がスッキリしました。

 「痛みを避けて快楽を得る」
 これは、生命の基本プログラムではないでしょうか?
 生命プログラムと呼んでもいい。
 と、思っています。

 そして、
 脳は、この生命プログラムに従い、
 生命プログラムを維持するように、進化して来た。
 人間の脳が面白いのは、
 この生命プログラムを、
 意識化して利用することが出来るような力を持っていることです。
 この力が引き寄せの力なのではないでしょうか?
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Unknown (あんあん)
2008-02-24 22:02:55
自分自身をよく観察していこう!! ありがとうございます
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