*「野口嘉則氏メールマガジンよりご本人の了解を得て転載」
僕が尊敬する人物の一人に吉田松陰がいます。
彼の松下村塾という私塾からは、幕末から明治維新にかけて時代の変革に貢献した重要人物が多数育っています。
その顔ぶれを挙げると、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋、入江九一、前原一誠、品川弥二郎、山田顕義、吉田稔麿……など。
一つの私塾から時代の変革のキーパーソンとなった人財がこんなに多く輩出されたという事実に驚かされます。
しかも、松陰が開塾したのは27歳のときで、教えた期間はわずか2年あまりです。
長州(山口県)の萩という小さな城下町で、八畳の講義室と十畳半の控室だけの小さな建物を使って20代後半の若者が2年あまりの期間、開いた私塾。
それが松陰の松下村塾です。
その松下村塾から日本を変える原動力になった人財がたくさん育ったわけですが、その人財育成の秘訣は何だったのでしょう?
松下村塾において、松陰は次の3つのことを三端と呼び、その大切さを繰り返し塾生に説きました。
1.立志 (志を立てること)
2.択友 (付き合う友を選ぶこと)
3.読書 (本を読むこと)
以上の3つのことこそ、松陰が最も重視したことであり、ここに、松陰の人財育成における指針を見ることができます。
今回のメールマガジンでは、3番目の読書について考えてみたいと思います。
ドイツの学者オストワルトは、「偉人や成功者たちに共通していることは何か」を調べて、2つの共通項を見つけました。
1つはものごとを前向きに考えるということ。
そしてもう1つが読書家であるということでした。
また、300冊以上の著書を書かれた竹内均さんは、著書『自分を生かす選択』の中で、次のように述べておられます。
「読書によって、人は古今東西の知的財産を知ることができる。また、本にはさまざまな人生が秘められている。だから、素晴らしい本と出合うことは、さまざまな人間と出会うことに等しい。ときには、百年の知己を得ることと同じ効果がある。そして、ときには、本との出会いは、新しい人生を開いてくれることもある。」
他にも読書の意義や効用を語る言葉は、枚挙にいとまがありません。
さて、読書にもいろいろあると思うのですが、今回、考えてみたいのは、知識や情報を得るための読書ではなく、
「人間性を磨くための読書」
「人間力を高めるための読書」
についてです。
吉田松陰もそうですが、日本陽明学の祖といわれる中江藤樹も、幕末の志士たちに大きな影響を与えた佐藤一斎も、そして勝海舟も西郷隆盛も、読書を通して自らの思想を練り、自らの人間性を磨きました。
読書を通して人間性を磨くためには、人間性を磨くのに適した本を選ぶ必要もありますが、本を読むときの僕たちの心がまえも大切だと思うのです。
本を読むときの心がまえについて考える上で、次の亀井勝一郎氏の言葉がとても参考になると思います。ぜひ、味わってみてください。
「読書とは、著者の魂との邂逅(かいこう)である」
(「邂逅」=「めぐりあい、出会い」)
本質を突いていますね。
まさに読書とは、
「著者の魂 と 読書の魂 が出会い、対峙し、対話する行為」
だと、僕は思います。
そして大切なことは、そのような心がまえで読書をすることだと思うんです。
なお、拙著『心眼力』の中の「人間性を高める読書法」という節もご参考になると思います。
サンマーク出版さんがPDFファイルにして
インターネットにアップして下さっているので、
以下、リンク先をご紹介します。
⇒ 人間性を高める読書法 (PDF形式 149KB)
以上、今回は読書について考えました。
心が動かされるような良書と出会うことは、人生の大きな喜びであるだけでなく、僕たちの人間的成長を大きく促してくれます。おたがい、自分の人生に恩恵をもたらしてくれるような素敵な本をたくさん見つけていきたいですね。
⇒ 野口嘉則氏のブログは、こちらからどうぞ
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facebookでは桜美穂の名前でお世話になっています。
ありがとうございます。
山口の松下村塾は、昔一度行ったことがあります。
当時塾であった建物に入ったように思うのですが、中がどうであったか
もう、何十年も昔のことなので覚えていません。
ただ覚えているのは、その近辺で
全く視界の効かない山道で、藪の中をかき分けるように友人たちと散策していたとき
その藪を一歩出た途端に、全く思いがけないことに、いきなり海辺に出た時の衝撃です。
その瞬間の驚きと、いきなり眼下に広がった海の、息を呑むほどの広さ、美しさは
今でも非常に鮮やかに覚えています。
そんな記憶があるからなのでしょうが
1.立志 (志を立てること)
2.択友 (付き合う友を選ぶこと)
3.読書 (本を読むこと)
という素晴らしい指針に、最大の効果を発揮させたのは
山口の豊かな自然であったのではないか、
深い山がもたらす内省と、
対照的に広がる海の広さが促す力の解放。
このふたつの強烈なエネルギーが、山口にはあったのではないか。
というような気がしてきます。
高校で世界史を教えてくださった先生が
常に卵ということを考えなさい、と言われたことがありました。
卵は温められなければ孵らないし
石をいくら温めても孵ることはない。
卵が孵るためには、それが卵である必要があり
それを温める出来事がなければならないのだ、と。
受験勉強のための智恵でありながら
それは、いのちの学びでもあったのだと感じます。
素晴らしい指針を、わたし自身も生きたい、未来に伝えたいと願わされます。
そして、その指針がより豊かないのちを育めるよう
そこに、生き生きとしたエネルギーやいのちを吹き込んでいきたい。
そのエネルギーとは何なのか
どうすれば、自分はそれを自分に満たし、
また、どうすればそれを他に提供していけるのかを
考え続けていきたいと思います。
ありがとうございました。
だから、知識も教養も、人間力・人間性も乏しいのかなあ。
特に、最近は読めないんです。気持ちがなぜか、あせっていて、文字があたまに入らないんです。このままじゃ、いけない。このままじゃいけないって、おちつかないんです。なんにもしてないのに。
なんにもしてないからかなあ。
本を読むときの心がまえの前に、平静であることがわたしには、必要な気がします。
そのままのじぶんで、だいじょーぶって、のびして、大のじにねっころがって、あ~、いいきもち。って、なれたらいいよね。
かんたんなことなのに、できてないじぶん。
そうしてみようかな。
そうしたら、本をよんでも、するするとあたまにはいって、著者の魂と出逢えるかもしれない。
やってみます。
ありがとうございました。
野口さんが書かれた「鏡の法則」を読んだという共通項を機に仲が深まった親友がいます。
読書が出逢いを繋いでくださることもあるのですね。
ゴールデンウィーク期間中に、良書に出逢い、人間力を高めようと思います。
ありがとうございました。