サロン経営の羅針盤

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連載・サロンの朝礼365話。

2018-11-17 07:58:21 | 日記

63.人の痛みが分るチャンピオンになれ。
                  山下泰裕(日本柔道連盟会長)講演より
 
今回のシドニーオリンピックを振り返ってみて非常に嬉しいことがあります、一つは篠原信一選手が決勝戦で負けました。
 誤審ではないかと私も抗議しましたが、篠原は「あれは自分が弱かったから負けた、審判に不満はない」という発言をしました。

 篠原は、たとえあれが自分の一本ではなくて相手の有効になったとしても、本当に自分に力があったら残り時間は十分にあったし、あの後で勝てたはずだ。 本当の力が自分になかったから、それを取り戻せなかっただけで、そういう意味で自分に絶対的な強さがなかった、と。それから「審判に不満はない」というのは、審判が間違えるような、そんな試合をした自分に責任がある。

 誰が見ても納得するような柔道をしなければいけなかったんだ、ということです。 他人を云々するのではなく、それに対して自分がどうすべきであったか自分自身を深く見つめる。ああいうことが起きて初めて、彼がどういう人間なのか、どういうことを大事にしているのかが明らかになったと思うんですね。

 そこには人間として非常に大事なことが含まれていると思うのです。我々は何か事が起こると、直ぐに人を批判します。だけど、人を批判しても何の解決にもならないんですね。それに対して自分はどうあるべきか、自分は何ができるのか、すべてを自分に置き換えて考えていかないと、何も解決しないんです。 
篠原は見た目は無骨でぶっきらぼうな男ですけど、今回のことで彼の人間性を見たような気がするんです。


 もう一つは初日に野村忠宏が六十キロ級で優勝しました。前の日に試合のあった人間は、次の日の人間が力を出し切ることが出来るよう、側に付き人として付くということを、前もって決めていたんですね。

 それで試合が終わった日は、野村は明け方の四時ごろまでマスコミの対応をし、次の日も朝八時から対応して、それが終わってお昼の十二時に試合会場に、車の中でハンバーガーを食いながら駆け付けて、中村行成の付き人をやったんですよ。

 それで中村が負けた。負けて控え室に帰ってきて、がっくりと座り込んで着替え始めた。そのとき、野村が中村の柔道着をものすごく大事に大切に一所懸命畳んでいるんです。

 付き人は試合に向かうまでですから、そこまでやる必要はないんです。それなのに負けた中村の柔道着を、ものすごく愛しそうに丁寧に丁寧に折り畳んでいる。その野村の姿を見たとき、われわれコーチも心打たれた。
 ああ野村は人間的にもまた成長したな、人の痛みがわかる本当のチャンピオンになったなと思ったものです。

以上ですが、この講演を聴いた私は、ヘアビジネスにおける「人材育成のあり方」を学びました。


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