自民党の総裁選は28日投開票に向け、谷垣禎一、河野太郎、西村康稔の三氏によって「地味に」争われています。衆議院選で大惨敗して、政党交付金が激減することに加え、野党に転落したことで、政治献金も減少が予想され、台所事情が厳しくなるため、党としての選挙経費を大幅に削減せざるを得ないからだそうです。
そうした世知辛い現実の中で行われている総裁選ですが、気になることが二つあります。一つは、表面的なことですが、衆議院で119議席しか持っていない政党のトップの名前が「総裁」というのはいかがでしょうか。伝統ある名前だからと年寄り連中はこだわるのでしょうが、社民党も社会党時代は委員長でしたが、今は党首です。例えば、日銀「総裁」は分かりますが、〇〇信用金庫「総裁」では変ですよね。あるいは、片田舎の「〇〇銀座」や「〇〇デパート」みたいと言ったら言いすぎですか。しかし、身の丈にあった名前にした方がいいのではないかと思います。
もう一つは、この三氏の争いに、純粋に自民党を建て直そうという意思とは別の思惑が入り込んでいるように思われる点です。谷垣さん自身は、福岡教授はじめ心ある人の声に推されて出馬を決め、公での発言としてはいかがとは思いましたが本当に「捨石になる」覚悟での出馬だったと思います。しかし、そこに、この期に及んでまだ派閥だの、旧世代の影響力だのを残しておきたいという勢力がすり寄っていることが気になります。また、西村康稔という一般的にはまったく無名な人の出馬に、若手を分断しようとする勢力の影響があると囁かれていることも気になります。無名な人が出馬してはいけないというわけではありませんが、政権選択選挙になっている現在、相当の存在感が必要ですが、それも感じられず、正直なんで出馬したのか?と思います(誰かの影響と言われればそうなのかと思ってしまいます)。こうしたことからも、119議席にまで落ちているのに、200議席以上を持っている感覚が抜けきっていないように感じられます。そのうち、否が応でも厳しい現実を感じるんでしょうけどね…。
新「総裁」が名前負けしませんように…。それどころか、ここ数日、鳩山首相の外遊の話題で自民党の総裁選は話題にすら上りません…。総裁だ、派閥だ、「キングメーカー」だなんて言っていられる組織ではないことに本当に気づかないと、消滅ですね…。大丈夫か…。