8月、上旬にして早くも稲の穂が出始めている。
あとひと月もすれば、立派な米が採れるのだろう。

元来、水田は、灌漑の上手から下手へと続く利水の共同作業が不可欠で、耕作している集落では、水路の維持管理や水流の利用について、農繁期、農閑期を問わず、相互の協力が絶えず行われている。
それで、米作を主とする日本の伝統的な生活では、「絆」意識が脈々と根づいているのである。
東北大震災以後、絆という言葉が多用されるようになっているが、震災が無かったとしても、絆は日本の心なのだと、この水田を見ていて気づかされたのでした。
アメリカやロシア、オーストラリアなど農業国では、夏の暑さと旱魃で、穀物価格が高騰しているらしい。
とうもろこし、大豆の減産が著しく、小麦も需給が逼迫してくるようだ。
世界の人口は70億、途上国中心に生活水準の上昇を反映して、人口の増加は加速している。
それなのに、世界の穀物生産は人口増加に追いつかない心配があり、貧しい国々の慢性飢餓は顕著になるという。
日本の米作は、農家の高齢化という問題はあるにせよ、温帯モンスーン地帯にあって、米は基本的に良くできるのだ。
農業をもっと良く考え、改善して、放射能の心配のない、おいしい米を作って、世界の食糧市場で優位に立てれば、嬉しいのではないかな。
(考え落とした。九州の阿蘇、熊本、大分方面では、集中豪雨で酷い水害に見舞われてしまった。
米作にはこういうリスクもあり、水を制御する技術とか、治水の万全ということにも気を配らねばならない。)