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じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

歌手のフォルマント

2008年01月30日 | ◎合唱は楽し
昨晩は、市内で小児救急医師研修会が開かれ、出席してきました。その後、何気なくテレビをつけ、何気なくBShiにチャンネルを合わせてみると、、、おおっ、これは面白い!という番組に出会いました。

「アインシュタインの目」という教養番組です。昨晩のテーマが「いい声で歌いたい!~カラダはこう響く~」というもの。
私の好きな歌手の渡辺真知子さんが出演していました。なおさら観ないといけません。(^^)

番組では、合唱初心者の男性と、プロの声楽家(バリトン)の、発声の比較を詳細に行っていました。喉頭ファイバーだけでなく、動的MRIまで駆使して視覚に訴えてましたので、非常に説得力があります。

中でも私にとって新たな発見だったのが、「歌手のフォルマント」のことでした。

音声は、声帯の振動によって音波が生成されます。これを喉頭原音といいます。これが声帯の上側、つまり咽頭から口腔、鼻腔、副鼻腔の空間に共鳴することで、特定帯域ごとに倍音が増幅されるのです。結果、風船がブーブーと鳴っているだけのような喉頭原音が、明瞭な言語や歌唱として体外へ発せられることになります。このときの、増幅された音の成分の塊を「フォルマント(formant)」と呼ぶのです。

音声のスペクトルを、縦軸に周波数、横軸に時間を置いて表記すると、ほとんどの人では2,000Hz以下のところにフォルマントがあり、その上には見られません。しかし、歌手の場合、それよりも高い音の3,000Hzのレベルに、もうひとつフォルマントが形成されているのです。そのことで、声楽的な朗々とした伸びやかな歌声が発せられているのでした。これが「歌手のフォルマント」と呼ばれる所以です。

その「フォルマント」を得るために必要なことは、声帯を引き下げること、だそうです。引き下げることで、声帯から上の共鳴空間が拡がり、それだけ多くの倍音が増幅されるため、音が豊かになり、通常より上の音域(3,000Hz)にフォルマントが形づくられる。そういう理屈のようでした。

声帯を下げて歌うことの重要性は常々言われていましたが、フォルマントと絡めて解説を聞いたのは初めてでしたので、これは目からウロコでしたね。

もうひとつ、歌うことで重要なポイントは、呼吸法にあります。これまた歌を歌う者にとっては永遠の課題といえます。

例の初心者とバリトン歌手との比較がありました。歌っているときの息の流れを、ユラユラと湯気のように映し出す装置を使って見たものです。一目瞭然に、初心者のほうが息が多い。歌手の方は息を効率よく流しているのです。

昔、民謡歌手の金沢明子が、細いロウソクの炎の前で高らかに民謡を歌い上げ、そのときロウソクの炎は全くといっていいほど揺らがなかった、というパフォーマンスを見せてくれたことを思い出しました。あれですネ。

ちなみに、初心者とバリトン歌手の肺活量を調べていましたが、若い初心者のほうが中年のバリトン歌手よりも1.5倍ほど多かったんです。しかし、効率よく声を発しているバリトン歌手のほうが圧倒的に長く息が続くのです。

この息のコントロールをしているのは、横隔膜を支えている腹筋の力でした。瞬発的に働く強い筋力ではなく、持続的に安定した速度で息を吐き続けられる力、それが大切なようでした。

よ~し、目標は見えてきたぞ。まずは、フォルマント。それには喉下げ。次に、呼吸法。腹筋を鍛えて安定した息を。このふたつをしっかり意識して、これからの合唱に活かしていきたいと思います。。。いささか時機を失してしまった感もありますが、シロートですから、いくつになっても自分の目標を立てて、それに向かって努力を続けることが大事かと思います。

目標は、喜寿のテノール、小林英夫さん。地場産の名工であり、同時に当地を代表する音楽家でもあります。あの年齢まで第一線の活躍が出来るよう、これからも頑張って行きたいと思っています。



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