舟屋で知られる井根は、丹後半島の北東端、若狭湾に通じる、海沿い3キロほどのリアス式海岸になる井根湾に位置する。舟屋というのは、二階建ての舟のガレージのある建物で、一階部分は舟置き場、そして二階部分が住宅スペースになっている、この地方独特の建造物である。
一日、宮津からバスで井根に向かい、あと遊覧船で海上から井根の漁村風景を満喫した。30分ほどの遊覧であったが、湾内に櫛比する舟屋風景が遠望できた。
薄もやのかかったような海上に舟が出ると、海猫やトンビが騒がしく舟にまつわりついてきた。最近は海猫よりもトンビの数が多いとは、ガイド嬢の話だった。
海はどこまでも凪ぎ、のどかな舟屋風景が無性に懐かしく感じられる。聞くところによれば、舟屋は230軒ほどあるといい、なかに江戸時代の遺構を残すものもあるという。
簡素な切妻屋根の妻入り、細長の二階建ての家屋が連続するこの独特の建物群は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
建物はおおむね昭和初期につくられたものが多く、一様に海側に口を開けている風景が独特の景観を呈している。
こうした景観はこの地域独特の自然条件に支えられている。井根湾はリアス式で、深く切り込んだ入江は波がなく穏やかで、干満の差が少なく、海際に位置する舟屋が波に洗われることがないこと、海岸の地盤が硬く、基礎がしっかりしているので、地震などの衝撃にも建物が持ちこたえられるということがある。
遊覧船で湾内を一巡したあと、 舟屋が立ち並ぶ狭い通りをそぞろ歩いてみた。通りは人声もなく深閑としている。
舟屋のガレージを覗くと、舟の出たあとのガレージには干物の魚が干してあったり、魚網を広げたりしてあった。最近は舟屋の二階を民宿として開放している家もある。
海側に立ち並ぶ舟屋と狭い通りをはさんで住宅が並んでいる。舟屋は住宅兼用の舟のガレージであるが、二階の住宅はあくまで仮屋として使われたもので、本来の住まいは、狭い通りをはさんで、山側に背をむけて母屋が立ち並んでいる。その建物はおおむね立派な造りで、蔵を備えた家もあり、この地域が豊かな生活を営んでいることがうかがえる。
なかに白壁の一軒の醸造屋があった。この地区唯一の地酒をつくっている酒屋で、まろやかな、口当たりのいい美酒として評判がいい。ほかに伝統工芸をつくる工房があったり、観光客目当てのみやげ屋もあった。
半日の慌ただしい観光であったが、いっとき現実を忘れさせる、ゆっくりとした時の流れる風景のなかで過ごせたことが実に快かった。
一日、宮津からバスで井根に向かい、あと遊覧船で海上から井根の漁村風景を満喫した。30分ほどの遊覧であったが、湾内に櫛比する舟屋風景が遠望できた。
薄もやのかかったような海上に舟が出ると、海猫やトンビが騒がしく舟にまつわりついてきた。最近は海猫よりもトンビの数が多いとは、ガイド嬢の話だった。
海はどこまでも凪ぎ、のどかな舟屋風景が無性に懐かしく感じられる。聞くところによれば、舟屋は230軒ほどあるといい、なかに江戸時代の遺構を残すものもあるという。
簡素な切妻屋根の妻入り、細長の二階建ての家屋が連続するこの独特の建物群は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
建物はおおむね昭和初期につくられたものが多く、一様に海側に口を開けている風景が独特の景観を呈している。
こうした景観はこの地域独特の自然条件に支えられている。井根湾はリアス式で、深く切り込んだ入江は波がなく穏やかで、干満の差が少なく、海際に位置する舟屋が波に洗われることがないこと、海岸の地盤が硬く、基礎がしっかりしているので、地震などの衝撃にも建物が持ちこたえられるということがある。
遊覧船で湾内を一巡したあと、 舟屋が立ち並ぶ狭い通りをそぞろ歩いてみた。通りは人声もなく深閑としている。
舟屋のガレージを覗くと、舟の出たあとのガレージには干物の魚が干してあったり、魚網を広げたりしてあった。最近は舟屋の二階を民宿として開放している家もある。
海側に立ち並ぶ舟屋と狭い通りをはさんで住宅が並んでいる。舟屋は住宅兼用の舟のガレージであるが、二階の住宅はあくまで仮屋として使われたもので、本来の住まいは、狭い通りをはさんで、山側に背をむけて母屋が立ち並んでいる。その建物はおおむね立派な造りで、蔵を備えた家もあり、この地域が豊かな生活を営んでいることがうかがえる。
なかに白壁の一軒の醸造屋があった。この地区唯一の地酒をつくっている酒屋で、まろやかな、口当たりのいい美酒として評判がいい。ほかに伝統工芸をつくる工房があったり、観光客目当てのみやげ屋もあった。
半日の慌ただしい観光であったが、いっとき現実を忘れさせる、ゆっくりとした時の流れる風景のなかで過ごせたことが実に快かった。