〈磯貝探偵事務所〉からの御挨拶(小路幸也/光文社)
図書館で装丁とタイトルがちょっと気になって借りてみた本。
読みだすと、謎の提示と解明のための手順が、過不足のない端正な文章で軽快に進められる、その心地よさに魅せられた。元刑事の探偵と大学生の助手という2つの視点からの叙述が交互に現れるが、その趣向が物語の展開に生かされているのもよかった。
作中でしばしば1年前の火災についての言及があるが、そのてん末は、前作『〈銀の鰊亭〉の御挨拶』で描かれていることがわかる。つまりこの本はシリーズ物で、私は読む順番を間違えたらしい。
しかし、こちらを先に読んでも特段の支障はなかった、と思う。すぐに前作も読んだが、やはりこちらを紹介することにした。読後感が、こちらのほうが少しよかったかな。
2つの作品に共通するのは、すべての状況を理解したうえで、つきつめて考えていくと、必然的にこういう結論にいたる、というタイプの謎解きであること。すべての状況、というのは、証拠や動機やアリバイだけではなく、探偵役や容疑者の人間関係や性格なども含むので、事件が解決してすべてよし、ではなく、主人公たちもその余波を大きく受けることになる。
だからシリーズ化は難しかろうと思うのだが、2冊出たということは、3冊目を期待してもよいのだろうか。
図書館で装丁とタイトルがちょっと気になって借りてみた本。
読みだすと、謎の提示と解明のための手順が、過不足のない端正な文章で軽快に進められる、その心地よさに魅せられた。元刑事の探偵と大学生の助手という2つの視点からの叙述が交互に現れるが、その趣向が物語の展開に生かされているのもよかった。
作中でしばしば1年前の火災についての言及があるが、そのてん末は、前作『〈銀の鰊亭〉の御挨拶』で描かれていることがわかる。つまりこの本はシリーズ物で、私は読む順番を間違えたらしい。
しかし、こちらを先に読んでも特段の支障はなかった、と思う。すぐに前作も読んだが、やはりこちらを紹介することにした。読後感が、こちらのほうが少しよかったかな。
2つの作品に共通するのは、すべての状況を理解したうえで、つきつめて考えていくと、必然的にこういう結論にいたる、というタイプの謎解きであること。すべての状況、というのは、証拠や動機やアリバイだけではなく、探偵役や容疑者の人間関係や性格なども含むので、事件が解決してすべてよし、ではなく、主人公たちもその余波を大きく受けることになる。
だからシリーズ化は難しかろうと思うのだが、2冊出たということは、3冊目を期待してもよいのだろうか。
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