おやごころ(畠中恵/文芸春秋)
江戸の町名主の跡取り息子、高橋麻之助を主人公とする「まんまこと」シリーズの第9作。前作の紹介は2021年10月だから、2年ぶり。
お気楽な若旦那のお話だったが、物語のなりゆきで、人情噺としての色合いが、少しずつ変化している。
妻子を失ったり、嫁取りに失敗したりしてきた麻之助。今作では、嫁取りも終わり第一子も無事に誕生。(江戸時代、結婚と跡継ぎを得ることは、家の存続にかかわる大事だったはず。)
経験を経て少し成長したようにみえる麻之助に、相変わらず困りごとが持ち込まれる。支配町が増えたので、もめごとが増えるのは仕方がないが、本来、かかわるはずのない旗本や八丁堀のもめごとまで、もちこまれる。
例によって麻之助はあちこち走り回って、解決の糸口を探すのだが、嫁のお和歌もあれこれと知恵を貸してくれる。今後、お和歌の役割が大きくなりそうな予感。
親となった主人公がどう変わっていくのか、(あるいは変わらないのか)、困りごとのスケールはさらに大きくなるのか。
と考えると、次作はさらに、長く待たされそうな気もする。
画像は、書影とは関係のないイメージ。
江戸の町名主の跡取り息子、高橋麻之助を主人公とする「まんまこと」シリーズの第9作。前作の紹介は2021年10月だから、2年ぶり。
お気楽な若旦那のお話だったが、物語のなりゆきで、人情噺としての色合いが、少しずつ変化している。
妻子を失ったり、嫁取りに失敗したりしてきた麻之助。今作では、嫁取りも終わり第一子も無事に誕生。(江戸時代、結婚と跡継ぎを得ることは、家の存続にかかわる大事だったはず。)
経験を経て少し成長したようにみえる麻之助に、相変わらず困りごとが持ち込まれる。支配町が増えたので、もめごとが増えるのは仕方がないが、本来、かかわるはずのない旗本や八丁堀のもめごとまで、もちこまれる。
例によって麻之助はあちこち走り回って、解決の糸口を探すのだが、嫁のお和歌もあれこれと知恵を貸してくれる。今後、お和歌の役割が大きくなりそうな予感。
親となった主人公がどう変わっていくのか、(あるいは変わらないのか)、困りごとのスケールはさらに大きくなるのか。
と考えると、次作はさらに、長く待たされそうな気もする。
画像は、書影とは関係のないイメージ。