先週末、王様のブランチで紹介していた話題のドキュメンタリー作品である
『世界の果ての通学路』 を銀座で観てきました。
この映画は、道なき道を何時間もかけて通学する子供達を追った、感動のドキュメンタリーです。
2013年秋にフランスのディズニー・エンタテイメントが配給し、フランス国内でドキュメンタリー作品としては破格の130万人を動員し、社会現象とまでなった作品です。
以下シネスウィッチ銀座が発行するプログラムを参考に、この映画の素晴らしさを紹介していきますね
監督が主人公の子供達を選んだ背景は・・・・
監督が描きたい道なき道を通学する子供達はユネスコと他国際組織の協力を得て、世界中から地理的に特殊な学校かつ通学に最も苦労している子供達をピックアップした。
さらに、通学に苦労しているだけでなく、学問が自分の将来を切り開くと信じている子供達に絞りこんだ。
選ばれた4人の子供達
ジャクソン(左)11歳、ケニア 通学は片道15km・2時間
将来の夢はパイロットになって、世界をみること。7歳のサロメを連れて毎日、象の襲撃に気をつけ危険を冒しながら通学。しっかり者でとても優秀な兄。
監督が感動したのは、ジャクソンが制服を洗っているとき 『いちばん貧しい暮らしをおくっているからって、汚い服で学校にいかなきゃいけないことはないからね。』 と発したことば。
カルロス(右)11歳、アルゼンチンのアンデス山脈、通学は片道18km・1時間30分
羊飼いの息子で5歳年下の妹・ミカイラと冷静沈着な愛馬に乗って、石ころだらけの崩れかけた道を通う。真面目で故郷を愛するカルロスは、獣医を目指す。
監督がカルロスに出演をオファーした時、『授業を休みたくない。』 という理由で一旦出演拒否したほどの真面目な性格。
ザビラ(左)12歳、モロッコのアトラス山脈。通学は片道22km・4時間。
家族の中で初めて学校へ行く世代。寄宿生として、毎週月曜日の早朝に友人2人と途中で待合わせして、22kmの道を歩く。金曜日の夕方に3人は歩いて帰宅する。毎週3人で力を合わせ励まし合いながら、果てしなく続く道を延々と歩き続ける。医師になるのが夢。
ザビラの住む地域は子供が貴重な労働力とされていて、子供の教育を拒否する家庭も多い。ザビラの一家は彼女の夢を尊重して、サポートしている。
サミュエル(車いす)13歳、インド南部のベンガル湾沿いの漁村。通学は片道4km・1時間15分。
未熟児で生まれたサミュエルは足に障害があり、歩行不能。オンボロ車椅子に兄を乗せて、弟2人がコミカルな様子で引っ張っていく。仲良し3人兄弟は、毎朝の通学でトラブルにあっても明るく立ち向かう。サミュエルの将来の夢は医師になること。
足に障害があり故郷では学校の受け入れを拒否したため、ベンガル湾へ引越してきた。監督は3人兄弟の連帯感とユーモアのセンスにいつも泣かされていたそう。
この映画の素晴らしさは、何といっても映像美と人物の自然な輝き
素晴らしさの理由:その1
監督自ら、出演者の普段通りの生活を撮影させてもらうために、各ロケ地に10日間滞在し、夢や希望を語り合い、一緒に遊び通学した。そうやって信頼関係を築き、心を開いてもらったそうです。
素晴らしさの理由:その2
撮影は1人につき12日間の日程で、10人程の小所帯にとどめた。子供を追って撮影するので、手持ちカメラでの撮影を多用したそう。
撮影方法はシンプルに、1日1か所で撮影。撮影隊が子供達と一緒に歩きながら、監督が撮影のベストポジションを必死に探したそう。ケニアの撮影では、盗賊や野生動物に襲われる危険を冒した。
素晴らしさの理由:その3
ナレーションを入れず、彼らの言葉で語ってもらった。音楽もシンプルに、派手なオーケストラを用いて感情を盛り上げようとしないで、作曲家に依頼してぴったりな曲(とても素朴)を起用した。この曲は、予告で子供達が口ずさんでいますが、本当にココロに沁み入りました
素晴らしさの理由:その4
監督は登場する子供達を通して、女子教育問題、身体的な障害、貧困といったテーマも描きたかったそうです。
世界中のすべての子供にとって、勉強することが人生において重要なことだと訴えていきたい!そんな願いが込められた作品です。
素晴らしさの理由:その5
監督は撮影終了後も、4人の子供達をサポートして彼らの教育環境を改善しました。
例えば・・・・
ケニアのジャクソンは、妹と共によりよい教育がうけられる学校へ転校。教父もみつけた。
インドのサミュエルには、使いやすい車椅子を贈った。一家の面倒を見てくれる教父もみつけ、その教父が一家に新しい家を建ててくれた。
カルロスやザビエルには、学習面でのサポートを強化した。
予告編もどうぞ
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